心臓を捧げよ?

アメリカの小・中・高校には
毎朝のお決まりのルーティーンがあります。

それはPledge of Allegiance(忠誠の誓い)
ホームルームの時間になると、
先生も生徒も皆立ち上がり、
自分の胸に手を当てて、
教室の角に掲げられた星条旗に向かって、
アメリカ合衆国への忠誠を誓う言葉を暗唱するのです。

多分、アメリカの小・中・高校のどれかいずれかにでも通ったことがあれば、
空でpledgeを唱えることができると思います。

ちなみに、pledgeの後にスピーカーから流れてくる国家を聴く、
もしくは流れてくる国歌にに合わせて皆で歌う、という場合もあります。

私が通っていた高校は、
Pledgeの後に国家を聴かせられるスタイルだったのですが、
それはCD音源を聴かせられることもあれば、
放送室のマイクに向かって歌自慢の生徒たちの歌う生歌を聴かされることもあります。
(確かに上手だった。)

さて、
私が最初にそういったアメリカのpledgeとか国歌を意識したのは小学2年生の時。
(ナーサリースクールでも国歌は習っていたけれど、その頃は国歌であるということもわからず歌っていました。)
二回目の駐在で、ニュージャージー州のTという町に引っ越し、
小学校登校初日のことでした。

音楽の授業があり、最初に習ったのが国歌でした。
オリンピックのアメリカ国歌斉唱とか、スーパーボウルとかで洋楽アーティストが歌うStar Spangled Bannerだったのか、
それともpledgeの言葉に曲をつけたものだったのかはいまいち覚えていないのですが、
とにかく、転校初日の音楽の授業は国歌をクラスメイト全員で歌う、というものでした。

それが、たまたま私が転校した日にクラスが国歌を習う日だったのか、
それとも、異国から来た転校生に、まずはアメリカ国歌を教えなければ!
と、わざわざ国歌の授業にしてくれたのかは定かじゃないですが(考えすぎか?)、

そこから何年も何年も
私は胸に手をあてて、
心臓を捧げよ!!!
的な感じにも見えなくない様相で、
特に何も考えず、
毎朝皆がやっているし、
やらなきゃいけないし、
と自動的にpledgeを暗唱し、
国歌を歌うことになるのでした。

とはいえ、
私が高校生ぐらいの時になると、社会も色々と変化がありまして、
忠誠を誓うこと、誓わないことの自由を主張する人が出てきて、
「宗教的な理由で、自分が信じる神さまにしか忠誠を誓いたくないから私は立ちません。Pledgeも唱えません!」という人が出てきました。
そういう人は立って斉唱しなくてもよくなりましたが、
基本的には皆pledge &国歌のコンボを決めてた気がします。

しかし、
あんなに毎日pledgeと国歌を暗唱したり歌ったりしていたのに、
実は私はpledgeが何を言っているのかいまいちわかっていないし、
国歌もなんとなく覚えているけど、歌詞を完璧に覚えていません。

なぜならば、
ただ、耳でなんとなく聞いて、
皆が唱えているのを真似して覚えてしまった上に、
いちいち歌詞の意味だのpledgeの意味だのを調べなかったから!!!

なんというテキトーさ。
でも、まぁこういう刷り込み教育のような形で愛国心や忠誠心を育てたりするよりも、
自分でその国の好きなところを見つけたりして
「私はこの国が好き!」
って思ったり言った方が良いと思うけどなぁ。


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