この題名には意味がある。『薬屋のひとりごと』感想
薬は、けっこう飲んできた方です。
風邪薬にせよ、漢方にせよ、なんにせよ。
あれ、苦いんですよね。
だから、口に含むときも。
息を止めるようにして、飲む。
もしくは、口に水を含んで。
その上に、薬を乗せるようにして、飲む。
そんな事をしながら、苦みと戦っていた記憶です。
はてさて。
今回、ご紹介するライトノベルは、日向夏先生の『薬屋のひとりごと』(単行本は、2012年9月刊行。文庫は、2014年8月刊行)です。
薬って、あまり飲まない方が良いと個人的には思っています。
今回のあらすじって?
今回も、「BOOK☆WALKER」さんから、引用させていただきます。
今度の舞台は、「架空の中華っぽい国」です。
そこで少女が、宮中で現れる謎を、薬の専門知識で解決していく話です。
本当にライトノベルは、何でもありで、大好きです。
「ひとりごと」の意味
さて、この作品を説明すると。
いわば「スカッとする」系と言えば良いでしょうか。
主人公である猫猫が、現代でも通用する、薬の専門知識を武器に、様々な事件を解決していくわけですが。
他の登場人物は、ほとんどその知識が無い。
そんな彼・彼女らに対して、「こういうことだ」と事件のあらましを説明する、といった構図です。
でも主人公である猫猫は、あくまで「ひとりごと」という体裁を取っています。
何故か。
それはこの作品の、中華っぽい世界観が由来しているのだと思います。
天上人と説明されている、帝。
そして、他の武官や文官たち。
彼らよりも、知識が豊富であることは、この世界では死を意味します。
天上人よりも、詳しくあってはいけない。
武官や文官でさえも。
だから、そんな存在がいたら始末する。
そんな価値観が、あるのだと思います。
故に、あくまでも猫猫は、「薬屋のひとりごと」という形をとっている。
そして理解のある皆が、それとなく聞く形を取っている。
故に、その「ひとりごと」で事件が解決するときもあれば。
しないときもある。
それが、この作品の最大の魅力なのではないかと、思ってしまう訳なのです。
「小説家になろう」での連載を経て
この作品は、元は「ネット小説」です。
「小説家になろう」という、小説を無料で投稿し、閲覧できるサイトから生まれました。
故に、この本の構成も、普通の長編小説のような形ではありません。
2,3000文字の短編が「1話」という形を取っており、言ってしまえば、「短編集」のような体裁となっています。
それ故に、話が細切れのような形となっています。
ですが、これがネットでの小説の形であると考えています。
言ってしまえば、書く側の都合と言う奴ですね。
ネットで掲載されていたお話を、誤字脱字を修正して、本という媒体に持ってきたような形になっています。
これは、新しい小説の形なのではないかと、思ってしまうのです。
結局、おもしろいの?
面白いです。
後宮を舞台として起こる、ミステリー的な展開。
薬の専門知識と、「ひとりごと」による、一つの解決策。
話が面白く、ぐいぐいと、引き込まれました!
なお現在、アニメが絶賛放送中となっています!(2023年11月時点で)
こちらも大変面白いので、お暇があれば、鑑賞を是非とも薦めさせていただきます!
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