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ふるさとの海

noteの毎週投稿。
たまにスランプで何も浮かばなかったり、何度書いても文章がまとまらない生みの苦しみを感じることも。
そんなときにはnoteの「応募する」からテーマを探してみる。
これがnoteを続けられている秘訣の1つ。

今日は#ふるさとを語ろう、で書いてみようと思います。

私のふるさとは、瀬戸内海の海の街。
小学校の防波堤の外はすぐに海岸。
夏のはじめには、授業の中で海岸のゴミ拾いをしてガラスや貝殻を拾って、水泳の授業は、いざ海へ!!

放課後の遊び場も海。砂浜で友達と遊んだり、海岸線の崖にしがみつき奥にある自然にできた空洞が秘密基地。
海岸線の岩場には、イソギンチャクや貝が住んでいて、おやつのチョコレートを『イソギンチャン』が美味しそうに食べるのを眺めるのが好きだった。

いつものように、仲間達と夢中で遊んでいたある日の放課後。
気づいたら満潮に近づき海水面が上がり、砂浜に帰れなくなっていた。

「大変だ!!」
泣きそうになりながら、仲間達と考える。
このまま潮が引くのを待っていたのでは深夜になってしまう。
勿論スマホなんて便利な物はなく、私達がどこで遊んでいるのか知らない家族は心配するだろう。

「もう行くしかない!よし行こう!!頑張ろう!」
と励まし合って、いつもの足場より、より切り立った上の方の崖にしがみつき、声を掛け合い涙をこらえて歯を食いしばる。
1分1秒でも急がなくては波にさらわれてしまう、ざばんざばんと襲ってくる波しぶき。

最後は砂浜に飛び移るしかない程に潮が満ちていた。
間一髪。

仲間達と無事生還することにほっとするのもつかの間。
早く帰らなくちゃ!!夕日を背に、慌てて家族の待つおうちに走る。

勿論そんな危険なことがあったなんて、口が裂けても言えなかった。仲間との秘密の体験。

うちの息子くん達が小学生の頃、一緒にその洞窟に行ってみたことがあった。
普通に引き潮でも岩場と崖にしがみつくのは大変な状況で、思い出してぞっとした。

子ども達は、遊びの中で、自然の楽しさを体験し、自然に畏怖の念も感じる。
自分に出来ること出来ないこと。自分で考え、行動にうつせるようになっていく。
生きる力は仲間達との遊びの中で育まれていく。

現代の子ども達には大人の目が届かない、子ども達の秘密基地を体験し、ドキドキわくわくする経験があるんだろうかとふと思うことがある。

勿論危険な目に遭うことが良いことだとは思いませんが、子ども達が、自分達で考えた遊びに時間を忘れて没頭する。そんな体験が生きる力と困難を生き抜くエネルギーになっている。だとすると、現代の子ども達はどこでその力をつけているんだろうか。

ここで私が気をつけていることは「力が育まれていない」と決めつけないこと。子ども達はたくましい。どんな状況であっても毎日の中で学び続けて成長し続けている。それを忘れず、子ども達と一緒に成長していきたい。

私にとってのふるさとの景色は、生活のすぐそばにいつもあった海の風景。
私が泣いても笑っても、落ち込んでも楽しくても、いつも変わらず、よせては引いて。そこにある海。
来週は母の誕生日。久しぶりに一緒に海に散歩に行ってみようか。
ふるさとの海が私を待ってくれているに違いない。


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