【短編小説】ある春の日の恐怖体験
あれは、今から年ほど三十年ほど前の春の日の出来事だった。
俺の名前は加藤 浩史。愛知県の高校を卒業し、住み慣れた町を離れ、地方の大学へと進学した。都会の喧騒に慣れた俺は、田舎へ引っ越すということに、当初は不安でいっぱいだった。
しかし、大学生活が始まり、独り暮らしにも慣れていくに従い、待っていたのはサークル活動にバイト。合コン、飲み会、朝までカラオケの日々。そのループに陥って、大学では適当に出席して単位を取っておけば良かった。気づけば、四年間がアッという間に過ぎ去って