純文学に挑み続ける(私と答え合わせをしませんか)
純文学とは何かーこの問いに答えを与えるために、私は小説を書いている気がする。新人賞に応募し続けていると、どうしてもそれらしきものを探り、それらしきものに寄せようと試行錯誤するからだ。文体に凝ったり、具象から抽象をねらったり(またその逆もあり)、人称や時制を駆使したり、人間ドラマを書いたり……挑み方は人それぞれ、そのときどきだろう。
セルフ出版した作品の、とくに『赤いドレスをめぐる、あなたと私の狂想曲』を書いているあいだは、その物語が必然的に要する文体はどんなものになるのか考え