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オリジナル小説を書いていきます。 遅筆ですが、読んで頂けると嬉しいです。
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#コーヒー

【創作百合】no title 01

【創作百合】no title 01

星空の下、丘の上で、好きな人の隣でギターを弾く
隣にいるのは大切な人で、安直に触れてはいけないほど、尊い人。

空気の澄みきったこの季節、二人で丘の上、隣り合って座っている。どちらが誘ったのか、どういう経緯でこうすることになったのかは忘れてしまった。彼女は覚えているかもしれない。しっかりしているから。だけど、もうそういうのはどうでも良いんだ。今大切なのは、そういうことじゃないから。
彼女は隣でただ

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207ページ目の珈琲の染み 05

207ページ目の珈琲の染み 05

2人は夕方まで談笑していた。

大学のことだの、本のことだの、コーヒーのことだの、、、
(コーヒーの話はほとんど伊達の熱弁だった)

2人は仲睦まじく、少しぎこちなく喋っていた。

女が伊達を夕食に誘い、2人は家を出た。
何を食ってくるのかはわからないが、うまいコーヒーがでる店なら、伊達は喜ぶだろう。

本屋にいたころ、中学生くらいの男児がこう言っていた。

「腹が減って吐きそうだよ〜。」とな。

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207ページ目の珈琲の染み 04

207ページ目の珈琲の染み 04

来客俺がこの家に来てから、7日目。
伊達は珍しく、掃除をしていた。
こいつの部屋はそこまで汚れていないから、伊達は掃除をあまりしない。
コーヒーミルの掃除は、よくするが。

掃除機をかけ、換気をした。
3日間、干しっぱなしにしてあった洗濯物を、一つ残らずかたした。

昼を少し過ぎた頃、家のチャイムが鳴った。
伊達は洗いかけの食器を放って、玄関へ向かった。
あの平皿は、もう一度洗う羽目になるだろう。

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