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教育を考える―「文字を読まない」という読書

10/27(木):教育を考える④

「旅の絵本」という絵本はご存知でしょうか?
安野光雅さんという美術教師も経験された方の絵本なのですが、文字が配されていない、とても美しい風景を丁寧に描いた絵本です。
私はいつか子どもができたとき、一緒に味わいたいと思っている作品なのですが、この本を題材に大村はま先生とさくしゃの安野光雅さんが、子どもの言葉や教育について対談された記録があります。
私にとっては憧れの人2人の子どもに対する思い、少しでも知ってくれる人が増えたら良いな…と思い、ご紹介します。

テーマ的には前回までの内容から少し関連しているモノですので、合わせて読んでもらえると嬉しいです!

(『旅の絵本』について)
大村:ことばが書いていないからいくらでも読める。たとえば、第一ページ、風が吹いているでしょう。風といったっていろいろ吹き方がありますから、そよそよとか、さやさやとか、いろんな音のことばが全部入ってくるでしょう。

「心のパン屋さん」:大村はま 188p
※()内は白井加筆

安野:私たちは字で書かれたことによってわかるという、いいか悪いか知らないけど、そういう習性をもってしまった。ですから、言いたい人は、何か字で書かなきゃ伝わらないような錯覚をもってしまった。
    逆に字でかけば必ず人はそれを読んで理解するもの、と思いこむようになった。ですから、絵を見ましてもね、題名のほうを先に見て、ああ、そうか、なるほどと言って絵を見る。音楽でもそうです。これは「説明」というもののつまらない、情けないところですね。

同上    190p

先日、あるアナウンサーの方が
「最近は映画を宣伝する時にネタバレをした方が観客動員数が上がる。
若い人たちはワクワクドキドキが不安になってしまうため、オチが分かっていると安心して観てくれる」
と説明されているのを聞きました。

きっとTikTokやYouTubeなど、短い動画になれてしまっていることも一因だと思いますが、AIで質問すれば即返ってくる環境で育ったこと、そして何より教育が大きな影響をもたらしているのではないかな?と思います。

自宅で宿題を親が見るようになって、ついつい「親=正しい答えを出せる人」というイメージを親自身が勝手に背負い、何にでも答えを出してしまいたくなっていないでしょうか?

「うんうん、ほんで?」とワクワクして聞いてやる
「おもしろいこと考えるなぁ」と目を細めて聞いてやる…そんな嬉しい親になりたいなぁと私は思っています。

子どもが安心して自由に発想できる…何となく良さは分かってもどうしたらいいか…なんて動けなくなる親御さんも多いと思います。
(大人になると、答えが明確なものに安心してしまいますよね)

そこで、私のオススメな、大人が「間違ってる!」と正したくならないオススメの題材をいくつかお伝えして今日の記事を結びます。

「絵のない絵本」
記事内でご紹介した「旅の絵本」はもちろんオススメ!風景の中の何に注目しても、登場人物にどんなセリフをつけても自由ですよね。
あとは「ウォーリーをさがせ」なども。ウォーリーを見つけることが正解!ではなく、「あっ!この人、○○してる!」など子どもと一緒に自由におしゃべりしてみてください。

「お話の続き聞かせて」
ゆっくりスキンシップをはかれる時は、お話を途中まで話し、続きを子どもにバトンタッチしてみましょう。
海の底を歩いたって、赤ちゃんが会社で仕事をしたって何だって🆗なのがお話の世界。一緒に楽しみましょうね。
大人にも想像力が必要ですよ。

「未来のお絵かき」
子どもが絵を描いているとき、事実と異なる部分をつい指摘していませんか?
間違いを指摘しなくていいテーマとして、「未来」や「理想」を置くこと。
「こんな運動会なら面白そう」なテーマなら、ヒョウとボクが徒競走しててもグラウンドにプールが現れても間違えではありませんよね?
「空飛ぶ車」や「青空」を正解と思うような品祖な発想はやめましょう。

小さい頃から親子で発想を深める関係を築けたら、ニュースを見て考えを深め合うこともできるようになりそうですよね。
子どもの自由な発想を保証し、面白がれる大人であれますように✨

最後まで読んで頂いてありがとうございます✨
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