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フランス詩を訳してみる

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#ルネサンス

ひよこのるる訳詩目録

2018年11月以来発表してきたぼくの訳詩約70編の、作者別の目録です。もし気に入った作品を見つけたら、同じ作者や時代の他の作品も読んでみていただけたらとてもうれしいです。

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作曲家・ミュージシャン別の索引も用意しております。

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以下、作者の生年順に並べています。

Marcus Valerius Martialis/マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(ローマ)
c.40-c.

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クレマン・マロ「自分について」(フランス詩を訳してみる 16)

Clément Marot, De soy-mesme (1538)

今やかつての私ではなく
二度と若返ることもできない。
美しかった私の春も 夏も
窓から飛び降りてしまった。
愛の神よ、あなたをわが主と仰ぎ
どの神にもまして仕えてきました。
ああ もしも生まれ変われたなら
もっと良くあなたに仕えられるだろうに。

(清水謙子の訳を参考にした。)

Plus ne suis ce que j’a

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ルイーズ・ラベ「生きながら死に 灼かれながら溺れ…」(フランス詩を訳してみる 15)

Louise Labé, Sonnet VIII (1555)

生きながら死に 灼かれながら溺れ
酷暑にあえぎながら凍えている。
人生はあまりに優しくあまりに厳しい。
激しい苦悶の中に喜びが混じる。

笑いながら同時に涙に暮れ
楽しみながら幾多の深い苦しみに耐えている。
幸せは立ち去りながら永遠にとどまり
私は枯れながら同時に青々と茂る。

これほどにも〈恋〉は私を振り回す。
苦しみのどん底にあ

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ジョアシャン・デュ・ベレー「幸いなるかな オデュッセウスのように……」(フランス詩を訳してみる 3)

久しぶりに心に触れる詩を見つけた、と言ったら、いつも訳している詩はなんなんだということになりそうだけれど、直接的に心に訴えかけてくるものの強さの違いというものはあって、いわば頭よりも先に心にくる詩は、ぼくにとって、そう多くはない。

前回のアイヒェンドルフの詩

では、イタリアへの憧れを歌っていたが、ジョアシャン・デュ・ベレー (Joachim du Bellay, 1522-1560) の今回の

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