どちらがハラスメントかわかりますか?
こんにちは。
牧 菜々子です。
あなたに質問です。
どちらがハラスメントだと思いますか?
1.大声で「おい!掃除しろよ!」と言う。
2.穏やかに「人として最低限のことくらいしようね。」と言う。
ヒントは、どちらが人格を否定しているか。
答えは、2.です。
「人として最低限のことくらいしようね。」
それができないのは人間ではない、と、人格を否定しているからです。
いくら穏やかな口調でも、人格を持ち出す言動は、ハラスメントなのです。
大声で怒鳴ってもハラスメントにはならない
大声で「おい!掃除しろよ!」と怒鳴っても、ハラスメントにはなりません。
粗野に要求しているだけ。
相手の人格を持ち出してはいないからです。
よく、「ハラスメントは『言い方』の問題だ」と言われます。
「『言い方』の問題」だけだと、少し足りません。
乱暴な「言い方」なだけでは、ハラスメントとは言えない。
たしかにある意味「言い方」なのですが、「だからお前はだめなんだ」とか、「人として最低限のことくらいはしてください」とか、人格を持ち出す「言い方」が問題なのです。
大声かどうかは、「口調」の問題。
同じことを伝えるにしても、人格を持ち出す言い方が、ハラスメントになるのです。
穏やかな口調でもハラスメントになる
だから、穏やかな口調だからといって、ハラスメントにならないわけではありません。
穏やかな口調で、「掃除してね。」なら、ひとまず問題ありません。
(「あなたがしてもいいのに。」という問題は別です。)
穏やかな口調で、「掃除ができないのは人として最低だよ。」と言えば、ハラスメントなのです。
伝えたいことを「人格を否定しながら伝える」のがハラスメント
何がハラスメントで、何がハラスメントでないのか。
どう言えば、ハラスメントにならないのか。
どう言うと、ハラスメントになるのか。
境界線があいまいで、深く考えないままにしてしまいがちです。
境界線は、口調ではありません。
境界線は、人格を持ち出すかどうかです。
伝えたいことを、人格を否定しながら伝えるのが、ハラスメントなのです。
人としての価値とは切り離して、シンプルに「掃除してね。」と言えば大丈夫。
穏やかに人格否定するくらいなら、「おい!掃除しろよ!」でいいのです。