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高大接続改革に足りない変化を生む方法

昨日今日は初めての大学入学共通テストのようですね。受験生やその周りの方々には、コロナ禍の中、大変ご苦労様です。

しかし大学入学共通テストは民間英語試験や筆記問題等の変革の目玉がここ数年で軒並み取り止めになり、変わったところはあるのかと言う感じですよね。

大学入学共通テストとは何なのか、河合塾のサイトではこちら

国の高大接続改革の一貫との事ですが、では高大接続改革とは何なのか、文科省のサイトではこちら

高等教育の改革が必要、従って高校、大学、大学入試をセットで改革すると言うところまでは賛同できます。

今の日本の教育は一言で言えば入試を中心に動いていると思うので、そこを変えるのが全体に波及して一番変わる。

しかしながら、上記サイト冒頭の以下概要には個人的に思うところはあります。

グローバル化の進展や人工知能技術をはじめとする技術革新などに伴い、社会構造も急速に、かつ大きく変革しており、予見の困難な時代の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要です。このためには、『学力の3要素』(1.知識・技能、2.思考力・判断力・表現力、3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)を育成・評価することが重要であり、義務教育段階から一貫した理念の下、「学力の3要素」を高校教育で確実に育成し、大学教育で更なる伸長を図るため、それをつなぐ大学入学者選抜においても、多面的・総合的に評価するという一体的な改革を進めていく必要があります。

これによれば学力の3要素とは下記との事です。

1.知識・技能
2.思考力・判断力・表現力
3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

そも、教育とは何かを考えると、若者に生きていくための術を教える側面があるのは狩猟採集していた原始時代から動物まで同じで、それは1に当たり今までもやっていた事でしょう。

文頭のグローバル化や技術革新については、日本がたまたま戦後の高度経済成長で時流に乗り、前だけ見て頑張っていれば良かった時代からバブルが崩壊し何十年か失われた今、乗れなかったIT革命で周りが動いてるように見えるだけで、グローバル化や技術革新自体はルネサンスや大航海時代の前から起きてる訳で、変化の速度は上がっているかもしれないにせよ今初めて起きている訳では無い。

今になって変化の時代と騒ぐのは、明治維新で欧米の科学技術等を取り入れ、その後しばらくは既存の「知識」を「学んで」いれさえすれば力が増していたのが、ふと周りを見ると新しい物を生んだGAFA等のIT企業が勝者総取りで全てを抑えているのを見て、慌てた日本独自の事情でしょう。

その対策が「2.思考力・判断力・表現力」や「3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」で足りるかと言えば疑問が残ります。

2の思考は必要でしょう。日本はいつも戦略が無さ過ぎる。

3の多様については日本だとアメリカが強いのは多様だからと言った言説をよく見るけど、多様性だけで言えば欧州とか同じくらい多様なところはあるでしょう。

アメリカの隣(カナダ)に住み、大学院で国際学会等に行った印象からすると、アメリカが強いのは歴史のしがらみが無く、新しい事にどんどんチャレンジするから。

世界史的に見ても、ローマ>スペイン>オランダ>イギリス>アメリカ(東海岸>西海岸)と覇権がどんどん西に移動していくのは、そちらの方が歴史のしがらみが無いからだと思う。

また、多様に協働と言う点では、外国と言う空間的な多様性だけではなく、年齢と言う時間的な多様性を取り入れるため、飛び級等も取り入れた方が良いと思う。

このように、ルネサンスや科学革命から変化の時代になってる訳で、日本は今はたと気付いた上に変化の時代に一番必要な要素に気付いてないし指摘していませんが、その要素として下記の追加が必要だと思います。

4.変化を生む態度と方法

1-3まででは変化についていくだけで常に後手後手になり、自ら変化を生む必要があるからです。

そのための科学的方法は数百年前の科学革命の頃からある。

アメリカ等では中学生で科学的方法を学んだ上でサイエンスフェアを行っていて、科学的に新しい知識や物を生む方法を学んでるし、そのために失敗は付き物(むしろ可能性を潰せた分プラスで前進)と分かるので失敗を伴う新しいチャレンジに寛容になる。

日本のようにペーパーテストを繰り返すだけではミス(失敗)はただのマイナスで、失敗に不寛容になり新しいチャレンジができず、新しい物も生まれない。答えの無い問題を解決しようと言うのに、答えのあるテストばかり訓練してどうするのかと言う。

多様な協働は有用だけど、であれば今のように同じ年齢の若者を学校と言う同じ特殊社会に閉じ込めるのは多様でも協働でもないので、全てオープンにすべき。

これまでは自動車等の物を売って繁栄してきたけど、これからはIT企業がEVや自動運転に参入してくる時代。これまで通り粘り強い細かい作業で電池等を作って行くのか、アニメやゲーム等のサブカルを作って行くのか、英語ができるようになって世界的なサービスを作るのか、岐路には立っていますね。

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