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教育に焦点を―子どもが学びを欲するということ

2024/2/8(木):教育に焦点を

 今日も覗いて下さってありがとうございます。
 私の更新は日々パソコンのご機嫌伺いとセット…昨日はご機嫌ななめなパソコンにそっぽ向かれており更新できませんでした。
 


はじめに


 さて!今日は教育について考えていきたいと思います。
 今日焦点を当てていきたいのは、「子どもの学び」そのものについて。
 
 大村はま先生の実体験から「子どもの学びって、我慢してさせるものだったっけ?」ということ…以前にも徒然日記で書きましたが、はま先生が経験に基づいて説得力のある教えを下さっているので、ここで考察していきましょう。

引用エピソードの背景

 はま先生の書籍の引用をする前に、引用文献の背景について説明をした上で引用・考察をしていきたいと思います。

 大村はまさんは中学校の国語科教員であり、戦時中戦後にも現場に立ち続け現場の人であり続けた人物です。
 戦後、新制中学校がスタートした折に江東区深川にある中学校に赴任し、校舎・教室さえまともにない状態から教壇に立つ…という経験をされました。戦後の子どもたちの状態は、自分の席もなく落ち着いて授業を聞く…なんてことのままならない時代…教科書、鉛筆、黒板、紙という教材すらもちろん手元にない状態での教育の実態とはま先生の気付きが以下の引用になります。

子どもの学びと変化

 子どもたち自身はどうでしょう。戦時中はほとんど先生の手が入っていない。強制疎開から帰ってきたばかりで何もしてなかった。また人間らしくかまってもらえなかった。(中略)しかし子どもたちは異様に元気でした。ガラスのかけらや何かのかけらの上もかまわずに飛び跳ねている。机もなにもない広場ですから、いくらでもわんわん、わんわん、ただ、かけまわっています。私が「静かに」なんていっても、耳に入るものではありません。

「授業を創る」:大村はま P149~

 どうして新聞紙を教材にしよう、と思いついたか、べつに考えはありません。いつの間にか新聞紙を出して作ってしまったのです。(中略)その新聞紙とちびた鉛筆とを持って学校へ行きました。
(中略)
子どもがひとり、だれかに追いかけられて、私の立っている方へパーッと飛んできました。どうしたはずみか、私は、その子をぱっとはがい締めに抱きかかえてしまいました。(中略)そしてその子に新聞の教材と鉛筆を渡して、これ、やりなさい、と言ったのです。そしてまた立っていて、飛んでくる子をつかまえたのです。(中略)
さっきの子どもは何をしているか、とひょっと見ると、どうでしょう、つかまえられた男の子が、くにゃくにゃに曲がった窓枠の鉄のわずかに平らな所に紙をあてて、一生懸命何か書いている。その隣でも紙のしわを伸ばしたりしながら、一生懸命読んでいるではありませんか。
 そのときの子どものめ、真剣なというか、純粋なというか、まさに人間の子どもの目なんです。鋭く光っていました。
 (中略)人間の子どもというものが、やる仕事があって、それがやれるというとき、求めているものがあり、ちょうど自分がやれることがあって、その方法が授けられたとき、人はどんな目になるものなのか、私が、犬の子ではないかと思ってみた子が、こんな顔になるのだということを、私は本当に身にしみとおるほど知りました。

「授業を創る」:大村はま P154~

 この子どもの姿に直面したはま先生は、この後子どもの尊さに心打たれ、涙を流したといいます。
 子どもがこんなにも学び、伸びることを心から欲し、求めているというのに教師の力と配慮、努力不足のせいでこの子どもから湧き上がる思いを無下にしてしまっているというのであれば、教師としてこんなに子どもに申し訳ないことはないのではないでしょうか。
 この子どもの求める学び・成長について教師は注意深く教材研究をし、子どもの姿に言い訳することなく、子どもの姿に責任をもち続ける覚悟が大切だと思います。
 
 私の投稿でも、何度か
「勉強ってそもそも苦行じゃないよね?勝手に苦行っぽい位置づけにして学ぶことをバツとしたのは身近にいる大人じゃない?」
と主張してきましたが、はま先生の気付きはまさにこのことだと思います。
 本来子どもだけでなく人間という生き物は、自分が伸びること学ぶことを心から欲しているもの。
 
 子どもの姿勢を知らず知らず前のめりにさせてしまう教室作り、授業づくりをできる緩慢な気持ちにさせない教師になれるように努めていくことが大切ではないでしょうか。
 このはま先生が教えてくれた経験を心に留めて子どもの前に立っていくことで、教師の気持ちは少し引き締められるのではないかと思います。

 子どもの学びの時間が、鋭い目で向き合う時間になりますように…

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
では、また明日✨


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