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ニッポン全国タビマイゴ

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みちづれはいない。ふれあいもしない。そんな旅の数々。
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四国迷子(9) 邪念

四国迷子(9) 邪念

 最終日。時間があまりなかったので、空港に移動するまでの時間、栗林公園へ行ってみた。作り込まれた庭がきれいな公園で、観光名所となっているけど、わたしは正直ここはわざわざ来るところでもないかなと思ってしまった。

 だからといって、他人に「ここ行かないほうがいいよ!」と言うつもりはまったくなくて、自分の好みには合わなかったと、そういう事を言っておこう。

 日本らしい庭園は、きっと海外から来た人には

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四国迷子(8) 膝が笑う

四国迷子(8) 膝が笑う

 うどんを楽しめずモヤモヤした気持ちでとりあえずその日のホテルにチェックインした。予約は普通の部屋でしていたんだけど、着いてみると空きがあったのか広めのレディースルームにしてくれていた。荷物を下ろして、またことでんに1時間ほど揺られこんぴらさんへ。

 香川の金刀比羅宮といえば全国の金刀比羅神社の大ボスで、本宮に続く石段はなんと785段もある。これをわたしは楽しみにして来た。膝を壊すような苦行だけ

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四国迷子(7) うどんの悲劇

四国迷子(7) うどんの悲劇

 3日目。起きると髪の毛が重力を無視したハネ方をしていてびっくりした。寝てる間に宇宙へ行ったらしい。

 外はあいにくの雨。けど午前中はほぼ移動なのでその間に上がってくれればいいなと願う。髪のハネをなんとか直して宿をチェックアウト。道後温泉を離れ松山駅に向かった。

 松山からは「特急しおかぜ」に乗って香川県の高松へ。席は海が見える側でラッキーだった。シートはおしゃれな木製でスペースもゆったりして

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四国迷子(6) 道後温泉本館に断固入らない

四国迷子(6) 道後温泉本館に断固入らない

 レンタカーで愛媛入り。松山駅で車を返してから路面電車で道後温泉へ向かう。

 道後温泉と言えば「道後温泉本館」ね。スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルになったんじゃないかと言われていてすっごい人気になっているところ。

 外観はこんな感じ。確かに風情あるわ。千尋が出てきそうだもんね。一生に一度はこの温泉に入ってみたい!って人、多いだろうね。

 だがしかし、わたしはこの温泉には断固

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四国迷子(5) ちょっと徳島

四国迷子(5) ちょっと徳島

 ラジオを切って無音のまま徳島へ入り、祖谷のかずら橋へ。老木とかずらのつるで出来た吊り橋だ。度胸を試される観光地。

 だがしかし、わたしは吊り橋なぞ怖くはない。高いところは平気なのだ。駐車場へ車を置き、少し歩いて橋の見えるところまで移動すると、橋の上ではたくさんの人がへっぴり腰でそろそろ歩いている。

 なんだ、あの程度の高さで怖気づいてるのか。

 わたしは鼻で笑った。たいしたことないじゃん。

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四国迷子(4) レンタカー屋の怪

四国迷子(4) レンタカー屋の怪

 高知を離れ、徳島をちょっとだけかすり夕方に愛媛に入るというスケジュール。結構時間はカツカツなので、日曜市をそこそこで切り上げてホテルに戻り、チェックアウトを済ませたあとレンタカー屋へ向かった。

 正午からの使用で予約をしてあったが、焦る気持ちのせいか1時間近く前に店についてしまった。もしかしたら車自体はもう空いているかもしれないと思って、無理を承知で店のスタッフに「予約は12時だったんですけど

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四国迷子(3) JAROに電話だ

四国迷子(3) JAROに電話だ

 2日目。6時半に起きて、7時に日曜市に出る。高知城の城下に日曜のみ現れる朝市だ。はじっこから見て歩く。

 最初に見たのは地物野菜の並ぶ店。新タマネギが大きくて立派。田舎寿司を売っている店もいくつか。名物イモ天の店は一軒のみ。そうして向こう端まで歩くと、高知城のすぐ下に出たので、せっかくだし行ってみる。天守閣はまだ開いていないが、近くまでなら行けそうだ。

 階段をずんずん上って行くと、途中でア

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四国迷子(2) ごはん問題

四国迷子(2) ごはん問題

 高知に到着後、ホテルにチェックインし、晩ごはんを食べに出かける。沖縄の時同様、行くならイートインスペースがある市場がよかろうと思い、ひろめ市場へ。

 入口を入ってすぐのところで、カツオが直火であぶられている。高知名物の塩タタキ。向かいのお店では色とりどりの田舎寿司。おもしろいのがコンニャクとかタケノコ、みょうがの握りがあるところ。出発前からこれだけは押さえておこうと思っていたので両方買う。

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四国迷子(1) 前途多難の乗り継ぎ移動

四国迷子(1) 前途多難の乗り継ぎ移動

 新千歳空港で豚丼屋に入った。安定の重量感のチーズ豚丼を注文、出てくるのを待っていると隣のテーブルの新婚に見えるおしゃれな夫婦がなんだか不思議だったので目についた。

 ふたり、向かい合わせに座って豚丼が来るのを待っていたが、会話はナシ。ふたりともスマホをいじっている。ダンナの方はフリックの密度から言って十中八九ゲームだろう。

 しゃべんないの? ゲームもSNSも、ひとりのときにやればいいじゃな

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東京迷子(7) クロネコヤマトのひみつ基地(羽田クロノゲート)

東京迷子(7) クロネコヤマトのひみつ基地(羽田クロノゲート)

 羽田にはクロネコヤマトのひみつ基地もある。ここも無料で見学できてしまうのだ。その名も羽田クロノゲート。すんごいデカい建物だ。

 ※ここも見学するにはあらかじめの予約が必要。ご注意を。

 見学当日、ちょっと早く着いてしまったので、寒いことだし受付棟で待たせてもらった。ロビーにはウォークスルー車の1号車が展示されている。この車、助手席はついてなくって、ドライバーは運転席の左側を通って、車を降りる

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東京迷子(6) 日本航空のひみつ基地(JAL工場見学)

東京迷子(6) 日本航空のひみつ基地(JAL工場見学)

 飛行機が好きだ。パイロットになりたいとかじゃなくて、飛行機が飛んでいく様を見るのが好き。だから空港は、ただのゲートではなくて、わたしにとってはちょっとしたテーマパークなのだ。

 2年前、そんなテーマパークの親玉みたいなところに行ったのだ。JAL工場見学。見応えありそうなのになんと見学料タダ。日本航空さんありがとう。

 ここを見学するには予約が必要。展示エリアのみを見学できるコースと、それプラ

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東京迷子(5) 人に優しい町(巣鴨・地蔵商店街)

東京迷子(5) 人に優しい町(巣鴨・地蔵商店街)

 「おばあちゃんの原宿」とはどんなものか、前々から気になっていた。人に聞けば、たいへん「優しい」町であるようだ。それなら、その優しさに触れてみたい。どうやらわたしは飢えているらしいのだ。

 たっぷり時間があるわけではないので代表的な名所の「地蔵商店街」へ。小雨の降る中、歩いているのは物好きの若者とおばあちゃんがほとんど。

 当然若者向けの目新しいものはない。ウバ車(ベビーカーじゃなくて荷物を入

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東京迷子(4) 化ける(変身写真館)

東京迷子(4) 化ける(変身写真館)

 台湾へ行きたい。台湾親日だし、小籠包食べたいし、名物のシャンプー体験したいし…

 何より変身写真が撮りたい。 本格的なスタジオで、ふだん着ないような衣装をつけて、プロにメイクを施されて、ちゃんとしたカメラで撮ってもらう「奇跡の一枚」がわたしも欲しい。

 でもね、底辺サラリーマンはそんなカンタンには海外行けないわけよ。やっぱり思う。会社辞めたときに行こうって。

 そうやって数年グズグズしてた

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東京迷子(3) 東京砂漠(山手線にて)

東京迷子(3) 東京砂漠(山手線にて)

 東京に来る度、やはりその人の多さに驚かされる。特に通勤ラッシュの電車。札幌にだってラッシュの混雑はあるんだけど、東京のはレベルが違う。

 いつだったか、旅行で東京に行き、山手線で移動しようとしたときにすごいものを見てしまった。

 仕事が休みの時に行ったので当然土日なのだが、それでも通勤する人がたくさん見て取れた。発車のベルが鳴ってからかけこみ乗車をする人もたくさんいる。もしかしたら、テレビで

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