まっつ

9-15歳カナダ在住。修士でコンピュータサイエンス研究。サッカー観るの好き。

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自由研究のやり方

毎年夏休みになると、自由研究に何をするか、迷う人も多いですよね。 何をするかも大切ですが、どうやるかも大切です。 「自由」なのはテーマであって、「研究」にはやり方があります。 以下、英語版Wikipedia「Research(研究)」から引用した研究の定義。 「知の蓄積を増やすために、システマチックに行われる、創造的な作業」です。 研究はやり方が決まっていて、システマチックに行うものなのです。 その手順は、大まかに言うと下記になります。 1. 問いを見つける

    • 何故日本がどちらのチームにも勝てたのか。勝てたからどちらもここまで良くなったのか。

      • ふてほど最終回所感

        ふてほど、面白かったけど終わってしまいましたね。 最終回を観て、(きっとこれからも)未来は捨てたもんじゃない。未来はどのようにもなり得る、と感じました。 一方で受験シーズンも終わったのかなと思います。 答えのあるペーパーテストをしていると、全ての事に既に答えがあると錯覚してしまうかもしれませんが、例えば科学は反証可能ですし、これからも新しい答えは生まれて行きます。 なので、今ある答えを覚えるだけでなく、より良い新しい答えを生み出して行く事、仮説とその検証で答えを生み出

        • 未知を見る方法と感覚

          最近何となく文明の歴史を振り返ってて、何故アフリカは人類発祥の地だし川とかありそうなのに古代文明が無いんだろうと思ったけど、ググったらジンバブエとかマリとかありそうだった。 それで、歴史は勝者によって書かれるから、どちらかと言えば敗者っぽい側の歴史は極東の私まで届いてないんだろうな等と思った。 ともすると世界の知は割と知られ尽くされてしまった感覚になりがちだけど、例えばここで言う"敗者の歴史"(と言う程ではないのかもしれないけど)とか、最近だとLiDARでマヤ文明の遺跡が

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        自由研究のやり方

          産業革命前後からの科学技術革命

          考えをまとめるため表題の概略理解を記してみる。 科学革命 1543年頃:コペルニクス革命 1620年頃:前に書いたフランシス・ベーコンもそれまでのアリストテレス的論理も観測事実に基づかなければ無能とし、仮説・実験によりシステマチックに知識を増やす科学的方法を生み、以降人類に確実に現代科学の知が蓄積した。 1632年:ガリレオの天文対話 1687年:ニュートンのプリンキピア 1440年代のグーテンベルクの活版印刷によっても最新知識が普及した。 産業革命 1760年代頃〜

          産業革命前後からの科学技術革命

          ホヤより魚

          日本人、子供は自由な発想で考える。 その後皆学校に入り、受験する。 偉い大人から「答え」を与えられ、 ペーパーテストで覚えた「答え」を出す、 を繰り返す。 大人になると全ての事には 既に「答え」があると錯覚し、 偉い天才から発せられる 「答え」であるはずのバズワード ばかりを追う。 海産動物のホヤは 子供の頃は脳があって自由に泳げるけど、 岩にくっついて大人になると 脳を失うと言う。 全ての事に既に答えはあるのではなく、 新しい答えは 疑問を持ち、仮説を立て、実験し

          ホヤより魚

          バズワードを追わず科学技術しよう

          ChatGPTは万能か?生成ゆえの不正確さはあろう。ついこの間まで盛り上がっていたweb3や、未だ注目されてない科学技術にもそれぞれ面白さはある。 歴史は自ら頭と手を動かした人が作って来た。周りで盛り上がった人が作って来た訳ではない。 ボーイズ・ビー・アンビシャスと言う言葉を知っている人は多くても、実際に自ら歴史を作る大志を抱いている人はどれだけ居るだろう。 科学技術はどれも面白い。科学技術しよう。いつか我々も歴史の一部に成る。良い歴史を作ろう。

          バズワードを追わず科学技術しよう

          「答え」は過去 「疑問」は未来

          最近は東大生のクイズ番組が人気だったり、学生もすぐに答えを欲しがると聞きます。 学校に入って以降、答えがあるテストを繰り返し、その結果で評価され続けるのだから、当然だと思います。 大人になる頃には脳内報酬系も素早く効率良く「答え」を出す事に最適化しているでしょう。 ただ、そうして「答え」として覚える事は既にこれまでに分かっている事です。 そうでなければ正解も無く、評価できないのだから当然です。 問題なのは、早く効率良く「答え」を出す訓練が、「疑問」を捨てる過程になり

          「答え」は過去 「疑問」は未来

          アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの科学

          遅ればせながら「アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの科学」と言う本の存在を知りました。 序盤に出てくる事こそ、これまで繰り返し書いて来た科学的方法。 これだけ頭に入れて、後は各々興味ある事を解き明かして行きましょう! それこそテスト・受験偏重で新しい物が生まれず、30年失われた日本が唯一生まれ変わる方法だと思います。 デフレ円安のせいなのか、価格が約2千円と高く感じるのがたまに傷ですが、kindle版で試し読みできる序盤が最重要なので、そこだけ繰り返し読んで頭に

          アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの科学

          チコちゃんと自由研究

          先日チコちゃんに叱られる!の再放送を観ていて、日本の自由研究はかつて短い期間科目だった事を知りました。 戦後に経験主義で色々経験してみる授業として疑似的に買い物等をさせていたが、高度経済成長期で科学等の知識が必要になり、体系的に知識を教える教育に転換したと。ただ、残したいと言う先生達により夏休みの宿題になったと。 これまで自分は日本の自由研究を批判してきましたが、なるほど、それを踏まえるとやはり理解を深める意味の研究で、大学(院)等で行う科学研究とは意味が異なりそうです。

          チコちゃんと自由研究

          スコラボに共感

          スタンフォード合格の松本さんの下記ツイートを見かけました。 記事の内容が、まさにこれまで自分が言いたかった事そのもの。 日本は暗記受験勉強が教育の目的になってしまっていて、面白い事を追求していない。 そのためイノベーションも起きず、ジリ貧になって行く。 下記東京からノーベル賞受賞者が出ていないと言う記事も、東京の方が受験に明け暮れていて面白い事を追求していないからに思えます。 スコラボのような火を消さない、むしろ燃え上がらせて行きたい

          スコラボに共感

          仮説を立ててそれを実験等で検証するのが(自由)研究。

          仮説を立ててそれを実験等で検証するのが(自由)研究。

          ローティーンからの科学教育の必要性

          こんな記事を読みました。 前連載も過激ですが、そこで出てくる山川健次郎の下記が自分がずっと必要だと思ってこれまで書いてきた事だし、米等では少なくとも自分が受けた30年は前から今も毎年普通に行われていてその力の源泉だと思ってます。 「ローティーンからの科学教育」 本記事でも中学で論文を書く話が出てきますが、それがまさにやるべき事。 米等で行われているのは中2のサイエンスフェアで、事前に科学とは仮説を立ててそれを検証する繰り返しと言う科学的方法(Scientific Me

          ローティーンからの科学教育の必要性

          「探究する精神 職業としての基礎科学」を読んで

          東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構機構長である大栗 博司さんの表題の本を読みました。 最近は早野龍五さんの本、橋本 幸士さんの本、仲野 徹さんの本等、(物理)学者の本を読んでどれも面白かったので本書も検討しつつ、目次を見て哲学の内容が多そうだったので躊躇してたのですが、出だしの文章がシンプルかつ論理的なのに惹かれて読んだのですが、大正解でした。 大栗さんがどう物理を始めて行かれるかから始まります。最近は「自分の頭で考える」教育等とよく言われますが、自分の頭で考える塊のよう

          「探究する精神 職業としての基礎科学」を読んで

          「「科学的」は武器になる」を読んで

          先日発売された早野龍五さんの「「科学的」は武器になる 世界を生き抜くための思考法」を読みました。 ツイッターでお見かけした事はあったんですが、CERNでプロジェクトリーダーをされてたり、お父様のいとこがソニーの盛田昭夫さんだったり、早野さんとは何者!? 物語として面白く、一気に読んでしまいました。 「サピエンス全史」等と並んで自分の人生お勧め本トップ5に入ると思います。 自分も住んでたカナダの話も出て来たり、自分の大学院の研究室も少しかすめるような話も出て来たりして個

          「「科学的」は武器になる」を読んで

          高大接続改革に足りない変化を生む方法

          昨日今日は初めての大学入学共通テストのようですね。受験生やその周りの方々には、コロナ禍の中、大変ご苦労様です。 しかし大学入学共通テストは民間英語試験や筆記問題等の変革の目玉がここ数年で軒並み取り止めになり、変わったところはあるのかと言う感じですよね。 大学入学共通テストとは何なのか、河合塾のサイトではこちら。 国の高大接続改革の一貫との事ですが、では高大接続改革とは何なのか、文科省のサイトではこちら。 高等教育の改革が必要、従って高校、大学、大学入試をセットで改革す

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