可愛い息子に旅をさせてみて気づいたこと。
「オレ、自転車で100km走ってみたい。」
ある日、
中1息子が言いました。
最初に言っておきますが、
「100km」って、自転車乗りには大した距離ではないのです。
私も昔、少し自転車に乗っていたので分かります。
彼らは日常的に30~50kmぐらいは平気で走るので、
100kmは、いつもよりちょっと頑張って走るぐらい。
自転車初心者にとって、クリアしたい最初の目標みたいなものです
自転車競技に真剣に取り組んで1年ちょっと経った息子。
しかるべきタイミングだとは思いました。
だから、
「100km」と言い出したことにはそんなに驚かなかったし、むしろ応援。
でも、
問題だったのが決行日。
朝から、そこそこのまとまった雨。
昼頃までには止みそうな予報だったけど、
「何も、こんな雨の日に行くことないじゃん..。」
そう思った私は、息子を止めようとしました。
「100kmは大したことはない」と書いたけど、1日がかりのちょっとした冒険です。
だから、せめて、コンディションの良い日を選んだ方がいい。
雨で路面は滑りやすい。
しかも、つい最近、ヒザを4針縫うケガをしたばかり。
(こちらの傷は、もうすっかり治りました。)
また転んでケガでもしたら…。
公道だし、車と事故でも起こしたら…。
悪いことばかり考えてしまいます。
でも、前日から「明日、行く!」と決めていた息子は譲らない。
それに、準備だって不十分。
雨なのに、
雨具もタオルも持たずに行こうとする。
スマホのモバイルバッテリーも、
モバイルルーターも持って行く気がない。
(息子のスマホはSIMが刺さってないので、
モバイルルーターやWi-Fi環境下でなければ役に立たないのです。)
緊急時の連絡先も控えてない。
事故に遭って、意識がなくて、
あなたがどこの誰かも分からなかったらどうするの?
しかも、ひとりで行くと言う。
あれこれ心配して、
息子の世話を焼く私を見て、夫が言いました。
「あまりお前があれこれ言うな。
そういうことも全部含めて、あいつ(息子)に考えさせろ。」
「止めなくていいの?」と言う私に、
「いいから、やらせてみろ」と言う夫。
「ここで引き止めても、
あいつはやってみるまでずっと言い続けるぞ。
雨の日に走る怖さも、
走ってみなければ本当の意味では分からない。
準備不足も、自分が色々と困ってみて、
足りないものを学べばいい。
これ以上無理だと思ったら、引き返してくればいいし、
動けなくなったら、迎えに行ってやればいい。」
そう言う夫が息子に言ったのは、
「絶対に、事故だけは起こすな。
無理はするな。
これでもしもお前に何かあったら、
お父さんもお母さんも、後悔してもし切れないからな。」
それだけ。
「まったく、男親だから、そんな風に言えるんだよ…。
ホントに何かあったらどうするの?」
夫に対して、そんなことを思いながらも、
結局、半ば渋々と息子を送り出した私。
でも、段々落ち着いてくると、
あることに気づいてしまいました。
私の言動って、
心配ばかりして、なかなか行動しない人と同じじゃない?
「準備ができたら始めよう」っ言って、永遠に準備が整わない人と同じじゃない?
とりあえず、やってみる。
やってみなければ分からない。
行動して、失敗して、
失敗から学んだことを次に活かそう。
いつもそんなことを発信してるくせに、
息子の「やってみる」を必死で阻止しようとしてた。
私自身、
いつも母に「やってみたい」を阻止されて、
「何もやらせてもらえなかった」という思いを抱いたまま大人になったはずだった。
母のせいで、
自分はこんなに自己肯定感の低い人間になってしまった。
こんな私になったのは、母のせい。
つい最近まで、
そんな母を恨んでいたはずだった。
それなのに、
私は息子に同じことをしようとしていた。
夫はそれに気づいていました。
「それじゃ、お義母さんと同じだよ」と。
自分のことって、
本当に見えていないものですね…。
結果。
息子はかすり傷ひとつ作らず、
びしょ濡れになりながらも、
まぁ、それはそれは達成感に満ちあふれて、
意気揚々と帰って来ましたわ。笑
8時30分に家を出て、
19時30分に帰宅。
11時間かけて、立派に100kmを走破しました。
しかも、
驚いたことに、
しっかりお友だちを巻き込んでた。笑
出発して4時間近く経った頃のことです。
お昼も過ぎたのに、
息子からはまったく連絡がない。
雨の中、自転車で走ることに必死で、親に連絡どころではないのだろう。
でも、
今、どの辺りまで行ったんだろう。
ちゃんとお昼食べたかな。
雨に濡れて、寒くて動けなくなってないかな。
ケガしてないかな。
母は、心配で仕方ありません。
さすがに夫も心配で、
息子に「どうだ?」とLINEを送ると、
ほどなくして、
息子から「昼飯だーーーーー!」という返信。
みたらし団子の写真が付いてました。
良かった。無事だ。
ホッ!としながらその写真を見ていたのですが。
あれ?
ひとりで出かけたはずなのに、
正面に誰か座ってる。
誰?
息子はとっても社交的。
どこに行っても、誰とでもすぐに友だちになってしまいます。
だからこの日も、
出かけた先で知り合った人とまた仲良くなって、一緒にお団子を食べているんだろうと思ってました。
そんな回答を想定しつつ、
息子に「誰といるの?」と聞いてみたら、
何と、同じ中学校の自転車仲間のお友だちの名前が返って来ました。
「ひとりだと心細いから、誘ったw」と。
私にあれこれ言われながらも家を出発したものの、
急に心細くなったようです。
そのままお友だちの家に寄って、
お友だちのご両親にも事情を話して、同行の許可をもらったとのこと。
いやいや、たくましい。笑
急な誘いにも関わらず、
息子のチャレンジに同行してくれたお友だちと、
それを許可してくれたお友だちのご両親に心から感謝でした。
その子が一緒に行ってくれたおかげで、ものすごく楽しかったようです。
楽しみも、苦しみも、分かち合える人がいるって、いいですよね。
そんなお友だちは、
一生大事にして欲しいなと思います。
そんな息子の次のチャレンジは、
「夏休みに、自転車で東京に行く!」
だそうです。
片道だけでも約120km。
さすがに日帰りは無理だし、
東京まで行ってトンボ返りは嫌だから、観光して来るって言ってるし。
泊まり確定ですね。
今度は、社会人の自転車仲間を誘っている模様。
息子の次のチャレンジも邪魔しないように見守りたいと思います。
息子の冒険は、これからも続きます。
かーちゃんの子離れの冒険も、まだまだ続きます。
温かく見守ってくださいませ。笑
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