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『こころの授業』

「命を大切に」
きっとそんなことは子ども達も小学校までで十分に学んで理解してきている。

「生きる力を育む」
どんな体験をして、どんなことを学ぶことができれば、子ども達は現代を生き抜き、未来を切り拓くことが出来るんだろうか・・・。

ずっとずっと、考え続けて来た。。。

中学生の頃の私は、腎臓の小児難病「ネフローゼ」を患い、1年生から3年生まで毎年毎年、普通に登校できたのは3ヶ月程度。
ステロイドの薬の副作用で顔がパンパンに腫れる「ムーンフェイス」になっていた。
人からどう思われているのか敏感なお年頃だった私は、本当に本当に辛くて辛くて「消えて無くなりたい」と考えたことも何度もあった。

でも、その気持ちを、親にも先生にも友達にも、誰にも話したことは無かった。
家族には病気や身体の心配をさせているのに、もうこれ以上心配をかけたくなかったし、先生に言えば親に伝わるに違いないと絶対に話せなかった。

友達達は、みんな健康で、みんな楽しそうに、中学校生活を謳歌していた。
「何で自分だけ・・・。」
そんな風に、大切な友達を妬ましく想ってしまう自分自身に、余計に自己嫌悪していった。そんな自分が大嫌いだった。

大人にも友達にも、誰にも理解される訳がないと信じ込んでいた。
「相談しよう」何て考えたことは無かったし
「言っても無駄だ」と今も未来も全て諦めていた。

先週、スクールカウンセラーとして勤める中学校で、担任の先生と一緒に『こころの授業』をさせてもらえる機会をいただいた。

何週間前から授業の内容を一人で考えてみた。
考えて考えて。。。
思いついた!!
「『教える』『育む』のプロが沢山いる学校。先生方に相談しよう!」
校長先生や教頭先生、授業する学年部の先生や、養護教諭、スクールソーシャルワーカーや、心のサポーターやスペシャルサポートルームの先生。沢山の先生が集まってくれ、私の相談に乗ってくれ、一緒に授業を組み立てていってくれた。

子ども達に何を伝えるか。
子ども達に何を感じてもらいたいか。
どうやったら子ども達に伝わるか。子ども達が感じ取れるか。

先生達の『教える』『育む』の専門性は本当に素晴しい。
先生方の助言には、子ども達への優しい想いが詰まっていた。子ども達の幸せを心から願い一生懸命考えてくれる先生達。
先生達の暖かい助言に、私も勇気が湧いてきた!

『こころの授業』当日。
思春期の「今」両極端な気持ちが沸き起こりやすく「もやもや」したり「イライラ」したり不安定な気持ちになり易いけれど、その「もやもや」や「イライラ」があるから自分自身が大切にしたいことや、自分自身を知るチャンスになることを伝えた。

次にコミュニケーションの「伝え方」「聴き方」のコツを、担任の先生とカウンセラーでロールプレイをしながら伝えていく。先生が2人で助け合いながら授業を進めることで「完璧じゃなくていいんだ。助け合って乗り越えていけば良いんだ」と感じてもらうのも裏の目的。

最後は、しっくりいく相手が見つかるまであきらめず相談し続ける大切さを伝えた。大人は「見張っている」のではなく「見守っている」のだと体感できるように、各クラスに関わる色々な先生にも見学に入ってもらった。

授業の数日前。
授業で使うスライドを丁寧に根気強く指導してくれた教頭先生から
「ここが土居さんの1番伝えたいところでしょ?ここはもっと大きく見やすくした方がしっかり伝わって良いよ」
と言われてはっとした。
「ここが1番私の大切なメッセージだったんだ!」

みなさんは私達の大切な大切な宝物です。
『こころ』も『身体』も大切に。
中学校生活を過ごして下さいね。応援しています!

中学生の頃、私が病気で辛い4年間を乗り越え「生きる」が選択できたのは、きっとわたし以上に、うちの母やおばあちゃん、おじいちゃんが私を大切に大切に想ってくれていることが、しっかり『こころ』で感じ取れていたからだったんだ!

私がどんなに嫌っても、病気の身体も。機能不全の腎臓も。はなぺちゃな鼻も。パンパンな顔も。「丸ごとわたし」を大切に想ってくれていることを感じ取れていたからだったんだ!

母もおばあちゃんも「大切だよ」と言葉で伝えてきてくれた。
たまに替え歌でも伝えてきてくれたし、お手紙も書いてくれた。

大人達がどんなに大切に大切に想っていても、子ども達に伝えなければ伝わらない。

今回の『こころの授業』は私に重要なことを思い出させてくれた。
私がもらった『生きる勇気』を、子ども達にも伝えたい!

皆さんも私と一緒に伝えてみませんか?
大切な人に大切な言葉を。

「あなたは大切な存在です」
「あなたに出会えて幸せです」
どうか、あなたに伝わりますように・・・。


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