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自由研究のやり方

毎年夏休みになると、自由研究に何をするか、迷う人も多いですよね。

何をするかも大切ですが、どうやるかも大切です。

「自由」なのはテーマであって、「研究」にはやり方があります。

以下、英語版Wikipedia「Research(研究)」から引用した研究の定義。

(中略)creative work undertaken on a systematic basis in order to increase the stock of knowledge(中略)

「知の蓄積を増やすために、システマチックに行われる、創造的な作業」です。

研究はやり方が決まっていて、システマチックに行うものなのです。

その手順は、大まかに言うと下記になります。

1. 問いを見つける

まず、興味深い問いを見つけましょう。空はなぜ青いんだろう?とか。素朴な疑問は、大体良い疑問です。

2. 仮説を立てる

仮説とは、こうなんじゃないかなぁ、と言う、仮の説です。青い物が浮かんでるから?とか。

3. 実験する

仮説を立てたら、実験で確かめましょう。空に青い物が浮かんでるなら、袋の様な物で捕まえられそうです。

実験で大切なのは、1種類の要素ずつ試すことです。そうしないと、どの要素でその結果になったのか分からないからです。

できるだけ混じりっ気の無い空を捕まえましょう。

4. 結論を出す

実験をしたら、仮説が合っていたか確かめましょう。合っていなかったとしたらなんで合っていなかったのか考えましょう。仮説が合っていない事が分かる事も立派な成果です。来年ちょっと変えてやってみてもよいかもしれません。

捕まえた空は青かったですか?多分青くないはずです。じゃあなぜ空は青いのでしょう?量が足りなかったから?そもそも青って何でしょう?

筆者は日本の小学校で何年か自由研究や自由工作で牛乳パックの工作をしたりしてから、カナダに移住しました。カナダの学校では毎年自由研究があるのではなく、中学2年生くらいの時に1度だけ、サイエンスフェア(日本語にすると文化祭ならぬ科学祭?)と言うものがありました。

サイエンスフェアでは、夏休み前にまず上で述べた様な科学的方法を教わり、夏休みにそれを使って実験し、夏休み後に皆で体育館で自作のポスターで発表します。

筆者はその後日本に帰国して、大学院の修士課程でコンピュータサイエンスの研究をしましたが、サイエンスフェアは根本的にはその時の学会のポスターセッションと同じでした。

さすが科学で新しい物を生み出してきたイギリスに関係してたり、アメリカの隣の国だけあって、カナダは科学とは何か、それをどう教えるべきかよく分かってるなぁと思いました。

日本では「研究」と言う言葉が、「調査」と同じ意味で使われてしまっている気がします。自由研究でも、何々をたくさん調べてきました、とか。でもそれをするなら、新種の生物を発見するくらいでないと研究にはならないと思います。人類にとっての新しい知が増えないからです。

何が偉大な研究になるかは事前には分からないですし、素朴な疑問と未知へのワクワクを持ち続けて「研究」する事は大事です。

せっかく毎年行う自由研究ですから、事前にその点を意識して欲しくて、本記事を書きました。

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