すべてのお父さんへ 育休取得おすすめタイミング
今回は、先輩方から聞いた話と、僕自身が育休をとってみて感じたことをまとめてみます。
僕は、高校教員として2度育休をとっています。長男のとき4ヶ月、次男が生まれてから1年半(現在)。
周りにもちらほら育休をとる男性が増えてきました。しかし、まだまだ少数派です。
正直なところ、教員をしていると、男女問わず育休を長期(数ヶ月、または年単位)で取らない理由がわかりません。公務員なら手当で生活はなんとかなります(物欲との戦い)。そして、手当で生活できるのであれば、絶対に育休をとった方がいいと断言できます。以下、その考えについて。
まず、少し遠回りにはなりますが、近代以降広くて誤解されている、時間の概念について触れておきます。
「時間は平等」
この言葉に惑わされて、時間を均質なものだと思っている人が非常に多い。
しかし、本気でそう思いますか?
赤ちゃんが過ごす1日と、老人が過ごす1日が、同じ時間だと?
そんなはずありません。はっきり言えば、
「時間は平等ではない」
なぜ、「時間は平等」だと錯覚するのか。それは、「質」と「長さ」を混同しているからです。
貨幣と同じように、時間も「1秒、2秒、……」と、同質のものが積み重なる(消費されていく)ものだと思われています。
時間の大切さを説くためによく使われる挿話として、遅刻者を責めるものがあります。
「あなたは5分遅刻しただけだと思っているが、ここにいる40人分の5分、つまり5分×40=200分の損失を出したのだ。いったいどう責任を取るのか」
言われた方は、ものすごく「すまない」という気持ちになりますが、ここには大きな誤りがあります。
それは、各人の各時間を勝手に等質のモノとし、合算してしまっていることです。
たとえば
・会議中、夢中になって意見を言っているときの「1分間」
・相手との間に話題がなくなり、どちらも話し出さずにいるときの「一分間」
・電車に乗ってスマホをいじっているときの「1分間」
・全国大会行きの切符がかかった試合、1点差で迎えた最後の「1分間」
・授業中、頬杖をつきながら放課後のことを考えているときの「1分間」
・子どもの頃、友達と笑い合って走り回っていたときの「1分間」
・寝ているときの「1分間」
・生まれた瞬間の「1分間」
・死ぬ直前の「1分間」
計測される「長さ」は同じです。しかし、これらは実感としてあまりにも違う。
そして、質の違うものは計算できません。「どれもこれも同じ1分間」としては扱えません。
つまり、時間は平等ではありません。
さて、ここからが本題です(おそ)。
子どもが生まれ、巣立っていくまでのことを考えてみると、
子どもとともに生活できる時間はものすごく短い。
自分と重ねて考えると、親より友達を優先するようになるまで、10年もない。
あと何年、手を繋いでくれるか。
あと何年、抱っこさせてくれるか。
あと何年、一緒にお風呂に入ってくれるか。
あと何年、大好きと言ってくれるか。
こうした時間が、老後の10年と同じだと、果たして誰が言えるでしょうか。
人生で最も大事な時間が、今ここにあることに気づくべきです。
仕事というのは、辞書的にも生活の「手立て」でしかありません。
あくまで生活のためにするものであって、生活が優先されることは疑いようがありません。
だから、手当で生活が可能なのであれば、育休を取得する方が理にかなっています。
もし、生活よりも仕事が優先されるようになったら、それはよほど混乱しているか、運の悪い人なのかもしれません。
また、子育ては戦です。もう家の中が永遠にスターウォーズです。
その戦に背を向けるのか。妻ひとりを矢面に立たせるのか。
実際にワンオペしてみれば、帝国軍がいかに強大かがわかるはずです。
ただし、ずっと育休をとっていて生活が破綻してはもとも子もないので、「限られた期間の育休」をどのタイミングで撮ればいいのかについて考えてみました。育休を取るのにも、自分、家族、職場それぞれに都合のいいタイミングがあります。
自分と職場については半分どうでもいいので、今回は家族にとって適切なタイミングについて述べ、結びたいと思います。
まず、1人目の子どものとき。
正直なところ、子どもが動き出す7、8ヶ月までは、子どもには手がかかりません。
どちらかというと、最初の1年間は妻を休ませることが夫の最大の役割だと思います。
産後すぐの母体はボロボロです。内臓の位置、骨盤の歪み、これらをしっかり元に戻さないと、老後もやばいらしいです。
母体が受けているダメージ、寝不足による心身の不調をどれだけケアできるか。
そして、1歳前後になると立ち、歩き始めます。すると、目が離せず、トイレもままなりません。散歩や外遊びも重労働です。
そのため、育休を必要とするのは、
・産後すぐ〜3ヶ月
・1歳〜2歳
がいいのではないでしょうか。
次に、2人目の場合。
もう、これは最初から最後まで最終決戦です。ずっとアベンジャーズと戦っている気がします。
職場でも、女性の先輩方は口を揃えて
「2人目のときに(夫に)休んでほしかった」
と言っていました。
僕も実際に育休をとり、なるほどそうかと思いました。
特に、上の子と2〜4歳差のときがやばいかもしれません。
4〜5歳くらいになると、自分でできることが増えてくるので、むしろ戦力になってくれるときもありますが、いかんせん、やんちゃ度もマシマシになるので、とにかく戦。
兄弟の年の差にもよりますが、2人目の場合は
・産後すぐ〜上の子が5歳になるまで
……もうどうしたって大変なので、夫婦で協力し、外部にも頼るしかないです。
3人目以降……は、僕には経験がありませんので、未知ですが、先輩方を見ていると、皆さん悟っています。おそらく涅槃なのでしょう。
また、兄弟の年の差がカギだと思います。戦力が増えれば、いろいろうまく回ることも増えます。
まとめ
・時間は平等ではない
・子どもと生きる時間は至高
・育休は産後すぐと2人目以降にかなり必要になる
とにかく、自分の、家族の生活が第一です。
仕事はそのためにする手段なので。
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