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育児で片付かない部屋にアートを飾ったら日常風景が愛しく思えるようになった話

育児をしていると「片付いていない状態」が日常の大半を占めます。何とか片付けても、その状態は一瞬。それは子どもたちが散らかすこともあれば、私たちが手が回らなくて台所やリビングも、自分たちの"完璧"に達成していないことも。

そんな我が家の空いている壁に、ふとアートを飾ってみたら・・・その片付いていない状態とアートが融合して愛しく思えたのです。

片付けられる工夫を模索していた時期

私は学生時代、建築の意匠設計を専攻していたこともあってか、片付いていない状態、微妙な家具配置などが気になると止まらないタイプ。インスタグラムや仕事で、子育て中にも関わらずスッキリ片付いているご家庭の写真を見ると

我が家も少しでも何とかならないかな・・・

と思い始めて、子どもが寝静まった夜、部屋の現状の課題と解決策を考えて、物音を立てないように慎重にレイアウト変更したり、片付けの工夫をし始めてしまう。

とくに夫が置いたままにした鞄や小物など・・・伝え方を気にしても、やっぱり口うるさい。良くないなと思っていました。

ちなみに私たちは、去年10平米小さい部屋へ引っ越しました。資産運用を勉強し始めて固定費見直しのため、私たち4人ではギリギリぐらいの部屋にあえて引っ越したのです。そのこともあり、私の収納や片付け熱はヒートアップしていました。

アートを日常に飾っている人の影響

そんなある日、あるギャラリーを営まれている女性のインスタグラムに出会い、その日常生活にアートが溶け込んでいる投稿やそこへの言葉に詰まった思いが、私の胸に響きました。その方も我が家と同じぐらいのお子さんがいて、都心住まいでコンパクトなお部屋に住んでいらした方です。とってもチャーミングな人柄で、お子さんも可愛くて人気の方。

“毎日、朝ごはんも夜ご飯もこの景色を見ながら。雑然としてるけれど好きだなぁと思う。”
“もらって嬉しかったお手紙もオブジェも作品も、拾った石ころも、
私にとっては全部大切でプライスレスなもの。”

寝癖のお子さんや、おもちゃが散らかった生活のシーンにアートが風景として馴染んでいて、本当にすてきで・・・感銘を受けたのです。

役に立たないものを飾る

あるTV番組での、アーティストのお話にも影響を受けました。その方は淡路島に在住の海に流れついたものたちを集めて、アートにしている方です。

O’ Tru no Trusinstagram
不思議な形や、海と経年によって生まれたさびや傷が味わい深い作品ばかり。
その方が、番組中に会話のやり取り中に話していた言葉に衝撃を受けました。

「役に立たないものを飾るって良いじゃないですか」

(録画しておらず、正確な言葉が拾えないのですが、そのような意味合いの言葉でした)

そういえば・・・私は今まで生活の中で役に立つ(きれいに片付く)しか考えていなかった。
子どもが生まれてから、床に置いていた大きな写真も観葉植物も撤去、好きだった置物も掃除の手間に頭がいって、「いつか落ち着いた頃に」と撤去していっていたのです。

片付いていなくても良いから、この日常に何か飾ってみようかな。

そんな気持ちになっていきました。

生活感満載だけど愛しい我が家

そんなこんなで、我が家なりに、"アート"(利便性のないもの)を飾ってみました。

高価でもなく、著名なアーティストが作った作品でもありません。ネットで見つけた手作り品や、子どもや私たちが作った作品も。

気をつけた点は、飾るのは子どもは手が届かない場所。でも、一緒に楽しめるよう場所を選びました。

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ワイヤーアート。片付いていない書類や小物にも優しく微笑んでくれているみたいに思える。

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妊娠中に手作りしたモンテッソーリのモビール(左上)と、キッチン。小さい部屋なので、キッチンはリビングから丸見え。雑然としたキッチンの生活感もモビールのおかげか、愛しく思えてくる。

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玄関の壁に子どものシール遊びをフレームに入れて飾りました。保育園の前日の用意をここに置いて、布で申し訳程度に隠す技(笑)

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テーブルにモニターを載せてテレワークに使う我が家。(椅子はよじ登るので避けてあります。)そこの壁に淡い色合いの写真アートを。周りにはオモチャがわらわら。時計は子どもが読めるようにと、手書きの文字を貼り付けている・・・これもアートに見えてくる(?)

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釣り好きの夫が、使い終わったルアーを洗って干す場所にされてしまったブラインド。最初はうーんと思っていたけど、あえて片付けず、きれいに並べるようお願いしてみたらアートみたいに。コンビニワインや炊飯器と並ぶ状況も面白くて、好きになってきました。子どもたちも眺めるのがお気に入り。

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ベランダに落ちていた葉っぱを子どもと拾って洗面所に飾ってみたり・・・

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寝室には、眠らせていた海のアートを。くちゃくちゃのベッド、開きっぱなしの扉も愛しく思える。

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マグネットタイプのオモチャを貼り付けられてしまった冷蔵庫。見方によってはアートじゃないかと思い始める。

生活感あふれるキッチン用品、おもちゃのカラフルな箱など。たぶんスッキリ見せるためにはベストではないものたち。アートとの取り合わせで、何だかおかしみがあって、その風景そのものさえアートに思えてしまう。そう思えるようになったのです。

片付いていない状況は「デザイン」しきれていないこと。だから「アート」が受け止めてくれる

個人的な見解ですが・・・私が片付かない状況に苦しんでいたのはデザインの視点で捉えていたからなのではと思います。

よく言われている、「デザイン」と「アート」の解釈

デザイン:答え(私の考え課題解決)
アート :問い(答えのない世界)

この視点から、建築や片付けの世界は「デザイン」だと思っています。子育て家庭で、片付いていない状況は課題解決できていない状態。うまく「デザイン」しきれておらず、不完全な状態。その視点で見ていたから、ずっとモヤモヤ・イライラしていた私。

だからこそ、役に立たないけど心を潤してくれる「アート」がその状況を受け止めてくれた・・・そう私に解釈させてくれました。

すこし私の心をおおらかにしてくれたアート。無理強いはしないけど、子どもたちにも好きになってもらいたいなと思いました。

(前回の記事の続きを書く予定でしたが、変更して番外編の記事でした)

おしまい☆


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