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小学生のころはいつも手にぼうもってた

【日々はあっちゅーま】
#9, 子どもの頃


僕が昔ずっと住んでいたのは、埼玉県の大宮市の、東大宮というところで。
今は合併して、さいたま市になっちゃったんだけど。
まだ僕がちっちゃかった頃は、家の周りの田んぼとかにはホタルがたくさん飛んでいて。

僕のお母さんも東大宮生まれだから、ちっちゃい頃に、ここのホタルたくさん捕まえて、袋に入れて、ホタルの灯りで勉強してたけれども、おかげで目が悪くなって眼鏡になったのよ、えっへん。
って言っていた。

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そんな風に田んぼとか、沼とかしかない所だったんだけれども。
僕が小2の時に、埋め立てして、ファミリータウンっていう所が出来て、たくさん人が引っ越してきて。

ついでに新しい、春野小学校っていうピカピカの小学校ができて、今までの春岡小学校よりも半分くらいの距離になったし、やったぁ。って言って6年生まで通ってた。

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小2になってから、ファミリータウンの友達が新しく出来て。
名前を松島よしすけくんって言って、「まっちゃん」って呼んでいた。

あと、小池しゅうへいくんってのもいて、その頃、僕は、自分で言うのもなんだけども、不思議少年だったから。

小池くんの事をコケコッコくんって呼んでいて、そうやって呼ぶことがずっとかっこいい事だって思い込んでいたけれども、今はそうは思わないので、ここでは「こいけくん」って呼ぶ事にする。


まっちゃんと、こいけくんとはいつもチャリで冒険ごっこするのが決まりで、と言っても、東大宮駅の方か、蓮田駅の方までチャリ漕いで、まだ見つけていない駄菓子屋がないかどうか調べたり。

ゲームショップで、スーファミのカセット眺めたり、ゴルフ場の近く寄って、ネットを越えて転がってるゴルフボール集めたりするくらいだったけど。

あと、家の裏に川が流れていて、そこにホテルが建っていて。
その下を3人でうろうろしていると、たまに上の階の窓が開いて、掃除のおばちゃんが上からお菓子を落っことしてくれる事がたまにあった。

その頃は、ラブホテルっていう所が何する所か、3人とも知らなかったけど、ある日、そのホテルで殺人が行われたっていう噂を聞いて、恐ろしくなってからはあんまり近寄らなくなった。

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僕が7歳くらいの時に、僕のお父さんとお母さんは、生まれて初めて喫茶店をオープンする事になって。

場所はどこかというと、自分ちの裏のドアを開けてすぐにある、使っていない物置を改造して喫茶店にするらしくて、だから家から1秒の所に喫茶店ができるって言って、僕もワクワクしていた。

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それでも、今までお父さんは会社に行って仕事をしていたのに、急に喫茶店をはじめるわけだから、こりゃ失敗したら大変な事になるぞ。
と子どもながらに心配になって来て。

いざ、お店がオープンする日には、少しでも家族のために働かないと。と思って。

お店の駐車場の隅に、いつも池掃除をする時に使っていたゴザを敷いて。

その上に、台所にあったお皿とかお茶碗とか、お椀とかお箸を並べて、1個5円とか、10円とかで売っていたら、喫茶店帰りの人たちが寄ってくれて、飛ぶように売れた。

あぁ、これで一安心と思っていると、お母さんが血相を変えて飛んできて。「何、家のもの勝手に売ってるの!?」
と驚いていたけれども、別に悪気があってやった事じゃないから、怒るに怒れなくて、ずっと苦笑いしていた。

でも、そのおかげか、それから25年以上たった今でも、ちゃんとお店は続いているから、大したもんだ。と僕は思っている。

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でも、お陰でお父さんとお母さんは、朝から晩までずっと働き詰めになってしまったので。
僕は高校を卒業するくらいまでは、ずっとおばあちゃんに面倒を見てもらった思い出しかない。

いつも、学校から帰ると、家の裏のドアを開けて、そしたらすぐに、お店の厨房のドアがあって。


そこを開けて、お店の人にただいまをいうと、お父さんがやって来て、グラスになみなみ入った、ガムシロ入りのミルクコーヒーをいつも作ってくれた。

だから、今でもガムシロがたっぷり入った、香ばしいミルクコーヒーが好きだ。

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そうして、家の居間のテーブルで、自分で考えた漫画を描いたり。
その頃好きだった、ガンダムウイングのロボットの模写をしたりしていた。


おばあちゃんも横にいて、大体いつも新聞紙広げて、ふきの筋を取ったり、絹さやの筋を取ったり、大体いつも筋ばっか取っていて。

もう、おばあちゃんは死んじゃったから、今さら無理なんだけれども。


その頃、蒸してくれていた、サツマイモやトウモロコシ、嫌がらずにもっと食べてあげればよかったなぁ。って、今になったら思うんだ。

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おしまい


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