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小説_『平成最後の。』

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テレビを見ていると
あるフレーズが頭に残った。

「平成最後の」

最近よくきくフレーズだ。

節目は僕たちにたくさんの機会を与えてくれる。

新たな目標を設定する。
今までの振り返り。
今までの考え方を改めなおす。

僕は誰かが熱心に語っていたことを思い出した。

「節目は人間が勝手に作り出した虚構だ。世界は日が昇り沈むことを繰り返し、ただ淡々と時を刻んでいるだけだ」

・人間は勝手に節目を設定しているだけ。
・全部人間が決めてきた。
・世界はただ存在しているだけ。

人間が決めたって言っても
僕は何も決めていなかった。

自分のことなのに
流れのまま生きてきた。

「自分の生き方ぐらい、自分で決めよう」
と僕は内容が入ってこないテレビの画面を見ながら独りごとを言った。

全部自分で決める。
人生の目的も。

どんな人生を送りたいのか。
その人生を送るにはどうすればいいのか。
最初にできることは何か。
いつまでにそれを達成するのか。

そして僕はテレビを消して、
カバンの中から手帳を取り出した。

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