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今年、この本に出合えて良かったと思った本

たくさん本を読んだとしても、ずっと手元に残しておきたいと思う本や何度も読み返したいと思う本は少ないものだ。大きな本屋さんで本と目が合い、呼ばれるように手に取った「種まきノート」早川ユミ・著は、今年のベスト3に入る、これからも読み返したい本だった。このような本に出合えて本当に嬉しく思う。



布作家である早川ユミさんが、高知の山の上での暮らしや子育て、食について、自然のこと、環境のこと、畑のこと、夫婦のこと、仕事のこと…と、さまざまなことについて書かれてあるエッセイで、どれも興味深い内容だった。

特に現代の夫婦の在り方を書いた「種としてのわたし」と、登校拒否になった息子を通して、あるがままの自分を受け入れるようになった「つながりあって生きてゆく」、あとがきの「土と暮らす」が素晴らしく、何度も読み返したいと思った。手に取った人は、ここだけでも読んでもらえたら…と思う。

気付けばコロナで、人間も自然の一部であることを、日常生活の中で気付かされることが多かった。そんな当たり前のことすら感じることなく、日々の慌ただしい暮らしの中で生きていた。

環境が壊れれば人間も壊れる。土や自然に触れると心地よくなるのは、人間も自然だからこそ。コロナになってからは、都心で散歩をしているだけでも、そんなことを強く感じた日々だった。立ち止まり、自分と向き合い、自然や暮らしについて考える事が多かったように思う。

この本は、もしかしたらコロナ前に読んでいたら、ここまで自分の心に響かなかったかもしれない。でも、今だからこそ手にしたい、手にして欲しい、おすすめしたい本だと思った。

癒やしと学びと感動をありがとう。



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