わからないことを楽しむ
2023年5月12日 晴れ
昨夜、福岡伸一先生の『世界は分けてもわからない』を読了。『生物と無生物のあいだ』を読んで非常に感銘を受けたので、その続編にも自然と手が伸びたわけであります。こちらも非常に美しい文書で綴られた一冊でございました。
私が強く印象に残っているのは、「マップラバー」「マップヘイター」という言葉。知らない場所に降り立ったとき、まず地図を広げ、自分の位置を確認し、目的地へ進むのが「マップラバー」。逆に、地図を広げず、周囲との関係性をもとに進むべき方向を判断するのが「マップヘイター」。
ヒトは、生命を分けて理解しようとするが、細胞レベルで見たとき、その細胞一つ一つは、自分が全体のどこにいて、どんな役割を持っているかなど自覚していない。細胞は、マップヘイターでありながら、全体のひとつとして存在し、生命活動は維持されている…と。
不勉強な私は、もはや頭がおかしくなりそうですが、つまり、『世界は分けてもわからない』わけですよ。生命は、生物学者シェーンハイマーの言う、動的平衡(生命は機械ではなく、常に絶え間なく流れている一種の均衡である)なのですよ。わかりますか?
わかりませんよね?わかるわけないですよね?でも、わからないけど、そうなのかと思うと、なんだか気持ちがよくないですか?え?むしろ気持ち悪いですか?おかしいですね。世界はおろか、自分の身体のことすらわかっていないのかと思うと、私は、なんだか嬉しいような気持ちになったんですけどね。
何言ってんだ?こいつはヤバいのか?と思われた方、まあ、ちょっと待ってくださいよ。確かに私は、ヤバいかもしれませんが、この本は、示唆に富みまくっていると思いますので、ぜひ、手にとってみてくださいよ。
しかし、不覚にもいま手元に本がない中、私の拙い語彙で、これ以上、この本の感想を書くのには無理がありそうですね。この辺にしておきますが、皆さんも、わかったような気にならないで、わからないこと、不確実性の中を、楽しんで生きるよう努力してみませんか?
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昨夜、次女に「今日は、◯◯(次女)とタッチでお別れできて嬉しかったよ。出発前に、少し遊べたのもよかったよね?明日も、ゆっくりめで行こうか?」と聞くと、「お話ができてよかったんだよ!」と返ってきた。
想定外の答え。次女は、私と話ができたからよかった、と言ってくれた。どういう理由なのかはわからないが、次女の成長を感じた。また一つ大きくなったんだなぁ。今日も保育園では、タッチしてお別れができました。