大学生の私の青春
昨日、バイト先のケーキが大量に余った
廃棄しても良いのだが、私は持ち帰った
その量に、上司にドン引きされながら
私は帰宅してすぐ、友達に電話をかけた
「もしもし、ケーキいる?」
「いる!」
この子の返事はいつもこうだ
笑顔を浮かべた瞬間の声がする
「じゃあ10分後には着くわ」
「オッケー」
私の友達は、徒歩1分のところに住んでいる
ケーキが余った時、一人でごはんを食べるのが寂しい時、食べたいものがある時、私たちは電話をかける
部屋着で家を訪問し、いつまでも話し、食べ、飲み、終電なんかとうにない時間に自分の家に帰る
私は、何度この子に救われてきたんだろう
大量のケーキと、借りていたものと、雨がぱらぱらと降っていたので傘を持って家を出る
部屋着で、サンダルで、ノーブラで
あの子の家のチャイムを鳴らしたら、きっとあの子はいつものように「どうぞ〜」と言って扉を開けてくれるだろう
そして、私たちはいつものように満腹を無視して、いつまでも話し続けるだろう
私の大学生活に、この子がいてよかった
私の青春は、まだ続いている
あの子のアパートから、光が漏れている
私は、幾度となく押したチャイムをまた鳴らす
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