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「勉強しないと おじさんになる」詩―

家の前の 道路工事が
始まって かなりの日数が経つ

真夏の 肌を焼く陽ざしの下で
何人もの人が 言葉すくなく
汗と一緒に 働いてる

大きな音が 絶えず響く
「うるさいなぁ…
母さん あの音 何とかならないの」
黙って 首を横に振る 母さん

母さんは 誰に頼まれた
訳でもないのに
働いている 人たちに
冷たく冷えた麦茶を 届け始めた
給仕役は いつもボク

茶色の 日焼け色の顔から
輝くような 白い歯と
くすんだ笑顔が 溢れる

「坊や ありがとう。生き返るよ」
汚れたタオルで 汗と埃を ぬぐいながら
おじさんは 心のこもった お礼をいう

工事の 終わる日
冷えた麦茶と 持っていく
冷たくひやしたタオルを
持って行った

おじさんは いつもより
沢山の笑顔で 僕の手を 強く握る
「坊や 勉強しないとダメだよ
勉強しないと おじさんみたいになるよ。
土方(どかた)に なったら いかんよ」

大人になっても
工事現場を 通ると
このおじさんの 言葉と
懸命に働いていた姿を
いつも 思い出す

「勉強しないと おじさんみたいになるよ!
約束だぞ」

僕はおじさんとの 約束を
守れたろうか・・・
今も 答えに窮する

🐱🐱🐱🐱
最後まで 読んでいただきありがとうございます。
これからも お心をなごますような詩を投稿して
まいりますので、スキ、コメント、フォローなどを
いただければ 子犬のようになつきます

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