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「束の間の離れる時間の苦しさを」

一緒に暮らして
だいぶ時間が経った

どんな恋をしても
毎日数ヶ月もいたら
慣れてくる
はず
だった

けれど
未だに
彼が恋しい

仕事帰りに
予定を合わせて一緒に帰るとき

少し離れて
人待ち顔の彼を
「素敵な人」
とぼんやりと見つめて
毎度
恋に落ちる

そう伝えると
彼は彼で
僕も離れて眺めて
惚れ惚れしてる

なんて
可愛いことをいうのかしら


いってらっしゃいのキスをして
数十分後
「会いたい」

テキストが来る

私もちょうど
離れて寂しいな

感じ始めた頃のこと

彼のママに
新婚みたい

言われたけれど

ママ達こそ
結婚何十年も経って
アツアツ

見ていて
お互いが
お互いに
愛して、好きの現役なのが
見てとれる

こんな夫婦は
世界でも
少ないんじゃないかな
というくらい

生活のための結婚
ではなく
愛しているから
結ばれている二人

見て育った彼は
なるほど
愛の国の住民

いつも
愛してくれる
気持ちだけじゃなくて
身体も

毎日
彼と舌を絡めて
吐息と唾液を交換し
毎日
彼と手足を絡めて
嗚咽と体液を交換し

二人の身体が
ひとつになってしまえば
いいのにと

毎日
毎日
想っているのは

誰にも秘密の話









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