シビアに見る日本の女性活躍推進〜国際女性デーに思うこと〜

3月8日は国際女性デー。

日本でもここ数年は3月8日が近づくと、国連の関係団体をはじめ、女性を顧客層とする企業やNPO団体などが様々なPRを打ってきて、国際女性デーの知名度も上がってきていますね。メディアによるいろんな特集記事も組まれるようになったりして、何かと話題にのぼるのは嬉しいことです。

その一方で、シビアに見るとただのシーズンイベントにしてしまっているようにも思えます。

「今年も国際女性デーの季節がやってきました!」

「皆さん、もうすぐ国際女性デーですが女性活躍推進してますか!?」

と言った感じで。

私たちがまず知っておくべきことはこの日の起源です。何事も意義を知るためには原点にたちかえらなければ。

国際女性デーは1904年3月8日にアメリカ・ニューヨークで婦人参政権を求めたデモ運動が起源となり、1910年のデンマーク・コペンハーゲンでの国際社会主義会議にて「女性の政治的自由と平等のために戦う日」と提唱したことが始まりです。その後もこの日に因んで女性活躍に関する様々な運動が繰り広げられてきました。例えばロシアの2月革命とか。

WEFジェンダーギャップ指数でここ数年連続でトップを飾っているのはアイスランド🇮🇸です。この国でも男女平等が進んだきっかけは女性たちによるデモ運動。1975年に女性が家事や子育てを全て放棄するというストライキ運動が起こり、22万人もの人々に影響がでて女性の権利を見直すきっかけとなりました。その後もことあるごとに運動が起こっていて、最近では2018年10月に女性の賃金についてのストライキ運動が起こったばかりだそうです。

この過去が物語っているのは運動によって女性の権利が認められたという事実。

女性活躍推進の歴史は運動の歴史なのです。

この女性たちは苦悩の日々から脱却するために運動を起こした。その原動力の根底にある感情は「怒り」と「悲しみ」でしょう。

現代の日本に置き換えて、女性がこのテーマで運動を起こすために必要なことを考えてみると...

①目指すべき社会は何なのかが明確に提示されている。

②その達成のための課題は何なのか、解決策(政策)が提示されている。

③多くの人がその解決策(政策)に共感し、賛同している。

④賛同者の数はインパクトのある数字に達しており、その政策の実現への想いの強さが行動によって表現されている。

この4つがないと世論や政治は動かせないのではないかと思います。

これだけ見ても相当な情熱と執着が必要です。

これを共働きと育児でヘトヘトになっている母親たちがやろうとするのか。シングルマザーたちがやろうとするのか。生きづらい男性社会で食らいついて働く女性たちがやろうとするのか。

当事者たちは忙しいのです。

さらに、男性社会で良い思いをしている女性たちはこの動きを反対するでしょう。男女平等でなくても良いと思っている女性たちはもちろん動きません。こんな運動に参加したら男性から人気がなくなってしまうと思う女性たちは足を引っ張るかもしれないし、一部の男性と一緒になって「ダサい」とか「可愛くない」とか言い放つかもしれない。

「日本の女性たちはそこまでして運動を起こさない。」

もしかしたら、暗黙の了解で男性も女性もすでにそう思っているのかもしれない。そう思っているうちは変わらないのだと思います。

翻って考えてみると、そこまで劣悪な環境でないということなのかもしれません。

因みに男女平等を訴えるのならば、女性が積極的に11月19日の国際男性デーもPRすべきです。生きづらさを抱えているのは女性だけではありません。「デートで、男性がお金を多く負担したり女性をリードすべきという風潮」や「男性が弱音を吐いたり、悩みを打ち明けることは恥ずかしいという考え」などなど。一番多いのは「大黒柱バイアス」とも言われています。男性も同じようにジェンダーバイアスをかけられているのです。

男性をジェンダーバイアスから解き放つのは女性の役割なのかもしれません。なぜなら男性だけでなく女性もこのバイアスの当事者だからです。

いずれにしても私たちはこの歴史から学んだことを現代、そして未来に活かしていかなくてはいけません。なぜ、3月8日が多くの国で祝日となっているのか。歴史の中でどんな因果が生まれたのか。それは単に運動を起こそうという話ではありません。運動を起こさずして自然と女性活躍が推進されたならば、それはそれで今までどの国も成し遂げていない偉業であります。

私たちは当事者としてどうしたいのかという意思表示と行動が求められているのだと思います。


引用https://www.mashingup.jp/2015/11/050285womens_day_off.html

https://forbesjapan.com/articles/detail/30764/2/1/1











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