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2019年11月振り返りとお気に入り、12月目標

2019年11月の振り返り

10月に設定した目標の達成度を%で自己評価します。

勉学
- 12月末の公開学内"シンポジウム"の要旨と発表資料作成 0%
相変わらず先生が適当で話が一転二転するので、"シンポジウム"の日程が1月中旬に変更になり、かつ発表が必須ではなくなったというのであっさりリタイアしました。やる意味がない。

- 参考文献5冊 20%
いや、違うの…5冊の本から論文に使えそうな章だけサッと目を通して参考文献として使うはずが、最初に手に取った本があまりに面白すぎて、丸々精読して11月は終わりました…。読み切ってしまうのを惜しんでチマチマ読み進めました。笠原美智子(2018)『ジェンダー写真論 1991-2017』です。

著者の笠原美智子先生は東京都写真美術館の学芸員として、ジェンダーやフェミニズムの視点から多くの写真展を実現してきました。1991年から2017年の間に開催した企画展の度に研究し、書いてきた論考を中心にまとめたのが本書です。前回帰国した時に新宿のアナキスト書店Irregular Rhythm Asylumで買って、大切に台北に持って帰ってきました。

- 台北内の展示を見に行く 70%
外出が嫌いなので、行きたかった展示全てを回れたわけではないけれど、それでも11月中に北師美術館、c-lab, 台北市立美術館、台北当代美術館、nunu fine artの展示を見られたので主要なものは展示期間中に行けて良かったです。

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台北市立美術館地下1階の自由スペース、吹き抜けの天井から自然光が入り、台湾の変な植物がニョキニョキ生えているので、展示を見た後に昼寝するのが好き…。

生活
- 珈琲を1日3杯も買わず自分で淹れる 70%
私が珈琲中毒なのを知っている母とルームメイトがそれぞれ美味しいドリップ珈琲を誕生日にプレゼントしてくれたので、比較的外で買わないで済みました。珈琲を自分で淹れる習慣続けていきたいです。

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- 記事を3本寄稿する 80%
全て短いものですが、11月中に1本をにゃもさんのブログ、2本をshe isに寄稿しました。

時間の制限により完全には満足いく内容にできなかったので-20%。

- 学校との手続き上の闘い 100%
大学院のある"授業"について、先生達や事務の度重なる不誠実で無責任な対応にブチ切れ、11月はクラスメイトと2人で正式に抗議しました…。オフィスをたらい回しにされたり、メールと電話での問い合わせを無視され、担当者が辞めていたり頻繁に変わって、抗議に至るまでに時間がかかりましたが、最終的に学部長と国際事務室と担当教授に直接申し立てに漕ぎ着くことができました。結果は、再三請求されていた"単位登録費"の7万円は免除され、前学期に40点で不可だった"授業"の成績は取り消されて今学期末再評価になり、私達の要求は全て通る勝利に終わりました。
もし私1人だったらただ愚痴るだけで、学校に対して吃る声を上げようとは思わなかった。弁明や証明に使えるものは全て取っておいて印刷する、パフォーマンス行為としての抗議、妥協案に安易に乗らず食い下がる、相手の立場に理解を示しつつ論理的な主張を重ねていく、抗議文の書き方など、個人がどうやって組織と闘うのか、イタリア人のクラスメイトのおかげで勉強になりました…。学校に出した抗議文は原文のままnoteで共有しています。

11月の勉強
担当教員との”チュートリアル”1回: 進捗なし

11月の労働
日本語教師: 40時間
ベビーシッター: 25時間
翻訳案件: 1件
ライティング: 3件
→合計月収: 44000元(157000円), プレゼント4つ

11月のスケジュール帳

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紅茶のタグ、もらったアメリカのチョコレートの包み紙、歌詞、言葉遊び、論文の引用、やることリスト、落ち込んでいる時に友達がくれるオリジナルキャラクターのシール; banana fish

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DVDの冊子、日記、小説の引用

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バスのチケット、レストランの名刺、美術館の入場券、落書き、日記、歌詞、自伝の引用

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台北プライドでもらったシール、アメリカのお土産のシャンパングミ、歌詞、やることリスト、ライティング案、歌のリスト

2019年11月のお気に入り

音楽: Bad Tuner『Orizia/Camero』

11月は友達が教えてくれたDJ bad tunerの2018年のアルバム『Orizia/Camero』にハマって繰り返し聴きました。この記事もbad tunerを聴きながらサクサク書いています。
bad tunerは現在ニューヨークの大学で音楽を学んでいて、2018年からアルバムを出し始めた若手のDJです。元々はユーゴスラビア生まれの孤児でしたが、12歳の時にロシア人の夫婦に養子として引き取られてモスコに移住し、ラジオ修理店の見習いになりました。以降AMとFMのラジオ放送への興味から音の収録を始め、16歳からDJセットを始めました。
2018年に発表したアルバム『Orizia/Camero』の中のOriziaという曲には、日本で太平洋戦争終戦の象徴となった「リンゴの唄」の歌詞が出てきます。様々な言語での詩とアンビエント・ハウスを掛け合わせたbad tunerの音楽に11月は夢中でした…。bad tunerは特に今年精力的に新しい曲を発表しているので、今後のキャリアにさらに期待できるDJだと思います。

ポッドキャスト: Meditative Story
11月は寝付けない夜が多かった。このポッドキャストは寝る前に聞くお話として完璧で、好きすぎて同じ回を3夜連続で聞いたりしました。長さも毎回30分なのでウトウトするのにぴったりだと思います。

この夏に始まったばかりの番組、「瞑想の物語」。毎回全く異なるバックグラウンドの人々が、世界に対する五感が変わった瞬間を語ります。物語の進行と同時にthe Holladay Brothersが作った音楽やサウンドスケープが流れるので、耳が研ぎ澄まされる気がして、印象深く忘れられない体験になります。お話の途中でホストのRohan Gunatillakeが語り手と聞き手を結び付ける問いかけをすることで、私が同じ状況にいたらどんな感覚を味わうか、どんな感情を持つか、私にも過去に似た経験があるか、私だったらどうするか、想像したり考える時間が与えられます。また、お話の最後は瞑想の時間になっていて、物語に繋げてRohanがガイドしてくれます。
私が特に好きな回は、ファッションメディアBeautyconの社長、Moj Mahdaraによる"Standing in my own truth"です。イラン移民3世としてアメリカで育ち、レズビアンで伝統的な「女らしさ」の規範を拒む、将来は音楽業界を目指すMojは、10代で自分のアイデンティティや家族からの評価と期待に葛藤します。その時に2人の祖母と過ごし、2人が隠してきたそれぞれの真実を追うことで、自分の本当のあり方に向き合う強さを掴んでいく物語です。例えば祖母の1人、Moluk Anghozはペルシャ革命時代のポップスターで、かつてドバイやトルコで2万人の前で歌った大人気歌手でした。Mojが語る後ろでMolukの歌が流れます。それがすごく綺麗なの。

作家で詩人のStephen Kuusistoが語る、"Allowing sound to reveal life’s wonder"も大好きで連日聞きました…。生まれつき目が見えないStephenが、スウェーデン行きの船旅、毎日歩く街角、ボストンの図書館の前で、「偶然の音楽」に出会いふと立ち止まる物語です。面白い面白い面白い、このエピソードを聞いた後は、台北の街中での雑音が全く違うものに聞こえてきます。


本・映画: "Room"  Emma Donoghue・Lenny Abrahamson

roomを初めて観たのは上海行きの飛行機、その後偶然台北の古本屋さんで英語の原作を見つけて抱きかかえて帰りました。400ページ以上ある、そこそこ分厚い本ですが、心臓を掴まれて11月に2日で読み切ってしまった。
本は最初から最後まで5歳の男の子、Jackの語りと視点で進行します。Jackにとっては小さな「部屋」が世界の全て。「部屋」で生まれてお母さんと2人で生活し、「部屋」から出たことがありません。Jackにとっては「部屋」が唯一のホームですが、Jackの母親にとっては「部屋」は牢獄です。19歳の時にいきなり知らない男、Old Nickに連れ去られ、7年間物置小屋である「部屋」に閉じ込められ、毎日21時に強姦されます。その7年の間に妊娠し、「部屋」でJackを自力で出産しました。Jackと母親の「部屋」での生活とそこからの脱出劇、外の世界への適応と回復の過程が丁寧に描かれます。
物理的な監禁から解放されても母親は精神的に監禁されたままで、Jackを受け入れない家族、メディアと世間からの好奇の目と糾弾、過去の友人達との差、トラウマに苦しみます。子供の断片的な理解から描かれる母親の終わりのない苦しみに呼吸が浅くなる、胸が引き裂かれる思いがする。対照的にJackは初めて触れる世界の全てのものを恐れアレルギー反応を出しながらも、知的好奇心に従って1歩ずつ世界との関わりを広げていきます。その観察眼と描写は私の世界の見方を変えるほど新鮮なものでした。

youtube: Last Week Tonight with John Oliver

超有名ですが、John Oliverがホストのlast week tonightはyoutubeで観られるトークショーの中で一番好きです。ここ3年ずっと観ていますが、特に社会問題が絡む嫌なニュースに苛立ったり葛藤を抱えた時に、気を晴らすために意識して観ることが多いです。
念密なリサーチに基づいてデータや根拠をきちんと提示してくれるので安心して観られます。複雑な社会問題を鋭く批判しつつ、テンポ良く冗談も入るので、1回30分があっという間に感じます。ショーの最後で必ず解決に繋がる前向きな提案も提示してくれます。John Oliverの真面目なユーモアのセンスが大好きです。
特にお勧めの回: Sex Education

Trump vs. Truth

ファッション: LLAGUT マドレーヌ 赤

スペイン人の鞄デザイナーの友達が2014年に台湾で立ち上げた革鞄ブランド、llagutの翻訳をしています。llagutは素材に徹底的にこだわっていて、イタリア製のカーフスキンの銀付き革を使用しているので、生地のキメが細かく柔らかく軽いのが特徴です。シンプルで実用的でありながら、スペインや日本文化から着想を得た遊び心溢れるデザインと鮮やかな発色が印象的です。
誠品生活日本橋に出店しているそうなので、近くに行った際は是非寄ってllagutの製品を手に取ってみて下さい。

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11月はデザイナーがllagutの鞄シリーズのマドレーヌを誕生日プレゼントに贈ってくれました。滑らかな曲線美…。私は服が全てzaraの黒なので、この鞄の赤が映えて嬉しいです。メインはカーフスキン、側面はスエードを使っているので表情が変わって楽しい。私はスケジュール帳含めいつも荷物が多いのですが、コンパクトなサイズなのに必需品が全て収まります。

2019年12月の目標

勉学
- 修士の最終プロジェクトを進める; キュレーター仲間との週2回の打ち合わせ、4時間分のインタビューの文字起こし、リサーチ、アーティストへの連絡、インタビューの質問の準備、展示会場探しetc.
- 24時間以内に返信する。
- バイトが3週間休みのうちに、英語のオンラインの授業を14時間分、対面3時間分受ける。

生活
- ピアノをやり直す。
- 3時までに寝る; 20時に仮眠を取らない、2時に珈琲を飲まないで白湯にする、クラブで朝日を拝まない。
- バイト先の都合次第で収入が不安定なので、バイトを1つ増やす。


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