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激辛まかない飯!!

【まかない飯!】

私の住んでいるタイのシラチャという街は、地理的な近さもあってか、イサーン地方(タイの東北部)からの出稼ぎの人が多い。

もちろん、うちのレストランの従業員も、イサーンから出稼ぎに来た人ばかりだ。

厨房から聞こえてくるおしゃべりは全部イサーン語だし、出てくるまかない飯も大体イサーン料理である。
(タイ語とイサーン語はずいぶん違うので、私にはちんぷんかんぷんです)。

イサーン料理で代表的なものだと、ソムタム(青パパイヤのあえ物)ガイヤーン(タイ風焼き鳥)があるけれども。

マニアックな料理だと、ゴイ(タイ風ユッケ)ソイジュ(タイ風牛の刺身)チンリッド(乾煎りしたコオロギ)カイモッド(アリの卵のスープ)などなど、結構ディープな料理もまかない飯として普通に出てくる。

また、イサーン料理はタイ料理の中でも激辛料理な事でも有名である。

イサーン人ならば各家庭に必ず一台は常備している「ソムタムすり鉢」「ソムタムすりこぎ」で、唐辛子とにんにくをゴリゴリとすり潰し、これでもかというぐらい料理に投入する。

(この時点で厨房内に唐辛子エキスが充満しすぎて、従業員全員くしゃみが止まらない)。

そんな風にして出来上がった激辛イサーン料理だが、この程度の辛さでは満足の出来ないイサーン人の同僚は、片手に激辛料理、もう片手に生の唐辛子を持ち、激辛料理→生唐辛子→激辛料理→生唐辛子と、終わりなき辛さの旅へと平気で漕ぎ出していく。

イサーン名物、通称「追い唐辛子」である。


かくいう私も、毎回の激辛まかない飯に慣れすぎて、最近はこの追い唐辛子に夢中である。

辛さの波を乗り越えたかと思うと、また次の辛さの波が待ち構えている。

例えるならば、少年漫画で強敵を倒した後に、もっと強い強敵が待っていた時のような、不思議な爽快感がやみつきになる。


イサーン人の同僚に言わせれば料理とは、

マイ ペッ(No Hot)
マイ アロイ(No Delicious)

なのだそうだ。

それを聞いて、思わず心の中で
「タワレコかよ!」と突っ込んでしまった。

ちなみに、別バージョンのキャッチコピーで

マイ アジノモト(No 味の素)
マイ アロイ(No Delicious)

というものもある。
それぐらいイサーン人は(タイ人も)辛い料理と味の素が大好きである。


そんな風に、連日辛いものづくしの私だが。
なぜだろう、たとえ国籍が違っても、イサーン語が分からなくても。
まかない飯を囲んでいる時だけは心が一つになるから不思議だ。

同じ釜の飯を食い、同じ時を共に過ごす。

今日も右手に激辛料理、
左手に唐辛子を手に、異文化の壁を越えるべく額に汗かきながら、ハフハフと激辛料理を頬張っているのである。

2022,6,19
絵本作家まえだゆうき



絵本作家まえだゆうき:世界の子どもたちに絵本を届けに行く旅の途中、ひよんな事からタイで暮らす事になりました😂🇹🇭🇯🇵
目標は『3年以内にタイで1番の絵本作家!』🔥
仕事は海の見える日本食レストランのマネージャー🍺
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