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マシーナリーとも子EX

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記事一覧

マシーナリーとも子EX ~鳥頭の巣編~

マシーナリーとも子EX ~鳥頭の巣編~

 錫杖に連れられた謎の酒場……。その店の奥からグッさんと呼ばれるワシ頭の亜人が現れた! ジャストディフェンス澤村は慄きながら対話を試みる!

「わ、ワシの亜人かあ?」
「ワシィ!?」

 亜人の鋭い眼光が澤村を貫く! そのにらみつけに澤村は戦慄し、まるで防御力が下がったかのような感覚を味わう!

「あーあー、グッさんがいちばん嫌がることを言うたなあ澤ちゃんや」
「わ、悪かった……。違うのかあ?」

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マシーナリーとも子EX ~速さへの渇望篇~

マシーナリーとも子EX ~速さへの渇望篇~

「キャッホー!」
 
 ブブブブブ……ゴゴゴゴゴ……。
 モーター音、アスファルトを切りつけるタイヤの音……。それらに混じって錫杖のはしゃぐ声がマシーナリーとも子たちに聞こえてきた。
 錫杖は原動機付自転車にまたがっている。ひらがなの「し」を更に強引に曲げたかのようなフォルムにパステルグリーンのボディカラー……色は黒系統ばかりだったので買った先で即、塗装してもらったそうだ……。この車種は原付2種と

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マシーナリーとも子EX ~カニ虎伝説篇~

マシーナリーとも子EX ~カニ虎伝説篇~

「ガマちゃんさあ」
「な〜に?」

 店主のガネーシャに呼ばれ、鎖鎌がレジカウンターに駆け寄る。高円寺のアンティークショップ「ムンバイ」。鎖鎌と錫杖がバイトしている、ほとんど客のこない古道具屋だ。しかもたまにくる客は大抵まともな人間ではない。亜人や宇宙人……そうでなければサイボーグといったところで、時たま警戒した表情で普通の人間が入ってくることはあるが、大抵置いてあるものの価値がわからず帰っていく

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マシーナリーとも子EX ~真実との接触篇~

マシーナリーとも子EX ~真実との接触篇~

 Dr.ココスの依頼を請けたその日の深夜、ワニツバメは高田馬場の喫茶・ローリングドリームにいた。この日は亜人専用の深夜営業日……。人類に後ろめたい話をするには都合が良い。

「ワニさんには何か出したほうがいいかな?」

 お代わりのコーヒーを持ってきた店主・リープアタック田原が気を利かせてセベクに話しかける。セベクはガウガウと身を捩ってツバメに要求を伝えた。

「ありがとうございまス。ではロースト

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マシーナリーとも子EX ~怪しい依頼人篇~

マシーナリーとも子EX ~怪しい依頼人篇~

 クロコスワロー探偵事務所……ワニツバメが新しくN.A.I.L.の待機所に開いた探偵事務所(20㎡・窓付き)。そこに新たな依頼人としてやってきた中年の男性は少し怯えながらこう口にしたのだ。

「私の名前はDr.ココス……。探してもらいたいというのはサイボーグなのです」

 ツバメは一瞬言葉を失った。

 だが即座に腕にくっついているワニのセベクと高速念話を試みる!

(セベク!? こいつなんでス!

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マシーナリーとも子EX 〜夢の稼業篇〜

マシーナリーとも子EX 〜夢の稼業篇〜

「……よし!」

 街の掲示板に最後の1枚を貼る。これは新しい仕事だ。しかしずっとやってみたかった仕事でもある。
 屋号については多少悩んだが、あまり捻っても仕方ないし堅苦しい響きなのも嫌だ。なのでシンプルに行く事にした。クロコスワロー探偵事務所。夢の仕事だ。ついに自分は名実共に……まだ明日、役所に開業届を出さないことにはそうとは言えないのだがとりあえず……なったのだ。探偵に。

(おめでとうツバ

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マシーナリーとも子EX ~捌くクーヘン篇~

マシーナリーとも子EX ~捌くクーヘン篇~

「ほ、本気ですか吉村さんこれ……」
「おう! まずはこれで1日やってみようや」

 ダークフォース前澤は両腕にバウムクーヘンオーブンを装着させられていた……。エアバースト吉村の手によって!

***

 ここに至るまでも前段階はあった。吉村は前澤に「生産性の不足」を指摘したその日に、やはり小型のバウムクーヘンオーブンを持ってきていたのだ。

「とりあえず明日はこれも使ってみてチョーダイよ。使い方は

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マシーナリーとも子EX ~超えるキャパ篇~

マシーナリーとも子EX ~超えるキャパ篇~

「おっ、チョウチョだ〜」

 2046年にもチョウチョはいる。いや、むしろ2022年の池袋より多いと言っていいだろう。様々な勢力の地下活動による人類の人口減少によって地球の環境は格段に良くなった。例えばイギリスは実質的にシンギュラリティに支配されたことによって空気は澄み、植物は増え、料理はおいしくなった。そうした世界各地の影響が、ここ日本池袋にも現れているのだ。
 チョウは差し出された人差し指に止

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マシーナリーとも子EX ~豆腐を介した出会い篇~

マシーナリーとも子EX ~豆腐を介した出会い篇~

「……これが全部豆腐かい」
「正しくは“豆腐のような生物”よ。間違わないで川口」
「同じようなもんだろう?」

 アストラルヒート川口はギュインと首のディスクを回転させる。そこからぶら下がった剣、フレイル、ムチなどがジャラジャラと音を鳴らした。だがそれをかき消すほどの轟音を立てているのが横に立っているネットリテラシーたか子だった。腕のチェーンソーは不快なほどのモーター音を轟かせている……だがその音

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マシーナリーとも子EX ~疑似徳2名の会話篇~

マシーナリーとも子EX ~疑似徳2名の会話篇~

「徳というのはマントラの量では無いのよ、川口」
「……マントラが多いやつに言われてもな」

 地面に大の字になっているアストラルヒート川口の耳に轟音が響く。身体中の火傷が痛む。だがまだだ。自分はちょっと痛みで倒れてしまっただけ。まだ戦える。負けん気というのをこのネットリテラシーたか子とかいう化け物に見せつけてやらなくては。

***

 川口は飢えていた。言葉通り腹が減っていたのではない。彼女が飢

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マシーナリーとも子EX ~灼熱の西口篇~

マシーナリーとも子EX ~灼熱の西口篇~

 ひなびた小さめの本が並ぶテントを発見した錫杖は本棚をろくに見ずに店主と思わしき老人に話しかける。

「おっちゃん! ホームズあるか!? シャーロックホームズ!」
「ホームズぅ?」

 老人はくしゃくしゃのスポーツ新聞から顔を上げた。フンフンと鼻息を荒くする錫杖と目が合う。

「嬢ちゃん、それなら悪いけどうちに当たるのはお門違いだよ」
「なんで? ここにあるの文字ばっかの本だろ? ホームズの小説な

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マシーナリーとも子EX 〜西口の古書篇〜

マシーナリーとも子EX 〜西口の古書篇〜

 池袋では駅前の公園や百貨店にて定期的に古本市が開かれる。神田と違って池袋には古本屋が溢れている訳ではない。なのにどうしてこんなに古本屋が集まるのか、彼らはどこから来るのか……。それがワニツバメには不思議だったがまあどうでもいいことだ。今はただ……digるのみ。

(ツバメ! ツバメ! もっと写真集とか図鑑がある店に行くのだ。私は爬虫類の写真がいっぱい載っている本が欲しいぞ)
「ンもう。私は小説を

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マシーナリーとも子EX ~日報の共有篇~

マシーナリーとも子EX ~日報の共有篇~

 ターンテーブル水縁の発言に3機は固まった。ネットリテラシーたか子。シンギュラリティ最強戦力としてその名を轟かせているサイボーグである。本会議に出席するといった政治力は持ち合わせていないものの、そのチェーンソーの歯留めに刻まれたマントラから放たれる膨大な徳、それを源とする脅威的な戦闘力は敵味方を問わず恐れられている。そのサイボーグが……水縁と知己とは?

「何をボーッとしてるんだい? 早く情報交換

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マシーナリーとも子EX ~煽る円卓篇~

マシーナリーとも子EX ~煽る円卓篇~

 ジリジリと羊肉が炭の赤い光を浴びて脂を落としていた。中華はついこの間食べたばっかりなんだけどなあと内心思いながらもエアバースト吉村は羊串をかじった。同席するのは上司である池袋支部リーダーのドゥームズデイクロックゆずき、悪友であり本会議に籍を置くシンギュラリティの上級幹部サイボーグ・ロンズデーライトシンシア。

「で、そろそろ教えていただけませんかい? なんでシンシアがロンドンくんだりから池袋に来

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