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人口約1000人の町で20組以上の移住者が開業。クラシックで創造的な職人が集まる宿場町を目指して。

こんにちは。株式会社Local PR Planの安達です。

今回は、安達が丹波篠山市に移住して約10年関わってきた「丹波篠山市福住」という人口約1000人ほどの宿場町について。ここに集まってきているクリエイター達をご紹介するパンフレットを作成しました。


約20軒ある事業者の中から、以下の3点を基準にインタビューする6組を選ばせてもらいました。

①独自の信念と経験を持ち、福住で創作活動をしている
②活動自体を事業とし、補助金等に頼らず自立して経営ができている
③都市部から住居を移し、土地に根付きながら家族で生活している


Title:(Strange + Natural) × Sustainable Area = Happy LIVE & Work

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タイトルは、いろいろな人の想像で読んでもらいたかったので、すごくわかりにくいのですが(笑)

人の力
「Strange = 特異性」と「Natural = 自然に努力できること」に
場の力(歴史・自然環境も含めた)
「Sustainable Area = 歴史ある、つまり持続可能なエリア」を

かけ合わせて

豊かな暮らしと独自の仕事スタイルを自力で手に入れる

ということを表現しています。

「私たち」は表現したい仕事を、この土地で叶えることにした。

というタイトルは、6組のインタビューを終えて記事を書いて「これだな」と思った芯の部分のメッセージでもあります。


Introduction:百年の眼差しで、仕事と暮らしを見つめ直したとき

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百年の眼差しで仕事と暮らしを見つめなおしたとき

自分の事業は、この先も誰かを幸せにできるか?
自分たちの暮らしは、省みなくてもよいだろうか?
環境にとって本当に未来のためになることだろうか?
都市の暮らしは、仕事は、続けていきたいことだろうか?

一生懸命にやってきた今までを否定するわけじゃないけど、やってきた自分たちだからこそできる、次の表現があるんじゃないだろうか?

自分の足元にもう一回しっかりと立ち返って
本当に心から良いと想う「ありかた」を模索すること
その納得できる「何か」に共感してくれる人と仕事をすること
それが、地球の環境と家族と周りの「人」を幸せにできること

江戸時代から商業と農的な暮らしの面影残る旧宿場町の街道に
環境にも自分たちの暮らしにも配慮したお店が集まっているらしい

大阪・京都・神戸から車で1時間ほど
「福住」というまちに、休みをとって、行ってみよう
このきっかけが、自分の人生にとって大事な一歩になるかもしれないから


case1 ノウカナガイ:「人の行動と自然の関係性」を観察する。里山に関わる一次産業を通して、次の世代に残していきたいこと。

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ノウカナガイさんのインタビュー記事詳細はコチラ

1組目は「ノウカナガイ」の長井ご夫妻。「無農薬で農業をする」「里山の自然を守るためサスティナブルな活動をする」言葉にするのは簡単ですが、本当に芯からその必要性を感じ、20代からブレずに、泥臭くやり続けている若者を見たことがあるでしょうか?

ご夫妻とは移住当初の10年程前から安達も付き合いがあります。彼らが大学生の時からその活動を見てきているのですが、本当に職人気質という言葉がぴったりの考え方。

「自分たちの行動がどういう風に自然を形づくって、自分ができる部分はどこか」

2人とも神戸大学(旦那さんは大学院まで)を卒業した秀才でありながら、学歴などに傲慢になることは全くなく、地域でも誰よりも泥臭く、地道で本質的な活動(仕事)をしています。

在来種・固定種(遺伝子組み換え等がされていない種)を選び、多品種の野菜を育て、木こりの仕事、狩猟も本格的に行う。全て里山を次の世代に残していくために仕事を選んでいる。尊敬する同世代の事業者の一人です。


case2 なりとぱん:天然酵母のパンで「やる」と決めた。大阪での充実した仕事から、移住して得た一歩先の幸福感。

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なりとぱんさんのインタビュー記事詳細はコチラ

天然酵母のパンでは儲からない、絶対にできないと先輩に言われても
「いや、できる」とやりきるし、

国産の小麦や無農薬の野菜を選んで本当に体に良いと思うものを提供する。
大阪のお店の時は、毎週和歌山の山奥までお水を汲みに行っておられたと言うから、そのこだわりは筋金入りです。

「大阪の店の頃は、どうしてももっと作らないかん、というストレスがあったみたいです。自分ではそんなつもり無かったけどイライラして、自分の作りたい量をオーバーしてたんでしょうね」

やりたいこと、自然なサイズで仕事を構築する。それは、がむしゃらに努力をしてきた伊勢さんだからたどり着いた境地だなと感じました。


case3 sorte glass:どん底でも創造的な作品作りは絶対に諦めなかった。本懐を忘れなければ、どれだけ回り道をしても道は必ずひらける。

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ソルテグラスさんのインタビュー記事詳細はコチラ

3組目は吹きガラスアーティストの関野さんご夫妻。

今では吹きガラスの業界のみならず、レクサスが選ぶ日本の匠プロジェクトにも選出され、知名度のある関野さんご夫婦ですが「預貯金がどんどん減って、ただただ悲しくなった時があったよ・・(笑)」と、当時の苦労も包み隠さずお話してくれました。

本懐を忘れなければ、どれだけ回り道をしても道は開ける

この言葉に、アーティスト・職人であることと同時にこの人は武士だな、と思ってお話を聞いていました。奥さんと二人で創作活動に集中していた関野さんですが、お話を聞いていると近くの事業者さんとも連携したり作品を提供していたりしていたのだとか。

それぞれで努力を積み重ねて、芯のある活動をしながら、ゆるやかに事業者同士で連携していく。本当の意味で苦労してきた経験をお持ちだからこそ、同じ様に努力してきた方に共感できるんだなと思わされます。


case4 trattorìa al ragoût:全然人がおらんところが面白い。イタリアの田舎まちで見た小さなコミュニティで生きるバールとしての店づくり。

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トラットリア・アル・ラグーさんのインタビュー記事詳細はコチラ

安達が福住に関わる一番最初の仕事が、このトラットリア・アル・ラグーさんの古民家改修工事や地域へのお披露目・関わる人を増やすための建築ワークショップでした。その時から一貫して今も、シェフの兼井さんは全く媚びないし、自分の軸をブラさない人。

変える、曲げることをしたくない。それだったら規模を縮小してでもやらない。美味しい美味しくないは個人の感想であって、それは二の次。

誰かが言ったことに流されたり、世の中の流行りに影響されず自分の信念を貫く。その姿勢が実は長く続くお店の秘訣なんじゃないかと感じました。この信念についたファンは、いつも変わらない味に安心感を持つことだと思います。


case5 Littleaf・Holistic Mugwort:自然に根ざして生きていたい。自身の辛い経験からたどり着いた自然療法のサロンと、人の心の調和に繋がるお店づくり。

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リトリーフ・ホリスティックマグワートさんのインタビュー記事詳細はコチラ


安達の奥さんのインタビューです。他人の立場からインタビューをしている記事になっているのでちょっと不思議ですが(笑)改めていいこと言ってるなあと感じさせられました。

自分が事業をやる時に、地球環境に配慮したりその先の影響を考えるようになったのは確実に奥さんの影響です。安達自身は事業者なので、採算のとれない事や生き過ぎたナチュラル思考で経営を危ぶむ様な事はしませんが、その折り合いや接点を二人で協議しながら選択をしていきます。

みんなが自分のことを好きで、自分の好きな仕事をできてる状態って、結局子どもにも良い影響を与えますよね

バックボーンが教育の奥さんらしい一言が、自然環境への配慮や長く続く地域へと繋がっていく。折り合いつかなくて喧嘩もよくしますが、どうしたら地域環境にもよく、利益を出せるか、日々頭をひねって考えさせてくれます。


case6 けせら工房:絶対に人に必要な「衣食住」を自分で作れるように。そして、学びをおすそ分けしていくことでみんなの暮らしの質を上げていく。

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けせら工房さんのインタビュー記事詳細はコチラ

暮らしにまつわる様々なものたち、そのものたちがどうやって作られているか?どこから来ているか?全てを説明できる人は当然ですが少ないと思います。そんな疑問について、わからないままにせず、納得いくように学んだ自分たちの学びをシェアする。そんな発想が面白い松岡さんご夫婦。

最初に自分がたどり着いたものを生活に取り入れて、良いと思ったものを色んな人に使ってもらったり体験してもらったりしていく「おすそ分けしている」感覚

これが仕事になると、どれだけ自分にとって心地よいか想像できます。良いものをつくって、取り入れて、良いと思う人と繋がって仕事をしていく。まさに理想の暮らしだと感じました。




あとがき:インタビューを終えて

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どこか古くて懐かしいけれど
今の日本の暮らしにとっては一周回って新しい価値観や考え方


この福住に新しく来た人たちは借り物の言葉でなく自分の言葉で
仕事や生き方に向かい合っている


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何か共通の意思選択をしているように思ってしまうのは
「土地の意思」に惹かれて集まってきたからではないか?
なんて事を妄想してしまう


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農業、パン屋、アーティスト、レストラン、自然療法、暮らしの学び場
みなさん全て、自分自身のあり方に向かい合って形にする「職人」だった


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新しい時代の暮らしと働きかたはどこに向かうのだろう?

きっとその答えは、自分の中にあって

今までの努力がつながる「今」だからこそできることがある

自分と、まわりの人と、地球や自然にとって

健やかで幸せな「ありかた」を探す旅

人生の時間を過ごす大切な場所と、一緒に過ごす人たちを

自分で選んで、決めよう

それがきっと、幸福な暮らしにつながると思うから

(Strange + Natural) × Sustainable Area
= Fukusumi & Your Style

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Art direction・design:中西 一矢(SANROKU)
photo:大崎 俊典(photo scape CORNER.)
interview・writing:安達 鷹矢(㍿Local PR Plan)

また、今年度も福住の特異な職人・アーティストに絞って追加取材をしようと考えています。魅力的な事業者が集まり、その感性に惹かれる魅力的なお客さんが歩く地域。同じように開業をしたい、興味があるというクリエイターの方は、ぜひお気軽に一度ご連絡ください。もちろん、普通に遊びに行きたいよ、という方も大歓迎です。職人達のこだわりを感じに、ぜひ福住に遊びにいらしてください。

長文にお付き合いを頂きましてありがとうございました。安達が何をやっているか、Local PR Planはどんな会社なのか?に興味をお持った!という方がおられましたら、こちらの記事にまとめていますので、合わせてご覧頂けると幸いです。


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