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カルチャーコラム100連発

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目につくものすべてがネタです! 毎週木曜更新でカルチャーについて語っていきます。
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#人文学

『新明解国語辞典 第八版』における「い」の見出し語について、語釈の文字数を数えた

・山口忠雄他編『新明解国語辞典 第八版』三省堂、2020年の「い」の見出し語について、語釈の文字数を数えた。

・結果を以下のPDF, Excelファイルで提示する。

・各語釈の文字数は、概算である。

cf. 山口忠雄他編『新明解国語辞典 第八版』三省堂、2020年、pp. (61)-(112)。

『新明解国語辞典 第八版』における「あ」の見出し語について、語釈の文字数を数えた

山口忠雄他編『新明解国語辞典 第八版』三省堂、2020年の「あ」の見出し語について、語釈の文字数を数えた。

結果を以下のPDF, Excelファイルで提示する。

各語釈の文字数は、概算である。

cf. 山口忠雄他編『新明解国語辞典 第八版』三省堂、2020年、pp. (4)-(56)。

『大きな活字の 新明解国語辞典 第七版』より「あ」①

編者は見出し語「あ」を提示する。「あ」は亜・阿・啞・痾・鴉と漢字で表記され、括弧で閉じられる。下矢印の指示にしたがって見ると、漢字は字音語に関係することがわかる。実はこれらの漢字は字音語の造語成分であった。

木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』第14章「帝国主義とアジアの民族運動」と第15章「二つの世界大戦」について--中核諸国

本稿では、ウォーラーステインの「近代世界システム」における「中核諸国」に着目して、帝国主義時代から第二次世界大戦終結までの国際社会を論じる。

世界システムの条件は分業体制と多数の文化である。世界システムは二種類に分けられ、本稿で適用する「世界経済」においては全空間を覆う単一の政治システムが欠落している。このような「世界経済」の先進地帯が「中核諸国」と呼ばれる。

1881年以降、列強(つまり、中

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木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』第16章「冷戦と第三世界の自立」第17章「現代の世界」について

本書の第二次世界大戦後の章を政治の観点から紹介する。

本書は戦後の世界を国際関係の変化から説き起こしている。

戦後、世界は米ソ両大国を中心とする2つの勢力の対立関係に置かれた。そうした動きに対抗するかたちで、欧米諸国から独立したアジア・アフリカ諸国が非同盟勢力として国際政治上の役割を果たした。

しかし、各陣営における指導力の低下を受けて、1970年代から米ソは緊張緩和(デタント)の時代を迎え

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木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』について

今日は木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』山川出版社、2008年を紹介したい。

本書の目的は、人類が過去から未来への方向を案出することである。

そこを目指して、本書は高校レベルの世界史を自学自習するための参考書として編集された。しかし、本書は、漫然と学ぶのではなくて、読者が世界史をみずから再構成することを勧めている。

というのも、われわれは過去を学ぶことで現在の意味を知り、

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について⑥--主体

ドゥルーズは言表における主体を論じる。

文の観点から見ると、〈主体〉は言説を開始する力をもっている。しかし、言表は〈主体〉という唯一の形態とは関係なく、むしろ可変的な内在的位置に関係する(「長いあいだ、私は早くから床についた……」という言説が言語学的人称としての〈私〉にも、作者プルーストにも結びつくように)。内在的位置は〈主体〉の形象という形式に還元されない。むしろ逆に、内在的位置が言表に由来し

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ドゥルーズ『フーコー』の賭金

『フーコー』の賭金は何だろうか。一度、論文の冒頭に立ち返って確かめたい。

ドゥルーズはある事柄に着目する。つまり、古文書学者は方針にしたがって振る舞っているということである。

さらに、ドゥルーズはある事に言及する。人は、古文書学者の著作に、哲学における新しいもの、美しさがあると言うのだ。

今後、古文書学者の方針、その著作の新しさ、美しさという問題が賭金であると仮定して、論を進めていく。

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について⑤--並行的空間、規則、ベクトル

前書き↓

①↓

②↓

③↓

④↓

※今回の記事は数学用語をかなりラフに使っています。もし数学プロパーの方がいらっしゃったら、ご教示いただけると幸いです。

引き続き、ドゥルーズは言表の規定を試みる。かれは言表とその他の要素との関係を素描する。

並行的空間は、同じ集合に属している他の言表によって形成される。しかし、言表と空間は形成の規則の水準では同一である。というのも、言表の集合や族を形

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について④--トポロジー、あるいは形而上学の密輸?

前書き↓

①↓

②↓

③↓

※今回の記事は数学用語をかなりラフに使っています。もし数学プロパーの方がいらっしゃったら、ご教示いただけると幸いです。

前回、筆者は「実定性」なる用語について、どこまでも現実でありながら、事後的に理論が発見されることを含んでいると理解した。ドゥルーズは言表の規定を推し進める。

大切なのは、言表の規則性である。さらに、代数学のようなものより、幾何学のようなもの

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について③--言表の規定

前書き↓

①↓

②↓

前回確認したのは、言表がとある体系を指示しているという理解だ。さらに、ドゥルーズは言表の規定を試みる。

言表は事実上、稀少であるし、理論上も稀少である。

ドゥルーズはまず、理論の問題を論じる。稀少性の法則は言表を命題と文に対立させる。

タイプにしたがって、論理学は第一に、命題を他の命題の上に置く。理論的な上位に位置づけるわけである。

第二に、論理学は可能性と現実

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について②--数学から言表へ

新しい古文書学者の物語はどう展開するのか。

彼はとある概念を問題にする。つまり、言表である。ここで注釈するように、論理学を無視する。論理学ではなくて、むしろ数学によって、われわれは言表を読み解くことができる。

その際に彼が分析する唯一の例は、文字である。それも、偶然に記された、あるいは機械から書き写された一連の文字である。機械自体は言表ではない。しかし、機械に印字された文字列はとある体系の言表

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について①--古文書学者

『フーコー』はとある古文書学者の物語から始まる。

この古文書学者には、方針がある。

しかし、かれはさまざまにレッテル貼りされてきた。それに反し、新しいものが哲学のなかに生まれていると判断する者もいる。

古文書学者は賛否両論の渦中にいる。

筆者は、偉大な思想家なら誰もが直面する毀誉褒貶に立ち会っていると感じる。今後はどうなるのだろうか。