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素晴らしい気風の観光案内所女性(2019年50歳)

江戸情緒が色濃く残るとある観光地を、いつもの風水開運ひとり旅で訪れることにした。

開運旅なので、訪れるべくパワースポット(神社)はすでに決まっている。
が、せっかくの雰囲気ある街。他の見どころもチェックしたい。街自体はそんなに大きくはないが、そぞろ歩くにはうってつけなようなのである。

という訳で、電車を降りた私は、駅前の観光案内所へ突入。
まずは街全体を把握するためのマップを求め、キョロキョロ探索し始めた。

そこへ急接近して来られたのが、制服姿の年配女性係員さん。
なぜかテカテカと黒光りするきつめのソバージュヘアをひっつめた、小柄だがなかなかにパンチのある……い、いや、“良い意味で”凄みのあるお方であった。
加えて、ご対応もチャッキチャキ!思わず親しみを込めて「姐さん!」とお呼びしたくなる頼もしさである。

で、私は早速「心の姐さん」にマップの所在を伺った。
すると、「無料のものと有料のものがある」とのことだったので、ひとまず無料マップを所望し、無事ゲット。
お礼を告げ、出口へ向かおうとした……のだが、「どこに行きたいの?」とのお声に呼び止められた。

「まだ街のことをよく分かっていないので、まだ決めてません」
正直に、ふわっと返答した私。
そしたら姐さん、素早く壁に貼ってある大きなマップまで私を導き、見どころを次々と解説し始めて下さったのだった。

で、これがまた、ご説明が非常に分かりやすいのもあり、とても興味深い内容!
ふんふんと熱く頷きながら、ワクワクした私は、「そうか!それらがこのマップに載ってるんですね!」と、先ほどいただいたマップをウキウキと広げ始めた。
「……いや、それには載ってなくて、有料の方には載ってるのよね……。これ(壁に貼ってあるマップ)は、有料のものを拡大したやつだから……。ごめんなさいね」
姐さんのお声は、明らかにトーンダウンしていた。……きっと、ぬか喜びして浮かれた私の姿が痛々しく思えたのだろう。

「いえいえ、とんでもない!そっかぁ……じゃあ、これ(無料マップ)で頑張ってみます!ご説明ありがとうございました!」
私は再度出口へ体を向けつつ、感謝のお辞儀をした。

ところが姐さん、何故かそこで視線を下げ、ちょっと沈黙された。
……かと思ったら、「……じゃあ、いいわ!これあげる!」と、なんと有料マップをサッと差し出されたのだ!

「えーーっ!いえ、そんな!だったらお金払います!」
「いいのよ、いいの!私、顔が利くから!……大丈夫!ほら持って行って!」
マップをグイグイ突き出す姐さん。
「ええーーー!」
私は、戸惑いながらも、あまりの潔い語り口に「ヘヘヘ」と笑った。
いや~この頼もしさ、第一印象通り!『姐さん!さすがです!』と秘かに称えた。

とは言え、やはり『棚卸しの時、大丈夫だろうか…』などと気を揉む。……が、数十円という値段にちょっと安心し、ありがたく拝受。笑顔で案内所を去った。

私はとても嬉しかった。
値段にしたら数十円のマップではあるが、姐さんの人情と心意気がこもった価値はプライスレス。
特別な旅の宝となったのだった。(そして実際、街歩きに大活躍!😃🌟)

それにしても、姐さんカッコよかった~!
楽しい旅のスタートをありがとうございました😌!