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    音を付けてくれる方、あわよくば僕と二人三脚でやっていける相方さんが欲しいという下心です。

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夏風、愛によく似たものを。

どこにだってある話だ。とまとめてしまうには少し勿体ない気もしている。 幼い頃から台風が好きだった。理由は分からない。いや、ほんとは分かってるんだと思う。だからだろうか。傘も持たず外に出て、家の近くにあるブランコをずっと乗り回してみた。ずっとこうしたかった気がする。幼い頃にそうできなかった自分を救っているようで楽しかった。明日くらいにはもっと雨風が強くなるだろうし、もっと楽しくなるんだろう。でももういい。なんだか疲れた。僕の背を押してくれるのは台風の追い風くらいなものだ、なん

        • Little by little

          〝一人よりも二人のほうが 寂しくなるって知らなかったな〟。 一人は苦痛で二人だと寂しくなって、三人になると罪悪感になる。いつまで経ってもそうなのだろう。「ここにいなくてもよかったな」みたいな疎外感とか、「ここにいない方がよかったな」という罪悪感とか。慣れるものじゃないな。 当たり前だけど、自分一人がいなくたって世界は回るわけで、それがある種の救いでもあるけれど。それでも、じゃあそんな世界とどうやって向き合っていけばいいのだろう。一人でもがき苦しんで、誰か為に生きてみたいって。

        夏風、愛によく似たものを。

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          13本

        記事

          君の世界に少しでいい

          僕の靴跡を。 どれだけ曲を聴いても音楽は好きだし、どれだけ年取ってもブランコが世界一楽しいし、どれだけ生きても人が苦手だし、どれだけ夏を見過ごしても君を求めちゃうし。上手くなれないなあって思う。 言葉にしたい事とか君に伝えたい事はいくらでもあるのに、いつも喉の真下辺りでつっかえる。肺の半分がそれで満たされた時、煙草の煙と一緒にそれを吐き出す。口の中で濾されて、本当に大切なものだけが小さく現れて、結局は行き場を求めて夜の空気で迷子になる。可哀想な僕らのように。そしてそれは時

          君の世界に少しでいい

          だから、アイラブユーとかクソくらえなんだ

          家電量販店みたいな、少しかび臭いような。そんな冷房の風の香りに「あ、夏だな」って感じて、夏にしか聴かないと決めている、花火と君を唄ったありきたりな夏曲を聴いて。 冬を思う時、僕の頭の中にはいつも冬の夜空が広がる。寂しいくらい綺麗な星空と、気道と肺を満たす冷たい空気と。 じゃあ夏を思う時はって考えると、あまり明確なものは無いかもしれない。 例えばそれは、僕が高校時代に学校をサボって時間を無駄遣いした海沿いだったり、あるいは、夏の田舎を舞台にしたライトノベルに憧れて、何かあるか

          だから、アイラブユーとかクソくらえなんだ

          Forget my Voice

           カチカチ。  ラジオのダイヤルを回す音。そして、周波数を合わせる音。 『七月三日。今日の天気は晴れ。梅雨が明けた今日は各所で晴れ模様が見られ、洗濯物のよく乾く日となりました。今週一週間の予報を見てみますと──』  窓の外を見る。時刻は午後十時半を少し回ったところ。言われてみると確かに、夜空は深く澄んでいる。青空の色を忘れてしまいそうなほどの星が瞬いている。視界のピントをずらすと、同窓会という名目で缶ビールを呷る友人達の姿がはっきりと映っている。  人の声が好きだった。一時的

          Forget my Voice

          言の葉とは言うが、いつかそこに花は咲くのだろうか。あるいはそこに花言葉はあるのだろうか。

          考えてみても、そんな記憶はどこにも無い。でも、春になりかけの朝の空を見て、朝顔の花弁みたいだ、懐かしいな、と思った。同時に苦しいなとも思った。 やっぱり違う。そうは言っても、僕は言葉を使いたい。僕の言葉で人を殺せたら幸せなはずなんだと思いたい。 言葉を習ったのはここ最近の事で、僕という人間が形成されつつあったあの頃、僕の手にはそういう類のものは何も無かった。 風に香りがあるだなんて考えもしなかったし、どんなに綺麗な月でも月だったし、良い人は良い人で嫌な奴は嫌な奴で。それで、

          言の葉とは言うが、いつかそこに花は咲くのだろうか。あるいはそこに花言葉はあるのだろうか。

          じんわりとした毒のような人の傷付け方

          高校の頃の話。入学当初、僕は目立たずひっそりと、打たれる杭にならないようにしようと決めてた。 ふと気付いたら「優しい人」みたいなレッテルを貼られてた。別に嫌ではなかったし、特別目立っているわけでもない、どこにでもいるような高校生になれたわけだから甘んじて受け入れてた。ただ、食道に魚の骨が引っ掛かったような違和感だけは取れなかった。 僕の担任兼国語の教科担兼、僕が所属していた文芸部の顧問の先生がいる。新任の若い女教師。その人にも「無理して優しい事はするな」って言われた。 無理を

          じんわりとした毒のような人の傷付け方

          寂しさにそっと口づけをしよう

          ふと、思い出す夜がある。 今日みたいな寒い夜だった。高校からの帰り道。自転車のペダルに鬱屈や焦燥感を乗せて息を切らしていた。 赤信号で止まった時、暮れの澄んだ空を見上げると、一つの白い光が浮かんでいた。僕はそれを見て、「UFOだ」と思った。もちろんそんな事はなくて、すぐになんでもないただの一番星だと気付いた。 その瞬間、僕は強い寂しさに襲われた。理由は今になっても分からない。泣きたくなった。傍にあった電柱に寄りかかってしばらく呆然としていた。その間に赤信号は二回くらい切り替

          寂しさにそっと口づけをしよう

          海でゲロ吐いてたら親切な人が背中さすってくれた。わかんないけど、ずっと「ごめんなさい」って言ってた気がする。その人に対する「ごめんなさい」なのかそれ以外のもっと別の何かなのか、自分でもわからない。どっちもだろうな。

          海でゲロ吐いてたら親切な人が背中さすってくれた。わかんないけど、ずっと「ごめんなさい」って言ってた気がする。その人に対する「ごめんなさい」なのかそれ以外のもっと別の何かなのか、自分でもわからない。どっちもだろうな。

          ヨルシカ 好きな歌詞

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          ゲスの極み乙女 好きな歌詞

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          世界一美味しい消毒液のようなヤクルトの味

          高校時代の文化祭は、クラスでの出し物と部活での出し物をする二つの人に別れた。僕があまり得意ではなかった運動部の人は、文化祭で部活動単位で何かできるわけじゃないから、当然クラスをまとめ上げて楽しそうに何かしてた。何をしていたのかは今でも知らない。 対して、僕が所属していた文芸部のような細々とした文化部は、校内で活動できるタイミングはここしかなかった。大会みたいなものは別だ。そりゃあ結果を残せば表彰くらいはされるけど、ゴミ箱の中身なんて誰も気にしない。運動部が地区予選とかの一試合

          世界一美味しい消毒液のようなヤクルトの味