★児童・生徒指導51★生徒指導提要から考える その5(課題予防的生徒指導と困難課題対応的生徒指導)
今回も「生徒指導提要」を読んで、考察をしてみたいと思います。あくまでも、読んで感じたことや考えたことなどの、個人の一見解です。また、読み進めながら書いていくため、全体像を見通した内容になっていなかったり、解釈の仕方が変わっていったりする可能性もあります。
前回の、生徒指導の構造として、2軸3類4層構造から考えていきます。今回は、「課題予防的生徒指導」に分類される「課題未然防止教育」・「課題早期発見対応」と、「困難課題対応的生徒指導」について考えをまとめていきたいと思います。
「課題未然防止教育」は、「常態的・先行的(プロアクティブ)」に、全ての児童生徒に対して行われるものであり、
と説明されています。
そして、「課題早期発見対応」は、「即応的・継続的(リアクティブ)」に、一部の児童生徒を対象に行われるものであり、
と説明されています。
「困難課題対応的生徒指導」は、「即応的・継続的(リアクティブ)」に、特定の児童生徒を対象に行われるものであり、
ものと説明されています。
未然防止・早期対応・個別対応は、生徒指導において重要であることは間違いありません。子どもたちの心身に重大な被害を与えてしまうような問題に発展しないように、また、発展している場合には、これらの視点に沿って丁寧に対応していくことが必要であると思っています。
さらに、「困難課題対応的生徒指導」の説明で述べられていることが非常に重要であると感じます。以下に引用します。
いじめの重大事態、暴力行為、自殺といった、子どもの心身に重大な影響を与える状況は何としても避ける必要があることは、先にも述べました。そこで、大切になるのは、日頃から子どもたちの安心・安全につながる働きかけがどれほどできているか、という視点に立つことだと思います。
教師の言動やふるまいは子どもたちに影響を与えることはもちろん、子どもの言動への教師の対応の仕方やヒドゥンカリキュラムと呼ばれるようなものが、その後の学級の雰囲気や在り方を左右することになります。
先生方がこのような言動を意識されていることは言うまでもないことかもしれませんが、私自身としては、教師も失敗や間違いをすることもあると思っています。(もちろん、重大な過ちはおかしてはいけませんが)その際に、教師がしっかりと反省したり、誤ったりする姿を子どもたちに示すことが重要であると思います。自分のふるまいがよくない影響を与えてしまったと自覚したら、それを子どもたちに伝える。そのような在り方が教師の信頼を生むと思っています。
少し話が脱線してしまったかもしれません。
また、私がもう1つの大切な視点であると考えていることとして、「トラブルから学ぶ」ということもあると考えています。
何度も述べているように、心身に重大な影響を及ぼす事態は避けなくてはいけませんが、子どもたちは人間関係等に関する軽微なトラブルもたくさん経験します。
トラブルとまではいかないような、些細な意見の食い違いや主張のぶつかり合いのようなことも起こるでしょう。
いずれにしても、そこから何も学ぼうとしなければ、「嫌な出来事」で終わってしまうようなことはたくさんあります。
教師が必要な介入をすることで、そのような出来事を「学びの機会」にすることが大切だと思っています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。