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「粉雪色のうそ」詩


鍋料理から あがる湯気は 
母さんの言葉のよう
ぬくもりで 
心をいっぱいにしてくれる。

米をとぐ手は アカギレで ザラザラ。
頬を撫でられると チクチクする。
でも その手を 握って歩くのが
好きだった。

笑い声は 焚火の暖かさ。
冷たく 辛い 悲しみも 
いつの間にか 溶かしてしまう。

縫物しながら 小声で唄う
その歌声は  潮騒のよう。
私の心の 揺りかごを ゆらす。

台所で 包丁を使う 痩せた背中
抱きつけば 振り向いた 目尻に涙。 
「玉ネギ 切ってるのよ」
いつも 嘘が下手な 母さんでした。

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