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インド行きの背中を押してくれた本


「よし、インドに行こう」
そうは思ってもいざ実行に移すとなると躊躇する。
不安材料はたくさんある。
ひとりで海外旅行なんて一回も行ったことがなければ、英語もまったくできない。
さらには子供と1ヵ月も離れ離れになるなんて、なかなか踏ん切りがつかない。
そして心を占める悩みがひとつ。
それはお金のことだった。
時代は石油高と円安のダブルパンチ。
主婦の貯金金額では資格取得金+渡航費を出し切れない。
『こんなにお金をかけてインドに行って、結局ヨガの仕事がうまくいかなかったらどうしよう。無駄遣いになるなら行かないほうがいいのではないか』そんなぐずぐずと悩む私の背中をえいやっと押してくれた本を今回は紹介します。

DIE WITH ZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール


ダイヤモンド社 ビル・パーキンス (著), 児島 修 (翻訳)

まずは、有名なアリとキリギリスのイソップ寓話から始めよう。
夏の間、勤勉なアリは冬の食料を蓄えるためにせっせと働いた。
一方の気楽なバッタは、自由に遊んで過ごした。
やがて冬が到来した。アリは生き残ることができたが、
バッタには悲惨な現実が待っていた――。

この寓話の教訓は、
人生には働くべきときと遊んでもいいときがある、というものだ。
もっともな話だ。

でも、ここで疑問は生じないだろうか? 
つまり、アリは”いつ”遊ぶことができるのだろう? ということである。
それが、この本で提起したい問題だ。

私たちは、キリギリスの末路を知っている。
そう、飢え死にだ。

だが、アリはどうなったのか? 
短い人生を奴隷のように働いて過ごし、
そのまま死んでいくのだろうか? 
いつ、楽しい時を過すのか?

もちろん、誰もが生きるために働かなければならない。
だが、ただ生きる以上のことをしたいとも望んでいる。
「本当の人生」を生きたいのだ。
この本のテーマはそれだ。

ただ生きるだけではなく、十分に生きる。

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルールまえがきより


『アスカがインドに行くべき理由がわかりやすく書いてあるよ。』
そう言ってこの本を差し出してくれたのは夫だった。
夫は読書家なのでどんどんと本を買う。
いつもは夫の感想を聞いて読んだつもりになっているのだが、今回はこの強烈なタイトルに興味がわいた。
【ゼロで死ね】ってことは【宵越しの銭は持たない】という江戸っ子と同じ感じ?と思ったからだ。
落語や講談、歌舞伎が好きな私は江戸っ子に弱い。
普段あまりこういう類の本は読まないのだが、江戸の香りに誘われて、読んでみることにしたのだった。

簡単に内容説明

シンプルにまとめると、この本はお金の使い方を教えてくれている。
お金の貯め方、増やし方を教える本は山ほどあるが、使い方を教えてくれる本とは珍しい。
お金を貯めるのはいいことだ。貯金額が多いのは一つの自慢の材料だ。
多くの人がお金を増やすために働いているといっても過言ではない。
でも、人生は有限だ。いつか死ぬ。
資産を増やして結局楽しみを老後に先延ばしにしても、その経験は本当に老後楽しめる保証はあるだろうか?
貯金神話が刷り込まれた私たちに、統計学数値や経験を交えながら【いかに有効的にお金を使うか】をわかりやすく説明している。

人生で一番大切なのは経験

この本で繰り返し主張しているのが経験せよ、というメッセージだ。
人生は毎秒、毎分の経験の合計だ。時間やお金をかけて何かを経験するのはその瞬間を楽しむためだけではなく、思い出という配当を得ることができる。だからこそ、私たちは経験に投資すべきだ。老後価値が高まるのは思い出だ。金ではない。と筆者は主張する。
つまり、今はお金もないし時間もないから、と老後の楽しみにとっているような海外旅行、やってみたい習い事などの経験、体験は、老後にやっていては遅すぎるということだ。
やりたいと思ったとき、借金してまでやったほうが良い。何事も早い投資のほうがリターンが多い。

読んでいる最中から目からうろこポロポロ状態。
若いうちは働き、老後はのんびりとやりたいことをやるものだと思い込んでいたからだ。(私だけでなく、全国民がそう思って生きているのではないだろうか?)

そしてなによりも、私の不安の一つである
『お金かけたのに無駄遣いになるんじゃないか』疑惑をきれいさっぱりと消し去ってくれたのだ。
人生で一番若い今こそ大胆に行動することに価値があるんだ、と。

最後に

読んだ結果、江戸っ子とは違ったのだが、とても面白い本だった。
アリのように永遠と働くのではなく、キリギリスのようになまけすぎず、人生を最大限に楽しむための経験をこれから積極的にしていこうと前向きになれる。
この本はどんな人にもおすすめだけど、やっぱ私と同世代、30代くらいの人に読んでもらいたいな。
だって、今が一番頭が冴えてる年齢だと思うから。
ぜひ読んで、感想をシェアしあいましょう!

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