207ページ目の珈琲の染み 05
2人は夕方まで談笑していた。
大学のことだの、本のことだの、コーヒーのことだの、、、
(コーヒーの話はほとんど伊達の熱弁だった)
2人は仲睦まじく、少しぎこちなく喋っていた。
女が伊達を夕食に誘い、2人は家を出た。
何を食ってくるのかはわからないが、うまいコーヒーがでる店なら、伊達は喜ぶだろう。
本屋にいたころ、中学生くらいの男児がこう言っていた。
「腹が減って吐きそうだよ〜。」とな。
「腹が減って死にそう」なら分かる。
しかし、吐きそうになるのは分からん。腹が空いてきたら、さらに中身がでてこようとするのか。意味がわからん。
伊達はいつもパンを食う。
朝はいつもパンだ。
食パンではない。白っぽくて、角が丸く、片面に焼き目のついたやつで、伊達はいつもそれをさらに焼き、レタスや卵を挟んで食っている。
いつもそれだ。
休日の朝にはそこにスープが付く。
昼、家にいる時もパンだ。
近所の店で買ってきたパンを2つほど頬張る。
大概、菓子パンと惣菜パンを一つずつだ。
もっと健康的なものを食えばいいのに。
夜だけは、ご飯になる。
適当につくったやつを食っている。
料理は苦手らしく、簡単なやつしかつくらない。
今日は何を食うのだろう。
あの世話焼きの女がいるから、おそらく一汁三菜で体にいいものを食ってくるだろうが。
おごってもらうなよ。
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