見出し画像

チャリティー・ビギン・アット・ホーム、あるいは、自分の足元を見る。

SF好きの自分は子どもの頃から「謎の円盤UFO」「スタートレック」「スターロスト」「スペース1999」といったテレビ番組を夢中で見ていた。そこに登場する通信ガジェットが好きで、スタートレックのコミュニケーターとかスペース1999のコムロックとか、超あこがれていた。けど、考えて見たら、いま使ってるiPhoneって、それらを遥かに凌駕してるよね。自分の生きてるリアルの方がSFより先を行ってるなあ、と感じる。

ガジェットの夢はかなっても、宇宙の旅については残念ながら人類の歩みは遅々としている。前澤社長が搭乗予定のスペースX社のロケットは、宇宙から帰還して垂直着陸する1950年代のパルプマガジンの表紙絵みたいだ。しかし、毎回あとちょっとのところで爆発炎上しちゃう。ロケットの強力な噴射を微妙な姿勢制御に使うのが、いかに難しいことか。プロペラを回して降りてきた方が楽なんじゃないか、と思ってしまう。

大気圏外から戻るだけで、つまずいているわけだから、スタートレックの世界を実現するのは遠い。着地をクリアできても、その先には、光の速度を誰も超えられないという特殊相対性理論が立ちはだかっている。この壁を超えて何百万光年もの旅が出来るようにするには、SFでおなじみの「ワープ航法」が必要だ。NASA(アメリカ航空宇宙局)は、まじめにその実現可能性を研究していて、メキシコの物理学者ミゲル・アルクビエレの提案にもとづいた「アルクビエレ・ドライブ」というのを考えているらしい。それは「ビッグバンによる宇宙の膨張速度は、光の速度を超えることが許される」(だれが許してるのか知らないけど。たぶん神?)という点に着目したアイデアだ。宇宙船の後方に人為的に小さなビッグバンを起こして時空の歪みを作り、その波に乗ってサーフィンすることで光速を超える、というイメージ。でも計算によると、有効なスピードを得るには現宇宙のビッグバンの何倍も大きなエネルギーが必要になるみたい。まあ、無理かもしれないねー。

今日の聖書の言葉。

イエスは言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」
マルコによる福音書 16:15 新共同訳

ここで「全世界」と言われている箇所は、原典のギリシャ語で「コスモス」という単語が使われている。もともとは、秩序だった仕組み、という意味で、そこから「宇宙」という意味を持つようになった言葉だ。コスモスというと、ジェット推進研究所のカール・セーガン博士がホストをつとめた宇宙論の解説番組「コスモス」を思い出す。

つまり、今日の聖書の言葉は

全宇宙に行って
すべてのクリーチャーに福音を宣べ伝えなさい

と訳すこともできるんだよね。

19世紀は海外伝道協会が盛んに設立され、世界中を宣教師たちが行き巡り、福音を伝えたわけだけど、もしかしたら遠い将来、外宇宙伝道協会が作られて、キリストの福音を人間以外の被造物に伝える日が来るのかもしれない。

まあ。。。でも。。。そのまえに。。。

実はまだ、地球上で福音を伝えられていない被造物が、たくさんいるんじゃないかと思う。宇宙の前に、身近に目を向けるべきだよね。

福音。。。神があなたを創造した。だから、あなたは尊い。もちろん問題が無いわけじゃない。むしろ問題はあるけれど、でも神は、ひとり子イエスを十字架につけ、復活させることによって、問題を解決してくれた。その事実によって、あなたのかけがえのなさが証明されているんだ。。。という福音を、金魚や虫や粘菌に、どうやってコミュニケーションするのか。

この福音を、言葉が通じる人間に説明するだけでも、なかなか難しい。ましてや、これを猫に説明するのは、宇宙人に説明するのと同じくらい難しいかもしれない。

なので、福音を「言葉」で伝えることは留保して、当面は、あなたは大事だよ、尊いよ、かけがえのない存在だよ、と思っていることを、態度で示して行くしかないんじゃないかと思う。もしかしたら、そのうち人間と猫の会話を可能にする自動翻訳機が出来るかもしれないし。

で、こっから先は、星新一みたいな世界になるけど。。。

翻訳機から猫の声が聞こえてくるんだ。

「この地球では毎日たくさんの生き物が絶滅しているよ。それは、人間の活動が原因だ。だから、まず人間には福音にふさわしく生活してほしい。話を聞くのは、それからだ」

猫のそっけない態度には、そういう意味があったのかー、と思わされてしまうかも。。。

そう、だから、言葉以前に、態度以前に、ライフスタイルを変えないといけないんだよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?