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『XXX湯』


(まえがき)
本日は例によって、読み始めたあとは自己責任でお願いしたいタイプの作文です。よろしくお願いします。


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晩秋の休日


彼女も友達もいない俺は

唯一のパートナーである

愛車のバイクにまたがって

紅葉に彩られた山あいを

さっそうと駆け抜けることにした


峠のてっぺんまで来て

道の駅で名物のうどんを啜った


ちょっとあたりを散歩するか

なんて思ったら

足湯があるじゃないか


これはいい


どうやら近くには

本格的な温泉施設もあるようだが

いま風呂なんかに入ったら

帰り道の運転がおっくうすぎる


その点足湯であれば

ツーリングの疲れをとるのに

ちょうどいい


さっそく靴を脱ぎ

靴下をもぎとって

ああ手ぬぐいは売店で買った


うぅぅ

沁みる


景色もいいし

うどんも旨かったが

この足湯はほんとうに

バイカーの疲れを癒してくれる


ものの10分くらいだろうか

すっかり下半身が温まり

満足して足を拭いていると


「あちらに手湯もございますよ」


いつのまに現れたのか

若いおねえさんが

俺に声をかけてくれた


胸元のストラップを見る限り

観光協会の人のようで


おねえさんがわざわざ

声を掛けてくれたんだから

手湯も楽しむかと


「どうですか?芯から温まりますよね」


おねえさんの言葉が優しくて

いっそう温まる気がする


手湯ってなんだよと

これまでバカにしていたけど

これは悪くないぞ


「お客様まだお時間あるようでしたら」


すっかり手先が温まった俺に

まだなにか湯を勧めようと


「ちXぽ湯というのがございまして…」


は?と耳を疑った


「男性のお客様は是非…」


おねえさんが顔を赤らめながら

指さすその先には

たしかに先客がいて


人間の身長に合わせたサイズの風呂桶

それに蓋がされて

ちょうど股間のあたりにすっぽり穴が


何これ


いくら山奥とはいえ

こんな屋外で…


「きっと温まると思いますよ」


なおも顔を赤らめつつ

おねえさんは勧めてくるから

そういうことならと

俺も堪能することにした


脱衣所がないので

チャックだけを下ろして

あとは察してほしい


うぅぅ

沁みる

うああああ

たまらない


下半身から温まるとは

本来はこのことだ


もう全身がとろけそうだよ




なんだかごめんなさい




「いかがですか?」


いるのは認識してたけど

こんなときに話しかけないでほしい


けど話しかけられてうれしい


「下半身が温まりますよね」


えぇごもっともです


これ以上長く浸かっていたら

おかしくなってしまいそうなので

さっさと湯から上がって


「最後にもうひとつありますが…」


おねえさん

これ以上何があるというのか


「乳湯といいまして」


さっきのちXぽ湯と同様に

風呂桶に蓋がしてあって

胸のあたりに2つの穴


これは男女兼用だそう


「湯の水位調整に苦労したんです」


おねえさんが急に語り出した


「最初もう少し低い水位だったのですが…」


いまは男の俺でも

両のちXびがちょうど浸かる水位だ


「それだと女性でも人によっては届かないって」


あぁたしかに胸の膨らみが

豊かな人とそうでない人で

違うだろうな


「でもあんまり水位が高いと私などは浮いてしまって」


なるほどね

そうだろうね


実はさっきから

観光協会のストラップの両側に揺れる

豊満な膨らみばかり気になっていた


それはさておき


仕方なく乳湯は

きょにゅう用とひんにゅう用の2種類を

用意しているとのこと

男の俺はもちろん後者


「ちXぽ湯のほうも実は2種類あったんですよ」


えっそうだったのか


俺の使ったほうを振り返ったら

短小用だったのは

おねえさんと俺だけのひみつ





(あとがき)

多様性とかルッキズムとかいろんな現代社会の問題に一石を投じる話題作が爆誕した気がする。









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