リレーコラム#13 「子そだて親そだて」
「自分の子どもは、前世では敵」
お義母さんから出た格言です。たまに出るんです。「え?それ、どうゆーこと?」みたいな格言が。一旦はテキトーに流そうとしたのですが、なぜだか時間が経つと、じんわりと響いてきます。
うちの息子は、大きくなったら「シンカリオン(✳1)」になりたかったほど電車や飛行機などのマシーンが大好きなのですが、僕はむしろ「シルバニアファミリー(✳2)」で遊んでいました。それに、好奇心を食べて生きているような僕や妻から生まれたとは思えないほど、ビビりで慎重な性格です。
つまり、自分のDNAは入っているけれど、全くの別物。血縁関係にあったからといって、必ずしも親和性があるわけではない。そう感じるたびに、それこそ前世では敵だったかも?が響いてくるんです。
一方、僕は僕で今、会話もしたくないほどに父親を避けています。話せば必ず不快な思いをするのがわかっているので、次第にそうなっちゃっています。
父親は僧侶としての師匠でもあるのですが、親子それぞれに娑婆での修行が続いています。
僕は子どもの頃から「目下から学べない大人は、敬う価値がない」と思っていました。うんうん、わかります。超めんどくさい子どもですよね。そして過激。だけど、僕のその態度が、少しずつ父親を変えさせた自負も持っています。長い時間をかけて、かなり丸くさせたつもりなのですが、「団塊の壁」が函谷関(✳3)のように高い!
息子も時折「ブッダ(✳4)」のような目で僕を見つめてきます。その度に「きっと、子どもだから気づかないさ」から生まれた小さな嘘について、反省させられるんです。新たな気づきを与え、成長させるのは「親→子」の一方向だけではなく、「子→親」も十分にあること。なんせ前世は敵なんですから。
ちなみに、仏教では「前世は敵」という話は一度も聞いたことありません。改めて「前世 敵」とググってみたら、韓流ドラマが出てきました。
(✳1)新幹線が巨大ロボットに変身するアニメ。
(✳2)動物家族の人形と家であそぶ玩具。いわゆるドールハウス。
(✳3)漫画キングダムに出てくる、難攻不落の高い壁。
(✳4)ブッダ=悟りを開いた人。
風間 天心
現代美術家 / 僧侶 / 美術時間講師(中学・高校)
家族構成:妻、息子(7歳)
【質問】
Q1.忙しい毎日、どうリフレッシュしている?
最近は家に帰れる時間が少ないので、とにかく息子と一緒に過ごせる時間が一番のリフレッシュです。先日は2人でガンプラを作りました。今のガンプラは小一でも簡単に作れることに感服。
Q2.子育て中に使ってよかった施設やサービス、教えて!
ほとんどサービス的なものは利用していないのですが、共同アトリエに行けば何かと工作できるものがあったり、他のアーティストがいたりするので助かっています。
Q3.あなたにとって「子育てしながら働きやすい職場やまち」
共働きかつ繁忙期に波のある両親にとっては、「忙しいとき子どもを見てくれる家族がいるまち」が必須です。
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