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コロナ禍で31歳のビビリが年収200万アップの転職ができるまで

ちょっとオラオラ系のタイトルですみません。なんか具体的な数字があるとアクセス数が伸びると聞いたので、爆伸び記事を目指して今日もがんばります(大嘘)

表題の通り転職を決めました。現職(メーカーのUIデザイナー)の年収に不満はなかったため年収が転職のモチベーションではなかったのですが、結果的に約200万円アップで自分のやりたい分野への転職をすることができました。

自分と同じような境遇で転職しようか迷っている以下のような人の参考になればいいかなぁと思ってnoteを書いています。

・大きな不満もないけど今の仕事でいいのか漠然と悩んでいるアラサー
・コロナ禍、不景気での就職は不利では?と様子を伺っている人

書き始めたら8000文字超えの記事になってしまいました、。
ちなみに、現職のお話は以下のnoteに書いたりしています。

ぼんやりと、LinkedInから始めた転職活動

2014年に大学院を卒業して新卒で入社した会社も7年目となった昨年6月から転職を意識して活動をはじめました。

メーカーのUIやグラフィックのデザイナーとして働いているのですが、入社2年目まではSEをしていたためデザイナーとしては5年目になる時期でした。

人間関係や会社環境、給与などの待遇面で大きな不満もない、非常に恵まれた環境で仕事ができていると感じていましたが、日々の仕事がかなりルーティンになってしまっており新しいチャレンジができていない退屈さも感じていました。
さらに自分より10年〜15年ベテランの社内のデザイナーの仕事を見ても自分の目からは新鮮味がなく、「このまま定年までずっとこんな感じで仕事をしていくのかなぁ」という寂しさがふつふつとずっと心に湧いていました。


そんな中、同世代の別部署の社員と一緒に帰っているときに、彼自身も今の会社に迷いが出てきて転職活動をしているということを打ち明けてくれました。

そんな彼が主に利用しているのが「LinkdIn」というSNSとのこと。かなりFacebookに近いサービスなのですが、このSNSの中で求人を探すことができたり、リクルーターからのオファーを受けたりすることができたりするものです。

実はこれより少し前にも同世代で転職をした社員の人もここでのオファーがきっかけだったと話しており気になっていたサービスだったので、早速登録だけしてみることにしました。

その後結構このサービスにお世話になることになったので、「まだ本格的に転職活動に取り組むほどモチベーションはないけど、なんとなく自分という人物にどれくらいの市場価値があるのか見てみたい」という方は一旦ここに登録するのは良いかと思います。

後述しますがその後心を切り替えて年末から本格的に様々な求人サイトに登録しまくったりしたのですが、結果的に転職活動でもらえた通算3つの内定のうち2つがLinkedInのオファー経由での案件でした。
※海外のサービスなのでプロフィールはグーグル翻訳使いながら、拙くても英語で書いたほうがいいかもしれません。英語で書いても日本企業からのオファーも来ます。


いきなり内定→ビビって辞退

LinkedInに登録してから1ヶ月ほどして、そこからいただいたオファーで内定をいただくことができました。

設立したてのスタートアップだったのですが、もともと大きな組織での窮屈さを感じていたところもあった自分にはうってつけな環境でした。
さらに、代表の方との複数回の面談を通して非常にその人柄やビジョン、これまでの実績にも惹かれる部分がありました。年収などの待遇面も申し分ない条件でした。

しかし、悩んだ末にその内定は辞退することにしました。

いざ内定をもらうと何となく現職でまだ本気を出し切れていないんじゃないか、もう少し頑張れば今の環境もよりよくなるのではないか、という迷いがふつふつと生じてきました。

今の会社でも不自由なく仕事ができており、まだやりきれていない思いを抱えながら全く異なる環境へ飛び込むことへの恐怖心が大きくなってしまいました。恐らく結婚前に感じるマリッジブルーと同じ類のものだったと思います。


まぁ色々言い訳を書き連ねつつも、一言で言うなら転職にビビったということだったと思います。

そんなビビっている自分を自覚しつつも、何日も様々なシュミレーションを頭の中で行い、多くの条件を天秤にかけた結果転職はしない方針とすることにしました。

しかし、1つ内定を得た経験から様々な事実が見えてきました。

・自分の値付け(どれくらいの年収を目指せるか)
・現職でまだやりきれていないという思いを抱えていた自分
・転職への覚悟なくいざ内定をもらうとビビる自分


友人の転職にビビって腹を決める

夏に内定辞退して以降、転職活動からは遠のいていました。コロナで出社自体も制限され、転職のことを話していた友人とも顔を合わせることがなくなっていました。

そんな中、突然彼が転職することを知らされました。

彼と転職のことを話していたのは初夏の頃だったので、何となく彼も転職は考え直したのかなぁくらいに考えていたのですが、青天の霹靂でした。

そうなるとちょっとまた不安になってくるビビリな自分。

結局夏に内定をもらって以降、それまでよりより自分の考えや意見をハッキリ伝えるように心がけてはきましたが、それだけで数ヶ月の間に環境が変わるわけもなく、また春先に感じていた「このままこの職場でいいのか」という不安が心のなかで大きくなってきてしまいました。

完全に引き金は友人の転職だったのですが、そこからは心を入れかえてLinkedInでだらだらとオファーを待つだけではなく、転職サイトなども積極的に活用するアグレッシブな活動を一度やってみようと思うようになりました。

それが昨年の12月末くらいのこと。
「最初に内定を蹴ったときの決心は何だったんだよ」というツッコミはごもっともなのですが、正直な事実をここに書いていくと本当にフラフラと心が切り替わっている自分を改めて思い知らされます。


転職の軸を"環境""商品""仕事"の3つに整理してみる

夏に1度内定をもらっていたこともあり、だいたい自分がどれくらいの年収レンジを目指せるのかはぼんやり把握していました。
その上で今回は本格的に転職を始める覚悟があったので、改めて自分の現職への不満や転職に期待することなどを紙に書き出して整理しました。

不満は以下のように"環境"、"商品"、"仕事"の3つに整理できました。

【現職への不満】
環境:デザイナーとしてメンターとなる人物が社内にいない
商品:自社製品を普段使わないため、自分が熱心なユーザーになれない
仕事:デザイナーの活動の幅、裁量権に制限が大きい
   ユーザーテストなどUXデザイナー的な仕事がほとんどできない

そして現職への不満を裏返すと転職に期待することが浮かび上がってきました。

【転職への期待】
環境:経験のあるデザイナーがおり、デザインへの理解ある組織で働きたい
商品:自分がユーザーとなれるor既になっている商品を扱いたい
仕事:裁量権が与えられて様々なアイディアを生み出したい
   UXデザイン、ビジネス立案、社会実装まで携わりたい

上記のような条件を考えた場合、自分に合いそうな企業はなんとなく小規模で勢いのあるスタートアップや、広告代理店やデザインコンサル会社などデザインをビジネスの中核に置かざるを得ないような業種だろうと目星をつけました。

ちなみに先に言っておくとここで整理した軸は結果的に転職活動の中で変更を余儀なくされました。しかし、最初の段階できちんと自分の考えを整理して望んだことで、以降「ここはダメ、ここは良い」という判断がクリアにできてきたので非常に意味ある取り組みだったと感じています。


書類通過は2割程度、玉砕し続ける転職活動

そんなこんなで本格的な転職活動を始めて以降、転職エージェントに促されるのもあり、それまでとは全く異なるスピード感で企業に書類を出しまくりました。

書類を出しまくってまず分かったのは全然書類が通らないこと。

それまでLinkedIn経由のオファーをこちらが受けるかたちでしか転職活動をしていなかったのもあり書類で落とされるということがほとんどなかったのですが、自分から書類を出す立場になるとかなり落とされました。

感覚値ですが書類選考通過の割合は2割程度(5社に1社)くらいだった気がします。コロナの影響で転職市場は厳しい状況というのもわかっていましたが、ぬるっと内定をもらえた夏の転職活動の雰囲気とは明らかに異なるものを感じていました。

そして何社か面接まで進めたものの、1次面接でもバッサバッサ落とされました。

しかし落とされまくったおかげでデータも溜まっていき、そこから具体的な仮説をもとに行動指針を考え直すことができました。


デザイナー以外の能力に勝機を見出し始める

企業によっては丁寧に「どこがダメだったか」といったフィードバックをくれる企業もあります。また、フィードバックをもらえなくても転職エージェントに聞けば答えてくれる場合もあったりします。

また、一方でそんな自分でも次の選考を進めてくれる企業もあったため、「落とされた企業」とそこからのフィードバック、さらに「落とさない企業」の特徴も見ながらデザイナーとしての客観的な自分の強み、弱みへの分析をすることができました。

【弱み】
・HTMLなどコーディングができないためWeb系の仕事にはスキル不足
・年齢に対してデザイナーとしての経験が足りない

弱みをまとめるとズバリ事業会社で専業UIデザイナーとしての働くためのスキルがシンプルに足りていないというわりと絶望的な事実が見えてきました。

【強み】
・ブランディングやファシリテーターなどUIデザイン以外の分野の経験
・人と対峙したときの受け答え(コミュニケーション力?)

逆に、上記のような抽象的な概念の設計や、チームを率いて結論を導いていくようなUIデザイナー以外でのスキルに関しては落とされた企業、落とさない企業問わず高く評価してくれていることにも気づけました。
これは現職でデザイナーの人数が限られていたことから、様々なところに自分の仕事の手を広げてきた結果が功を奏してくれたものと感じました。

以上から客観的に自分の特性を改めて整理してみました。

【自分の特性】
・専門性の高いデザイナーというよりも何でもやるジェネラリスト
・デザイナーの中で働くよりも、デザイナー以外と働くことが得意


以上のような自分の特性を省みると実際に選考を進めてくれている(自分を落とさない)企業の特徴にも噛み合う部分があり、どういう企業が自分とのマッチング率が高そうなのかということも見えてきました。

◎【自分とのマッチング率高めな企業の特徴】
・非デザイナーたちとの仕事が中心
・デザイナーとしての仕事は1人に広く任せてしまいたい
・現在社内にデザイナーが少ない or デザイナーがいない

✗【自分とのマッチング率が低めな企業の特徴】
・デザイナー同士で切磋琢磨しあう
・特定の分野への専門性を高く求められる
・デザイナーを多く抱えているなどで、デザイナー間の分業化が進んでいる

このように整理できた段階で、当初自分の掲げていた転職への期待と実際の自分が企業から期待されていることへの差分も見えてきました。当初転職へ期待していたことは以下のようなものでした。

環境:経験のあるデザイナーがおり、デザインへの理解ある組織で働きたい
商品:自分がユーザーとなれるor既になっている商品を扱いたい
仕事:裁量権が与えられて様々なアイディアを生み出したい
   UXデザイン、ビジネス立案、社会実装まで携わりたい

これらを見直して、まず"環境"に関しては、もともと抱いていた希望へは実情(自分の市場評価)を鑑みると実現が難しそうなことがわかりました。

逆に"仕事"の部分に関しては、自分の希望と実情がわりとうまく噛み合っていることもわかってきました。

そのため苦渋の決断ではあったものの、一旦"環境"の希望には目をつむる一方で、"仕事"面の希望は保持しつつ、"商品"の部分の希望をどれだけ叶えられるか、という視点で転職活動を進めてみることにしました。
※もちろん人によってはここで「環境への希望も絶対ゆずれない!」という立場で転職活動をするのもありだと思います。


デザイナーのいない、古めな企業に狙い撃ちを始める

転職活動を進めていく中で、自分の希望の中から捨てるもの、残すものが明確になりました。

自分の特性を顧みて、なんとなく自分の合いそうな企業像を以下のように妄想するようになりました。

1.日本企業体質からの脱却を図ろうとしている歴史の長い企業
2.組織・事業規模が大きい一方自社のデザイン部隊を持たない企業
3.古くからの顧客とのつながり・しがらみがあり、円滑なコミュニケーションを重視される企業

そうなってくるとよりエントリーする企業も絞られました。というか、ほとんどエントリーする企業がなくなってしまいました(良いのか悪いのか、)

そんな中「あ、この企業良さそう」と思った企業に狙い撃ちしてエントリーしてみた結果、あれよあれよと選考が進んで内定をいただくことができ、そちらに転職することに決めました。


転職しなくてもいい、という最強のマインドセット

というわけでまとめに入ろうと思ったのですが、あまりゴールまでの道順を考えずに書き進めてしまったので、当初掲げたタイトルとあまり関連がないnoteになっていることに気づきました。

なのでここに来てむりやり「なぜ年収200万アップが実現できたのか」というのを自分なりに振り返ってみたいと思います。
※「こうすればいい」という再現性あるノウハウを共有するというより、「自分はこうでした」という話に着地します

あまり年収が転職のモチベーションの核ではなかったのめここまで全く年収についての話をしていなかったのですが、かといって全く気にしていなかったわけではなく年収にもちゃんとこだわっていました。

実際に希望通り以上の年収への転職ができた理由には以下のようなものがあったかと思います。

1.1度内定をもらっていたため、自分の値付けをある程度把握していた

2."現職に留まってもいい"という気持ちを常に持っていたため、転職活動でも自分の希望を相手企業に忖度なくハッキリと言えた

3.同時期に選考が進んでいる企業が複数あったため、選考を進めていく中でも相手先企業に主導権を取られなかった

個人的には2が最も心の支えとなっており、かつ傲慢に自分の意見を言えた要因でもあったように思います。

「年収が下がるんだったら転職自体しなくてもいいや」くらいの心の余裕を持っていられたことが今回の結果につながったと思います。
これが「なんとしてもこの会社から一刻も早く離れたい!」という気持ちで転職活動をしなければならなかったとしたら、もう少し状況が変わっていたかもしれません。


さいごに:コロナ禍でも転職活動はやってみるべき!

コロナ禍による不況の中での転職活動を迷っている人もいるかと考えますが、自分が転職活動をした経験からもし迷っているなら一旦やってみるべきと考えます。

コロナの影響でリモートによる面接が一般化しました。これはコロナがもたらした転職活動への大きな恩恵と考えています。

それまでは転職活動で面接をするにも、有給や早上がりをして直接会社に訪問して行うのが一般的でした。そうなってくるともしかしたら選考が進んでいても現職の都合で面接へ赴くハードルが高く、途中で挫折してしまうケースもあったのではないでしょうか(想像ですが、)

しかし、現在リモートで時間の拘束を極力抑えた面接が可能となったことで、転職活動もより自由度が増したように感じます。

また、時間だけでなく場所の自由度が高まったのも大きな利点です。

現在私は関東に住んでいるのですが、今回転職を決めた企業は関西の企業で、内定までフルリモートで完結させることができました。

このリモート面接のおかげで、求職者も企業側も面談へのハードルが下がりそれまで取りこぼしていた様々な可能性を両者が探れるような時代になったように感じます。

そして、何より転職活動をすることで会社にいるだけではわからない自分の強み、弱みを把握することができました。

ぶっちゃけ「デザイン経験不足」という事実を突きつけられたときは心にずっしり来るものがありましたが、そのことも現職の環境に居続けたら気づけなかった発見でした。このことから、また心を入れかえてもっと多くの仕事をこなしてデザイン力を高めていきたいという謙虚な気持ちを取り戻すことができました。

そのため、転職活動に迷っている人はぜひ「やるだけやってみる」ことをおすすめします。このnoteでも伝えている通り、転職活動をやってみたことで見えてきたことが多く、転職活動をしたからこそ転職のビジョン、ひいては自分の仕事感などがどんどん明確になっていきました。

その上自分で求人を探したり転職エージェントを使ったりすることは基本無料です。私も転職エージェント側には一銭も支払うことなく転職活動を終えることができました。

恐らく転職活動をするかどうか迷われている人はそこまで現職にも不満がないような人だと思うのですが、そういう「転職失敗したら現職に残ればいいや」という人こそ、採用企業に主導権を握られすぎないという点で転職活動においては最強だと思うため、ぜひまずはLinkedInの登録からやってみることをおすすめします。

そしていざやってみると、書類選考では「あ〜この企業の書類通った!」と宝くじ感覚で喜べたり、面接で生身の人と話せることは日々リモートワークで人との会話がなくなった毎日の気晴らしになったりと案外楽しいことも多かったりします。


まだ書ききれていないことがあるのでそれは別記事で

8000文字弱にも及ぶ長文を読んでくださりありがとうございました。

実はそれでもまだ書き切れていないことがあるのですが、ちょっと不特定多数に無料公開するともしかしたら差し支えある内容も含まれるかもしれないため、公開を制限する意味で有料記事にして公開しました。

転職活動は様々なことがありました。ここには書いてませんが正直心が折れそうになったりしたこともありましたが、あまり気負わず、粘り強く自分とマッチする会社を探すときっと良いめぐり合わせがあると考えます。

もしかしたら転職活動を通して「やっぱ今の会社がいいじゃん」ということに気づける人もいるかもしれません。それはそれで意味ある活動になるかなぁと思います。

では、またよろしくお願いします。

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