見出し画像

[Portugirl]~EU最西端での小娘ひとり旅奮闘記~[004]


前回の続き。 ( 最初から読む

2018年4月27日金曜日。


 前日の日帰りシントラと昨夜出歩いたのが響いたのか、この日は朝シャワーを浴びて朝食を取った後は午前中何もする気が起きなかった。ベッドで二度寝三度寝繰り返し、飼い猫のイファと遊んだり、ひたすらゆっくり過ごしてお昼過ぎ、小腹が空いた時にやっと外に出た。

窓辺のイファ


 この旅行記も書かなければどんどん溜まる&記憶が薄れる一方だったので、ステイ先から徒歩1分のカフェでカプチーノとグラノーラヨーグルトを食べながら、リスボンについてからの出来事を綴るため、2時間ほど執筆を進めた。


 区切りのいいところで切り上げた後は、コルクの雑貨を取り扱っているCORK&Coというお店へ。自分のiPad miniの新しいケースが欲しかったが運の悪いことに売り切れだった。代わりにサングラスケース、定期入れ、小さなポーチ柄揃えて3点セットにして購入。


 続いて向かったのはいつも通り過ぎていて気になっていたレコード屋さん。
いつも旅先でレコードを買い漁るのが趣味なので、店主に手伝ってもらいながら、あらかじめ調べていたファドのレコードを試聴して購入。なんと50年物だった。ノイズがあるのが気になったものの、レア物だったので日本に連れて帰ることに。


 一度ステイ先に戻り、スマホを充電しつつ、昨日買っておいたポストカードを日本にいる友人宛に書いた。(行く旅先でいつも書いている)

するとリビングで書いていたものだから、Alexが「なにそれすごいクールだね!!日本語だ!!!!うわっすごい!!」ととてもいいリアクションをしてくれた。

聞くと日本人でここに泊まったのは、とても光栄なことに私が初めてらしい。切手はキオスクでも買えるのかと思いきややはり郵便局で出すのがベターだという結論に至ったので、Alexに郵便局の場所を教えてもらい、再び外出。


 郵便局では入り口でタッチパネルでタップして番号札を受け取り、あとは頭上の画面に自分の番号が表示されるのを待つだけ。大体40分ほど待たされた。ポルトガルはなにをするにも待たされる。これがポルトガルタイムなのか、だれもイライラすることなく、のんびりと時間が流れる。

 無事切手を貼って日本に無事届くよう祈って投函した後、メトロのバイシャ・チアード駅へ降り、市内の公共交通機関の乗り放題券;ヴィヴァ・ヴィジェンカードの24時間券を購入。

ヴィヴァ・ヴィアジェンカードは、1回乗車券、24時間乗車券、郊外電車(CP)の乗車券と複数の用途に使えます。チャージ(Zapping)して繰り返し利用できるのですが、同じ種類の切符にしかチャージできません。別のタイプのチケットとして使いたい場合は、チャージした分をすべて使い切ってからの切り替えになります。(【リスボン】 ヴィヴァ・ヴィアジェンカード徹底攻略 | ポルトガル

 今日はスタートこそ遅いものの、まだ行ってないリスボンの旧市街;アルファマ地区へと向かう。しかもまだリスボンの代名詞でもあるトラムに乗ってないので是非とも乗ってみたい。一応停留所で待ってみるものの、待てども全然くる気配がない。諦めて歩くことにした。アルファマまでの往路はほぼ下りなので帰りさえ乗れれば問題ない。

 この数日で街を歩き回り、大体の位置関係や方角は掴んでいたので、あとは線路沿いに歩くだけ。私の頭の中では映画「スタンドバイミー」のテーマが流れていた。


 アルファマに到着し、とりあえずリスボン大聖堂に行ってみたが、どうやら金曜礼拝の始まる直前だったようで入り口付近の内部をサクッと見学して終わった。

 カテドラルの側の坂をひたすら登り、展望台へ向かった。ここの展望台からは海を一望できた。しかし私が注目したのは海ではなく、この展望台のベンチや壁に敷き詰められたアズレージョタイルたち。


アズレージョ (ポルトガル語:azulejo、スペイン語ではアスレホ)は、ポルトガル・スペインで生産される、典型的な上薬をかけて焼かれたタイル。途絶えることなしに5世紀もの間生産され続け、ポルトガル文化の典型的な要素となった。ポルトガルへ行けばどこでも、アズレージョは教会、宮殿、一般の家の内や外、鉄道駅や地下鉄駅でさえも見られる。アズレージョは、壁や床、天井でさえも使われるように、ポルトガル建築の多くで主要な要素となっている。(Wikipediaより引用)


 片っ端から写真を撮って回った。今回の旅でアズレージョのミニアルバムができそうな勢いだ。白いタイルに映える青。旧市街には特に手書きのアズレージョが多く見られる。街中に多いのはプリントされた大量生産のアズレージョ。そちらも綺麗は綺麗だが、どうしても手間暇のかかる手書きのアズレージョに心惹かれてしまう。

 ここアルファマ地区はリスボンで唯一地震と津波の被害を免れた丘。


 何百年も前の中世ヨーロッパの街並みが残る、リスボンの下町だ。

 狭い路地や階段をアップダウンして、時にはGPSを見失い、迷子になりながらたどり着いたのはファドハウス、Fado Major。


 店内も外のテラス席もテーブルがカラフルに彩られていた。予約はしてなかったが、1人でも快く招き入れてくれた。19:30から20分おきにファディストとファディスタ(歌い手)が入れ替わりに歌ってくれた。ここでもまたバカリャウ・ブラスとヴィノ・ヴェルデを頂きながら、昨夜聴いたバイロ・アルトと並んでファドの有名なここアルファマで、夜風に当たりながらファドを聴く。


 20:30過ぎ、会計をして空を見上げたらやっと日が暮れ始めた。水色の空から徐々に色が濃くなっていく。次第に街中も徐々に街灯が灯り始めた。通りがかりにコーヒーとワインで描かれた絵を売るアトリエで記念に一枚買い、カテドラル側の停留所で28Eのバスでステイ先へと戻った。

(トラムには乗れず・・・)



 鍵を開けて家の中に入ると、またイファが待ち構えていた。「ただいまイファ」とひと撫でしたらAlexがキッチンから顔出してきた。そのままリビングでZiも交え、お互いのことについて2時間ほど語り合った。


 AlexとZiはブラジル出身。2人とも幼馴染で、小さい頃から同じ建物に住んでいたから元々家族ぐるみで付き合いがあったらしい。7年前に付き合い始め、3年前に結婚。パリに新婚旅行に行った後、そのままダブリンに2人で移り住んだ。


 リスボンに引っ越してきたのはほんの三ヶ月前だという。Alexは主にAirbnbの管理をし、Ziはリスボンでオーガニックのカフェを開く夢を叶える為、ウェディングやファミリー向けのフォトグラファーをしつつ、カフェで働きながら勉強中。Alexの方がよく旅をするらしく、お互いに今まで旅した国の話や、ポルトガル語や日本語の聞こえ方、国籍ごとのゲストの違いなど話は尽きず、気づいたら2時間が経過していた。

 Ziの方がもう眠そうだったので明日のチェックアウトの打ち合わせをし、就寝。


 明日はついにリスボンから次の街へと移動する。


つづく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?