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一人暮らし、生きる

3年前の今頃、私は毎日泣いていた
買い物をしている時、家族と家で話している時、テレビを見ている時
あらゆるものが私を刺激して、涙を堪えるのすら面倒になっていた

3年前の今頃、私はぎりぎり高校3年生でした
東京の大学に進学することが決まり、住む場所も決まり、家具や日用品を揃えている時期でした
家族と離れて一人暮らしをすることが寂しくって不安で
泣くと家族に慰めてもらえるので、それを求めていたのもあるかもしれません

思い出します
フライパンや鍋などのキッチン用品を買いにイオンに行った日
まるり、どのフライパンがいい?とママに聞かれました
私は実家で料理を全くしたことのなかったので、フライパンのことなんて分かりません
お恥ずかしながら、コンロの付け方もわからなかったんですから
何もわからないのに一人で料理をして、一人で食べなければならない、というこの先の私の宿命をフライパンが示しているようで、フライパンを忌々しく思いました
わからないよ〜、いやだ〜と、私はイオンのキッチン用品売り場で泣き出していました
泣くのに慣れていました
そうだね、まるりはわからないよねと言ってママも涙を浮かべました
ママはそして、あんまり料理しないだろうしこれでいいか、と手頃なものをカゴに入れました
そんなことばかりでした

既に東京に住んでいた姉ちゃんに二人暮らしを提案して断られて泣き、父と母を連れて一家で上京することが難しいことがわかって泣きました
どうにかして、一人になりたくなかったのです
料理も掃除も洗濯もできず、死ぬんじゃないかと思っていました

3年後の今、めっちゃ生きてます
生きてて楽しいです
一人暮らし楽しいです
料理もまあまあできるようになったし、掃除と洗濯もそれなりにします

寂しさや無力さに負けないように、必死に生きてきました
一人でも楽しめることを見つけたり、友達との遊び方を覚えたり
まっさらだった部屋は、生活感が溢れる部屋になりました

今日は暖かくて、雨上がりで、春の匂いがする1日でしたね
春が来るのが、どれだけ恐ろしかったことか
今、私は春が来るのが楽しみで仕方ないです
大好きな仲間たちとお花見をするんです

絶対に死なない

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