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LINE Fukuokaのイラストレーターが考える、「文字デザイン」に大切なこと

主にLINE公式スタンプや着せかえ・LINE関連サービスに使用されるイラストの制作を担うLINE Fukuokaイラストチーム

多種多様なキャラクターのイラストだけでなく、エフェクトや背景・文字デザインなどの制作にも携わっています。たくさん伝えたいことはありますが、今回は「ウチのチームらしい文字デザイン」に焦点を当ててお話しします!こんな方法もあるのね〜と、気楽に読んでみてください。


LINE Fukuokaイラストチームが考える「文字デザイン」とは?

読みやすく・美しく文字を配置すること、そしてデザインとして文字を取り入れることなどを「タイポグラフィ」と呼びます。 この言葉はあまり細かく定義できるものではないようですが、ここでは【文字をかっこよくしたり、おしゃれにしたり、可愛くしたりすること】=「文字デザイン」として話を進めていきますね。

私たちのチームに求められているのは「キャッチーさ、ポップさがあるか」「パッと見て目を引くか」だと思うので、そこを意識しながらデザインしています。もちろん他にもあるのですが、どのデザインにおいても欠かせない要素だと捉えています。

フォントの一部変更や、手描きで制作することなどで、感情に沿った文字を表現できるとも考えていますね。けっこう「文字デザイン」も奥が深くて面白いなと、しみじみ感じさせられます。

「いざ、文字デザイン!」 はじめにやるべきことは?

文字デザインをはじめる前に、まずは参考画像をPinterestなどで収集し、自身の頭を整理し、心も動かしていきます。

例えば
・丁寧でかしこまった使い方なのか
・ラフで砕けた感じなのか
・ほっこりと暖かみのある感じなのか など

雰囲気を感じ取れるものならとりあえずなんでも集めちゃいます。この材料集めが案外楽しかったりします。集めた参考画像をじーっと眺めながら、どうしてそのテイストを表現していると感じたのか分析し、意図あるデザインに向けて準備をします。良いデザインを作成するために大切な時間だと日々感じています。

フォント作成のメソッド、レトロテイストを例に

フォント作成のメソッドを伝えたく、レトロテイストの文字を例にあげてお伝えします。ちなみに"レトロ感のあるフォント"と言われたとき、あなたはどんなモノを思い浮かべますか?何通りも答えはありますが、1例として挙げてみますね。

1.まずは骨組みとなる線を引きます。ラフな感じでOK

2.先ほどのラフ線をもとに下書きを開始!レトロ感のある肉付け
このとき、自分の中にある「レトロ感」を考えてみましょう。発想は自由に。

例えば
・多少やぼったい
・少し大袈裟な規則性があると良さそう など
Pinterestなどから画像を集めた際
感じたことを整理しておくと考えやすいです!

3.このままでも十分レトロ感を感じるけど、もう1つ規則性を追加したい…
ということで横軸に波の規則性を追加してみました!さらにレトロっぽい雰囲気が出てきたような気がします。

4.いったん、Adobe Illustratorで仕上げ
レトロ感の中に、フリーハンドっぽさも欲しいですね。ガチガチな綺麗な統一感はあえて避けて調整します。

5.簡単に色をつけて、さらに微調整
レトロ文字では、よく文字全体に斜体をかけた表現も見かけるのでそれも追加し手書き感や経年っぽさを演出するために、角を全て角丸に整えました。

6.完成~!
ラフが出来たタイミングや、ある程度形になったときに一度引いて全体を観察してみると…集中して作っている時には気づかなかった改善点が見つかることがあります!このときも何度か全体を観察し、文字全体のバランスや密度の調整をしました。

良いデザインのために、日頃から心がけたいこと

街中やSNSなど歩いていると、ふとしたときに "ピンッ" ときたデザインを見かけることはありませんか?

そんなときは
なにが良かったのか
どの部分でどういう印象をうけたのか
自分の頭の中で深掘りし、整理してみてください。

価値のあるデザインを生み出すために、とても大切な習慣だと思います。というのも、そんな習慣を積み重ねることで制作時に自分のテイストとして引き出しから出てきてくれるからです。

今回のおはなしが、少しでも皆さんに役立つことを願っています。

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