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成功するアンティークコイン投資・国の知識を深めよう!『オーストリア①』

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

今回はオーストリアです。オーストリアは、神聖ローマ帝国の皇帝としてハプスブルク家が600年以上も統治したので、歴史でもコインの種類でもハプスブルク家が軸になります。領土を拡大した最盛期には「ハプスブルク帝国」とまで呼ばれるほどの強大な権力を誇っていました。

ハンブルク家

神聖ローマ帝国のコインはまだイギリスのコインほど高騰していませんが、皇帝の系譜が比較的分かりやすくて集めやすいのと、デザインも美しいので今後人気が出る可能性が高いです。ターレル(銀貨)やダカット(金貨)には、今後も注目していきましょう。

神聖ローマ帝国の支配が終わると、第一次世界大戦での敗北によって領土を縮小し、第二次世界大戦でのナチス=ドイツへの併合を経て、永世中立国として現在のオーストリアになります。栄光の頂点から現在までにどんな歴史があったのか、早速見ていきましょう。

オーストリアができるまで

紀元前2世紀にはオーストリアの地にローマ人が進出し、現在のウィーンに「ウィンドボナ」という砦を築きました。ドナウ川があって交通の要所として栄えていたため、ローマ帝国が衰退した後もゲルマン系やスラブ系など多くの民族がやってきた地域です。

オーストリア②

8世紀末になると、ローマ帝国崩壊後にできたフランク王国が進出し、カール大帝による支配の拠点として「オストマルク」を置きました。976年には、バイエルン貴族のバーベンベルク家がこの地域の領主に命じられます。バーベンベルク家は徐々に支配を広げていき、この地域は「オーストリア」と呼ばれるようになりました。

ハプスブルク家による支配の始まり

バーベンベルク家は1246年にマジャール人との戦いに敗れ、断絶します。1251年に、ベーメン国王プシュミスル家のオトカル2世がウィーンに入り、オーストリアの支配を始めました。(画像:ルドルフ1世)

マキシミリアン1世

1273年、ハプスブルク家のルドルフ1世が神聖ローマ皇帝(ドイツ王)に選出されます。当時のハプスブルク家はスイスに拠点を持つ小さな貴族で、そこまで有力ではなく期待されての選出ではありませんでした。ところが意外にも優れた手腕を持っており、1278年にはオトカル2世を下してハプスブルク家がオーストリアを支配することになりました。ハプスブルク家は1918年までオーストリアの君主として君臨し、約640年にわたって支配を続けます。

ハプスブルク家の婚姻政策

ハプスブルク家がオーストリアだけでなくネーデルラント、ブルゴーニュ、ハンガリーなどに領土を広げる基礎ができたのが、マクシミリアン1世(1459~1519年)の時代です。マクシミリアン1世は、中世から近世への過渡期の皇帝でもあったため、「中世最後の騎士」とも呼ばれています。
(画像:王女マリアと結婚)

マリー・ド・ブルゴーニュと結婚

マクシミリアン1世は、ブルゴーニュ公国の王女マリアと結婚しました。ところが1482年にマリアが事故で亡くなると、息子のフィリップに後を継がせようとする反乱がおこりました。これに反撃し、マクシミリアン1世はブルゴーニュ公国領のネーデルラントをハプスブルク家の領土にします。

ハプスブルク家には、「戦いは他のものに任せておけ。幸いなるオーストリアよ、汝は結婚せよ」という家訓があったそうです。領土を広げるために各国は戦っていましたが、そうではなく婚姻によって領土を広げよという意味であり、マクシミリアン1世の政策そのものでした。

ハプスブルク家2

実際、彼とマリアの子どもフィリップをスペイン王女と結婚させ、その子どもがスペイン王位を継承してハプスブルク家がスペインも支配することとなりました。マクシミリアン1世は孫も国外の王族と結婚させ、支配を広げていきます。婚姻政策によって、スペイン、ネーデルラント、チェコ、ハンガリーにも影響力を広げたのです。

次回は大国となったオーストリアについてお伝えします。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!

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