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12年勤めた会社をなぜ辞めたのか?

理由は一つではなく、様々なことの積み重ねとタイミングもあったが、一言で言うならば、
「会社の求める方向性と自身の望む形のバランスが合わなくなったから」である。

前職はベンチャーからスタートした企業ということもあり、常に進化や成長が社員にも求められる環境であった。
20代の独身の頃はその環境が居心地良かったものの、結婚出産を経て人生の価値観が変わった30代になってからは、周りの若い社員との温度差とスピード感についていけない自身の情けなさに日々自己肯定感が下がっていった。

それでも頑張ろうと自分を騙し騙し鼓舞しながら働くものの、根本的な部分の解決はなされていないため、しんどい→頑張る→しんどい・・・といった負のループになっていった。


もともと仕事は好きであった。働いて成果を出すと生きている実感が沸くタイプだったからこそ、ワーママになって制限がありながらも頑張って働きたい自分の気持ちが、会社が求める頑張りの基準に満たない状態にどうすればいいかわからなくなった。


自分なりの頑張りが評価に匹敵せず、自己満の範疇に止まっている状態。自己肯定感は下がる一方であった。今振り返ると私にはこれが一番きつかったように感じる。


それでも頑張ろうと思って続けてきたのは、当時二人目の不妊治療をしていたからが大きい。
元々一人目も不妊治療で授かり、二人目も不妊治療をしていた。不妊治療は本当に辛い。治療の兼ね合いで急な休みをもらうことも多く、同僚に頭を何度も頭を下げながら通院し続けた。辛かったが前職は自由に有給が取れ、産育休などの制度も手厚いため、授かった後のことを考えれば辞めない方がいいことがわかりきっていた。だから歯を食いしばって辞めずに働いた。
(不妊治療に関してはまた別の記事で)


それでもなかなか結果が出ず、限界が来た。
私は性格上割り切って働けるタイプではない。仕事にやりがいも求めてしまうため、今の環境で自分を騙しながら働くことはもう無理だと悟った。


不妊治療をやめることにした。厳密には、優先順位を「転職」を上位に置くことにした。辞めることを決めてからは早かった。転職も無事うまくいき、そして12年勤めた会社を退社した。


辞めた今、自分の決断に微塵の後悔はない。あのまま居続けても私は腐るばかりで、自分をどんどん嫌いになるだけだったからだ。


妊娠出産という物理的に働けなくなる期間が発生する女性のキャリア形成は本当に難しい。考えなければいけないことは山のようにあるのに、選べる道は限られる。それでも私は働くことを諦めたくない。泥臭くがむしゃらに、「母は強し」を体現するのみである。


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