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起業編5-起業に必要なスキルは後天的に身につけられる?

こちらのnoteは「mameka記」シリーズになります。

「起業なんてのは、頭でっかちな高学歴より、経験豊富な中卒の方が成功するよ。重要なのは、いかに起業で成功する経験を積んでいるかだから。」

強面のメガネをかけているMさんはそういった。
Mさんは、メガベンチャーで数百人を束ねる役員を経験した後、独立をして、余りある自己資金でエンジェル投資をしている方だ。

「僕は、元々、起業を考えていたわけではなく、事業会社を経験しているから、エンジェル投資の活動をしながら、そこから起業する人を増やしたいと思っているんだよね。」

少人数の飲み会に呼んでいただいたときには、私より若い何人もの起業家がいた。話を聞くと魅力的なサービスがたくさんある。彼らは、Mさんの元で事業成長に向けて惜しみないアドバイスをもらっているらしい。

私は、Mさんとたまたま席が隣り合わせになったので、起業家として成功する経験とは何かを聞いてみた。

「起業にもまず、いろんなフェーズがあるからね。僕が見ている会社を立ち上げる段階で必要な5つの資質について話すよ。これは、元々もっている場合もあるけど、ほとんどが、これまでの人生やビジネスを通じて経験している中で身につくものだよ。」

経験から得られる資質であれば、再現性があるということか。
その5つの経験について益々気になった。

「1つ目として、”自分がやりたいことについて考え抜き、モチベーションをもっている”こと。心の底から、自分は何をやりたいかを自問自答している経験。別にそれがお金が欲しいとか、必ずこの人を見返すでも構わない。ただ、僕は、周りから少しチヤホヤされたい、人並み以上にお金が欲しいだったり、ワークライフバランス目当ての人は”起業家”として信用できないと思っているよ。」

確かに、そもそもなんで起業したいのだろう?自分はこうなりたい、何かしらを変えたいという揺るがない根源的な欲求があって、それがないのであれば、そもそも起業をする必要もないのだろう。
起業は最後、何かしらの形で自分で責任をとることだと思う。自発性や主体性から始まるというのは納得できる。

「2つ目に、”世の中の情勢をみて、儲けの視点をもって、マーケットを選ぶ目利きがある”ことだね。これは、先見力・洞察力と言い換えられる。好奇心をもって自分の頭で考え続ける、自分の意見にまとめる経験で鍛えられるかな。必ずしもアイデアは1人で出す必要はなく、いろんな人を巻き込んでも良い。」

『アイデアがないので自分は起業しない』とよくいうが、結局、そもそもモチベーションと好奇心があれば、いろんな人を巻き込みながら、なんとかアイデアを捻り出せるということか。
まあ、アイデアに関していうと、思考法などいろいろあるが、悩む暇があれば行動すべきってことなんだな。

「3つ目に、”人より早く知る、誰よりも早く対応する”ことかな。一定期間集中して、スピード感をもって取り組む経験ってあるだろ?例えば、受験勉強なんかそうだよ。高校3年の夏終わりまで部活をして、残り半年で合格までにやるべきことをやりきる。そこで結果を出せる力かな。仕事でも短納期で仕上げる経験がそれにあたるね。」

時間をいかにかけて成果物を出すというレベルではなく、限られた時間の中で求められるアウトプットを出すということか。
これには、集中力が求められるな。

「4つ目に、”フットワーク軽く、即行動、即修正することができる”ことかな。スポーツなんかでも、とりあえず、このフォームで試して上手くいかなかったら、別のフォームを試してみるってやつさ。よく、『リスクに対して敏感です』っていう人がいるけど、結局はリスクへの許容度であって、たくさん挑戦してたくさん失敗してれば、リスクをとることに大分慣れてくるよ。」

中々、大きなリスクを目の前にすると、行動できないと思いがちだが、
リスクをとることに対する経験量が違うわけか。
そうなると、スタートアップで若いうちから責任ある仕事を任せられて、
致命的にならないリスクをとるだけでも起業に有効なスキルを身につけられるわけだな。

「5つ目に、”お客様の立場でお客様の都合で考える”ことかな。相手の気持ちを考える経験をしているかどうかだね。例えば、普段から、相手に伝わらない難しい用語は使わないなど、相手の立場で考える経験を積んでいるかどうかだね。これは、ビジネスに限らず多くの場面で必要だよね。」

結局は、ビジネスは、お客様ひいては社会への価値提供なので、目の前の人そしてその先にいる人たちを考えられなければ、
そもそも成立しないということだろう。相手の気持ちを考えるのは、会社員であっても常に意識すべきだと思う。

「どうかな?これらの5つの経験から得られる資質をもっていれば、創業フェーズでは多くの人に賛同してもらえると思うよ。”当たり前のことを当たり前にやる”これができるのは相当にすごいことだからね。”資金繰りと返済計画を含めた数字の裏づけをリアルに考えていけるか”だったり、”組織づくり”に関しては、仲間を頼ればいい。ただ、創業者は、上記5つは絶対必要だね。」

実際に目に見える結果でアウトプットが求められる環境で、挑戦と失敗の繰り返しの中で、身につけていくということか。

確かに、受験勉強で上手くいって行動を止めてしまった時点でこれらの経験は出来なさそうだな。Mさんが冒頭言っていた意味がよくわかった。

「そうそう、言い忘れていたけど、僕が投資先を探す上で、創業者を見ている点がもう1つあった。それは、”レジリエンス”だね。経営をしていると、従業員からバッシングを受けたり、利益の大事さを痛感するようになる。給与を払う側の気持ちや安定した収入の必要性から、創業期にもっていた心が折れそうになる場面は幾度となく直面する。そんな中でも、自身の心の成長に結びつける引き受けの法則を信じて、自己限定を乗り越え、運を味方にして、挫折から立ち直る、失敗を糧にすることができて、その先に成功が見えてくる。まあ常に試練は待ち受けているんだけどね(笑)」

お客様視点でサービス作りに励み、大手に参入されない、真似されない、参入障壁を構築していく。
従業員を理解する、認める、褒めることで、一体感のある組織づくりをする、大事にしていた従業員の離職にも動じず進んでいくこと。
資金管理を徹底してお金を回していく、必要に応じて株の分配方法を考えていく。

確かに、これを1人もしくは2〜3人で責任をもって回していくとなると
体調管理含め、心が折れる(=燃え尽きる)ことも出てくるという話か。

スタートアップであれば、考えてから行動するというより、
行動しながら1つ1つに対処していかなければいけない。

これらをやりきれる覚悟があるか、1つ目の自分の揺るがない根源的な欲求に目を向けることが大事だと思った。

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