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#きょうのコピー291日目

つい先日、またまた宝島社がセンセーションな新聞広告を掲載しました。過去にも賛否両論を呼ぶくらい話題になる新聞広告を掲載してきた宝島社。

どのコピーも物議を醸すくらいインパクトが強く、世界に対して「問いただす」側面の強いコピーばかりでした。

今回、宝島社が掲載したコピーもネット上では賛否両論を呼んでいます。

国民は、自宅で見殺しにされようとしている。

今も、ひとりで亡くなっている人がいる。
涙が出る。
怒りと悲しみでいっぱいになる。
この国はいつから、こんなことになってしまったのか。
命は自分で守るしかないのか。

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このようなコピーです。たしかに賛否両論・批判的な意見が多く出そうな、やや「煽る系のコピー」だと思います。

ここからは持論です。賛否両論を呼ぶ問題提起をするのもコピーの大切な役割の一つだと思っています。

全員が全員、納得できて共感を呼ぶコピーだけがコピーの役割だとは思っていません。時には社会に問題提起したり、炎上覚悟で言うべきことを言うことも必要だと思います。

ただその際に重要なのは、一方通行のコピーにならず批判的な意見ともしっかりと向き合う姿勢が肝心です。

一方通行だと「企業の言いたいことだけ言っておしまい」になってしまい、読み手にとては非常に大きなストレスになってしまいます。その結果、企業のブランド価値は毀損されてしまいます。

この手の広告で大切なのは、「きちんと反論できる余地を残しておく」ことだと思います。

世間に問題提起しつつ、批判的な意見とも向き合う企業姿勢。この点が、宝島社という(ある種特異な)独自ポジションを築いているのだと思います。

たかが広告コピー・されど広告コピー。コピー道は奥が深いですね。私もまだまだ精進していかないとです。

とある著名なコピーライターの方が、「コピーは書くこと以上に、良いコピーを選ぶ目が大切だ」とおっしゃっていましたが、まさにその通りでね。

選ぶ目を養いたいと思います。

おしまい
書いた人:和田裕史

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