児童・生徒指導㊽「生徒指導提要」から考える その2(生徒指導の実践上の視点1)
今回は「生徒指導提要」を読んで、考察をしてみたいと思います。あくまでも、読んで感じたことや考えたことなどの、個人の一見解です。また、読み進めながら書いていくため、全体像を見通した内容になっていなかったり、解釈の仕方が変わっていったりする可能性もあります。
前回の定義、目的に続いて、生徒指導の実践上の視点として4つが示されています。
今回は、この中の「自己存在感の感受」に視点を当ててみたいと思います。
学級において、子どもたち「ひとりひとりの存在感」は非常に重要な視点であると感じます。誤解を恐れずに言うなら、一部の子だけの存在感が大きい状態は、学級があまりよくない状態にある可能性が高いという場合があると感じます。逆に、ひとりひとりが存在感をもち、対等に意見を言い合えるような雰囲気がある場合には、子どもたちの関係性が良好である場合が多いと感じます。所属している感覚とも近いかもしれませんが、この学級・学年・学校の中に、「『自分という人間』として存在している」と感じられることが子どもたちにとっての安心感や充実感につながっていくのではないでしょうか。また、私としては自己存在感とは、無理をしたり自分の性格の範囲を超えたりして、自分を大きく見せようとするようなものではなく、あくまでも「在りたい自分でいる」ことを基本とした存在感であると思っています。
「自己肯定感」については、自分のよい部分はもちろん、よくない部分や「できなさ」の部分についても、肯定的に受け入れることができる感情であるとよく説明されるのではないでしょうか。ありのままの自分を肯定するためには、自分自身の意識の問題だけではなく、周りからの影響も多分にあります。自分も、他者も、互いに「ありのまま」を認め合うような関わり合いをすることによって、ひとりひとりの自己肯定感が備わっていくと考えています。
そして、「自己有用感」については、他者から「よいを評価される」ことに期待することなく、「他者に貢献する」こと自体に幸せや充実感を感じられるようにすることが重要であると思っています。
この「自己肯定感」と「自己有用感」が循環していくことによって、ひとりひとりがありのままの自分を肯定的に捉え、互いに助け合う・思いやる気持ちに支えられた空間ができていくのではないでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございました。