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センスは知識からはじまる

著者水野学氏は、センスを以下のように定義されてました。

水野氏の会社。



「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力

センスというのは「数値化できない」 事象について発揮する能力であることや、知識をベースに世の中に最適化する能力であるという主張は、筑波大の感性工学での研究にあった「感性は情報量に比例する」に通ずるものがあり、「なるほどね」と納得できることが多かったです。

技術の時代からセンスの時代へ

ちなみに、「技術が発展する時代」がピークを迎えると、次は「センスが求められる時代」に変化するそうです。本では戦国時代と安土桃山時代やルネッサンスや「アーツ・アンド・クラフツ運動」などが例に出されていました。そして、それらは螺旋・サイクルのようにある程度の周期でめぐるものであると考えられます。

「普通」が大事である=「知識」が大事である

数字で分からないセンスをつかむためには、「普通を知ること」が大事であると書かれています。普通とは、いいものがわかり、悪いものがわかり、その一番真ん中がわかるということ。いろんな分野を、固定概念に縛られず、知っておくべきだと主張します。

普通を知っておくこと、つまり、知識を蓄えておくことが、センスのよさを生み出す源泉になるということです。著者も「センスとは知識の集積である」と述べていました。

「ひらめき=知識と知識の組み合わせ」などはアイデア論などでよく言われることですが、過去に存在していたあらゆるものを利用して、アウトプットの方向性を決めるために知識をつかうこと、ということですね。

あと、もうひとつ刺さった言葉をメモしておきます。
筆者曰く「知識にもとづいて予測することが、センス」なんだそうです。ほほー。

知識を増やす3つのコツ

その重要な「知識」を増やすためには、以下の3段階のアプローチを意識すると良いそうです。

* 王道から解いていく

* 今、流行しているものを知る

* 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる

✔︎王道から解いていく
「王道」は「定番」「一番いいとされている」「ロングセラー」のものと言い換えられます。王道になる過程には、数値化できない事象を最適化するプロセスが含まれていると考えられるので、つまり、王道を知ることでそのジャンルの最適化のプロセスを学べることがポイントなんです。

たしかにロングセラーの商品には、必ずその理由がありそうです。その辺りを分析し、知識として蓄えておくべきでしょう。

✔︎今、流行しているものを知る
逆に、今流行っているものを知ることも大事で、一過性のものではあるけれども、王道と一緒に流行を知っておくことで、知識の幅が一気に広がっていきます。思い込みや主観にまみれた情報収集ではなく、客観情報を集めることがポイントです。

この手段としては、雑誌が良いそうです。コンビニでいいので、ネットとは違い精査・整理された情報が載っている雑誌を読むのがオススメだと言います。

また、「流行っているもの」=「センスがよいもの」ではないことも前提として理解しておくべきだと著者は述べてます。

✔︎「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
最後は自分なりの情報に精製するため、共通点や同じルールがないかを探してみることを推奨していました。
例えば、入りやすい店の共通点は「床が暗い色」なんだとか。これはきれいな白い床だと、靴を脱ぐ文化のある日本人は、汚れた靴で入りにくいという心理的抵抗が生まれるからだそうです。


このように細かい手段まで、「センス」と「センスを手に入れる方法」などが明確に書かれています。
曖昧になりがちな「センス」という言葉を、単純に感覚値ではなく知識をつけることで、圧倒的「センス」は身につけられるものだと教えてくれる1冊です。

個人的にかなり好きな本でした!

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